異世界マゼマゼ奮闘記
業界横断交通業者の新人教育
少し休みがあって、今度は交通業界の講習が始まる。
配送業では『瞬達便』という名前で通すことになったが、交通業界ではどうなんだろう?
普通、電車、バス、タクシーと、乗り物の名前が連想できるのだが、『掃き出し窓の能力』は名前としては野暮ったい。
会場は、この間の隙間運輸のコールセンターが借りられたので、そこを使う。
講習内容も、どこへでも行けることを想定したら、宅配業者と同じ講習内容となった。
いざ始まってみても、宅配業者との講習と変わらず、初日は、合格ラインの者が2割、1ケタが2割、成功しなかった者が6割だったが、日にちを経るごとに合格ラインの者が5割、1ケタが5割と変わり、最終的には全員が合格ラインに達した。
合格ラインに全員が達してもあと1週間練習した。全員が合格ラインをキープできた。これも宅配業者との講習と変わらなかった。
講習の最終日、隙間運輸の立入さんに質問してみた。
「これだけ研修しても、運用するには講習修了者が絶対的に足りないでしょ?どうするんですかね?」
「あれ?岡塚さん、今後について聞いていないんですか?」
「今後って、私も絡むんですか?」
「第三セクタ-で講習センターを準備中なんですよ。で、講師は将来、働いている者から出すつもりなんですけど今は岡塚夫妻程精通した人間が居ないでしょ?ですからしばらくは岡塚夫妻が講師役でという話になっているんですよ」
「へぇ、始めて聞きました」
「網弾野さんに連絡しておいてくださるようにお願いしたんですけどね。それと、いくら働いている者から講師役を出すことになっても、能力自体、岡塚夫妻が独占している状態ですから、何年たっても岡塚夫妻に能力の授与は必須になっているんですよ」
「あぁ、確かに、我々じゃないと知識を詰め込めないですね」
そうこうしているうちに、終礼となり、全員講習合格を発表して、講習を終えるのであった。
帰る前に、立入さんが、
「もうすぐここは、コールセンターとして稼働します。掃き出し窓の能力の練習場としては、もうここを使うのは最後になりますよ」
と教えてくれた。
自宅に帰ってみたものの、今後の身の振り方が分からない。
それもこれも、網弾野さんが連絡してくれないからだ。
仕方がないので網弾野さんに電話する。
「もしもし、網弾野さんですか?」
「はい。もしかして岡塚さん?」
「はい。岡塚です」
「講習は順調ですか?」
「はい。順調にいって、今日、全員合格で講習は終了しましたよ」
「えぇ!もう講習修了しちゃったんですか?」
「はい」
「それでは今後の話しもありますので、一度こちらに出向いてもらえませんか?」
「分かりました」
指定された後日、汲広とアントネラは総務省に出向いて網弾野さんとお話しだ。
受付で話しをすると、しばらくして網弾野さんがやって来た。
「岡塚夫妻、お待ちしてました。ささ、こちらへどうぞ」
網弾野さんについて行く。
ちょっとした話のできるスペースに通された。
網弾野さんはペットボトルのお茶を指し出し、
「本当はこちらから連絡を入れないといけなかったのにどうも済みません」
「いえいえ」
「以前、岡塚さんが他の省庁から『掃き出し窓の能力、我々にも教えろ!』って言ってこないのを不思議に思ったと言ってたじゃないですか?」
「えぇ。緊急自動車より安全だと思いましたからね」
「で、あの後プレゼンテーションしてみたら、その能力、欲しいと名乗りを上げる役所が増えましてね」
「はい」
「それで、運送業界も、交通業界も、今後、人員が欲しいという話になりましてね、今、第三セクタ-で講習センターを準備中なんですよ」
「へぇー。それで第三セクタ-なんですか」
「それで、講習センターは、既存の空き物件を買い取ったので、建物自体はありまして、もう机やパソコンなんかも運び込まれていて今、最終調整中で、来月頭頃には稼働できる予定なんです」
「来月の初め頃ってもうすぐじゃないですか?」
「それで、救急と消防、警察から、是非教えを請いたいと、来月に講習が予定されています」
「あぁ、我々無視で決まっちゃったんですね」
「連絡不足で申し訳ありません」
「分かりました。それではその講習センターの担当者を教えてもらって、打ち合わせしないといけないですね」
「そうしてもらえると助かります」
そうして、後日、講習センターの担当者と面会予約をするのであった。
配送業では『瞬達便』という名前で通すことになったが、交通業界ではどうなんだろう?
普通、電車、バス、タクシーと、乗り物の名前が連想できるのだが、『掃き出し窓の能力』は名前としては野暮ったい。
会場は、この間の隙間運輸のコールセンターが借りられたので、そこを使う。
講習内容も、どこへでも行けることを想定したら、宅配業者と同じ講習内容となった。
いざ始まってみても、宅配業者との講習と変わらず、初日は、合格ラインの者が2割、1ケタが2割、成功しなかった者が6割だったが、日にちを経るごとに合格ラインの者が5割、1ケタが5割と変わり、最終的には全員が合格ラインに達した。
合格ラインに全員が達してもあと1週間練習した。全員が合格ラインをキープできた。これも宅配業者との講習と変わらなかった。
講習の最終日、隙間運輸の立入さんに質問してみた。
「これだけ研修しても、運用するには講習修了者が絶対的に足りないでしょ?どうするんですかね?」
「あれ?岡塚さん、今後について聞いていないんですか?」
「今後って、私も絡むんですか?」
「第三セクタ-で講習センターを準備中なんですよ。で、講師は将来、働いている者から出すつもりなんですけど今は岡塚夫妻程精通した人間が居ないでしょ?ですからしばらくは岡塚夫妻が講師役でという話になっているんですよ」
「へぇ、始めて聞きました」
「網弾野さんに連絡しておいてくださるようにお願いしたんですけどね。それと、いくら働いている者から講師役を出すことになっても、能力自体、岡塚夫妻が独占している状態ですから、何年たっても岡塚夫妻に能力の授与は必須になっているんですよ」
「あぁ、確かに、我々じゃないと知識を詰め込めないですね」
そうこうしているうちに、終礼となり、全員講習合格を発表して、講習を終えるのであった。
帰る前に、立入さんが、
「もうすぐここは、コールセンターとして稼働します。掃き出し窓の能力の練習場としては、もうここを使うのは最後になりますよ」
と教えてくれた。
自宅に帰ってみたものの、今後の身の振り方が分からない。
それもