異世界マゼマゼ奮闘記
掃き出し窓の能力集中講習センターの下見
交通業界に掃き出し窓の能力その他を訓練し、全員を講習修了させた翌日、汲広とアントネラは海が見えるところにやって来た。
…とは言っても、埋め立て地。
元々無かった土地なので、広大な大地を求めて、工場やら倉庫などが多い土地である。
そんな中にポツンとある2階建ての広々とした建物。
そこが、第三セクターで新設された、『掃き出し窓の能力集中講習センター』である。
この埋め立て地に用のある者は送迎バスで来るため、一般的な交通網は発達しておらず、能力も無く行くのは大変だろうなと思う。
まぁ、地図の能力と掃き出し窓の能力さえあれば、地図でココと言われれば、掃き出し窓の能力で軽くいけるのだが。
初めて来る建物。どこに受付があるかすらも分からない。
コンクリート造の建物を一周して入り口らしいところを探す。
あった。
汲広とアントネラは『掃き出し窓の能力集中講習センター』の、人が出入りするであろう金属製の重そうな扉をノックした。
「ドンドン」
しばらく経っても人が出てくる様子がない。
「ドンドンドンドン」
出て来ない。勝手に入ってもいいだろうか?関係者だし。汲広とアントネラは入ってみることにした。
「あんたら誰ね!」
入ったら怒られた。汲広は、
「ここって、『掃き出し窓の能力集中講習センター』予定地ですか?」
「あぁ、そうだが?」
「ここが開業したら講師を務めることになっている岡塚夫妻です。初めまして」
「あぁ、関係者ね。詳しいことはワシにも分からんから主任を呼んでくるよ。休憩室に案内するからそこで待っちょりなさい」
そこは、椅子とテーブルもあって、昼時には弁当でも食べるのであろう、100人くらい悠々と昼食が摂れそうな広々とした休憩室であった。
端の方にはシンクとガスコンロ、隣に台が見える。
いくらか待たされた。そして、一人の男がやって来た。
「いやぁ、ビックリしたでしょ?ここは来客があっても分かりづらいし、勝手に入ったら入ったでコワモテさんがいるし」
「本当にビックリですよ」
「岡塚夫妻ですね。初めまして。このセンターの主任をやってます岡倉中吉《ちゅうきち》と申します」
何だか昔のドラマで似たような名前の人が… あまりツッコまないでおこう。
「初めまして岡塚汲広です」
「初めまして妻のアントネラです」
「今日は、講師として携わるセンターにご挨拶と、どんな所か視察にやって来ました」
「ようこそいらっしゃいました」
岡倉は、「コホン」と咳払いをして、
「この部屋は、昼食を摂る食堂兼休憩室兼ミーティングルームに使おうと思っています」
「広々としてますねぇ」
「えぇ。教えられる人数を多くして、回数を減らしたいですからね」
「でも、人数を多くしたら私たち二人だけじゃ教えられないですよね?」
「そうですね。でも、抜け駆けした罰として、木瀬通運の瞬達便メンバーが講師補助で手助けしてくれる予定になっていますから、人員的には問題ないでしょう」
木瀬運輸はスムーズいっていれば瞬達便は本稼働している頃だ。
しかし、抜け駆けし、多方面から非難を受けてこちらに人員を派遣しなければならない。
少ない人数で本稼働させるか、お試し期間を延長するか、悩んでいるところらしい。
二階へ上り、次に向かった部屋はパソコンルームであった。
「こちらで掃き出し窓の能力の訓練をします。例の、木瀬運輸の練習ソフトもインストール済みですよ。あと数日したら、この前まで講習で使用していたGPSも届く予定です」
「これだけ揃っていると、講習もし易そうですね」
次に向かったのは、同じ二階にある小広間。
灰色の事務用机と椅子が並んでいる。
いくつかの机にはノートパソコンが置いてある。
壁際にはプリンターが1台と、シンクが置いてある。
「ここが管理者や講師たちが使う部屋。職員室みたいなものです。私が一番奥の机を使って、その前辺りを汲広さんやアントネラさんに使ってもらう予定です。他の机は木瀬通運の臨時講師に使ってもらう予定です。ここの用事に使うなら、机に既に置いてあるノートパソコンも貸し出しします。表計算ソフトやら、ワープロソフトなど、事務作業に使うソフトもちゃんと入ってますよ」
どうやら自分専用のデスクもあるらしい。おまけにノートパソコンも貸与されるらしい。
「この部屋と、休憩室には給茶機を置く予定です。屋内ではエアコンを効かせる予定ですが、練習に皆、外に出なくちゃならないでしょ?熱中症対策です。冷たいお水やお茶と温かいお水やお茶も出る物を選びました。お茶も緑茶とほうじ茶を選べますよ。ですので、自分専用のカップを持って来て下さいね」
ふんふんと汲広は聞いて、
「この環境なら良い講習ができそうです」
汲広は笑って言うのであった。
…とは言っても、埋め立て地。
元々無かった土地なので、広大な大地を求めて、工場やら倉庫などが多い土地である。
そんな中にポツンとある2階建ての広々とした建物。
そこが、第三セクターで新設された、『掃き出し窓の能力集中講習センター』である。
この埋め立て地に用のある者は送迎バスで来るため、一般的な交通網は発達しておらず、能力も無く行くのは大変だろうなと思う。
まぁ、地図の能力と掃き出し窓の能力さえあれば、地図でココと言われれば、掃き出し窓の能力で軽くいけるのだが。
初めて来る建物。どこに受付があるかすらも分からない。
コンクリート造の建物を一周して入り口らしいところを探す。
あった。
汲広とアントネラは『掃き出し窓の能力集中講習センター』の、人が出入りするであろう金属製の重そうな扉をノックした。
「ドンドン」
しばらく経っても人が出てくる様子がない。
「ドンドンドンドン」
出て来ない。勝手に入ってもいいだろうか?関係者だし。汲広とアントネラは入ってみることにした。
「あんたら誰ね!」
入ったら怒られた。汲広は、
「ここって、『掃き出し窓の能力集中講習センター』予定地ですか?」
「あぁ、そうだが?」
「ここが開業したら講師を務めることになっている岡塚夫妻です。初めまして」
「あぁ、関係者ね。詳しいことはワシにも分からんから主任を呼んでくるよ。休憩室に案内するからそこで待っちょりなさい」
そこは、椅子とテーブルもあって、昼時には弁当でも食べるのであろう、100人くらい悠々と昼食が摂れそうな広々とした休憩室であった。
端の方にはシンクとガスコンロ、隣に台が見える。
いくらか待たされた。そして、一人の男がやって来た。
「いやぁ、ビックリしたでしょ?ここは来客があっても分かりづらいし、勝手に入ったら入ったでコワモテさんがいるし」
「本当にビックリですよ」
「岡塚夫妻ですね。初めまして。このセンターの主任をやってます岡倉中吉《ちゅうきち》と申します」
何だか昔のドラマで似たような名前の人が… あまりツッコまないでおこう。
「初めまして岡塚汲広です」
「初めまして妻のアントネラです」
「今日は、講師として携わるセンターにご挨拶と、どんな所か視察にやって来ました」
「ようこそいらっしゃいました」
岡倉は、「コホン」と咳払いをして、
「この部屋は、昼食を摂る食堂兼休憩室兼ミーティングルームに使おうと思っています」
「広々としてますねぇ」
「えぇ。教えられる人数を多くして、回数を減らしたいですからね」
「でも、人数を多くしたら私たち二人だけじゃ教えられないですよね?」
「そうですね。でも、抜け駆けした罰として、木瀬通運の瞬達便メンバーが講師補助で手助けしてくれる予定になっていますから、人員的には問題ないでしょう」
木瀬運輸はスムーズいっていれば瞬達便は本稼働している頃だ。
しかし、抜け駆けし、多方面から非難を受けてこちらに人員を派遣しなければならない。
少ない人数で本稼働させるか、お試し期間を延長するか、悩んでいるところらしい。
二階へ上り、次に向かった部屋はパソコンルームであった。
「こちらで掃き出し窓の能力の訓練をします。例の、木瀬運輸の練習ソフトもインストール済みですよ。あと数日したら、この前まで講習で使用していたGPSも届く予定です」
「これだけ揃っていると、講習もし易そうですね」
次に向かったのは、同じ二階にある小広間。
灰色の事務用机と椅子が並んでいる。
いくつかの机にはノートパソコンが置いてある。
壁際にはプリンターが1台と、シンクが置いてある。
「ここが管理者や講師たちが使う部屋。職員室みたいなものです。私が一番奥の机を使って、その前辺りを汲広さんやアントネラさんに使ってもらう予定です。他の机は木瀬通運の臨時講師に使ってもらう予定です。ここの用事に使うなら、机に既に置いてあるノートパソコンも貸し出しします。表計算ソフトやら、ワープロソフトなど、事務作業に使うソフトもちゃんと入ってますよ」
どうやら自分専用のデスクもあるらしい。おまけにノートパソコンも貸与されるらしい。
「この部屋と、休憩室には給茶機を置く予定です。屋内ではエアコンを効かせる予定ですが、練習に皆、外に出なくちゃならないでしょ?熱中症対策です。冷たいお水やお茶と温かいお水やお茶も出る物を選びました。お茶も緑茶とほうじ茶を選べますよ。ですので、自分専用のカップを持って来て下さいね」
ふんふんと汲広は聞いて、
「この環境なら良い講習ができそうです」
汲広は笑って言うのであった。
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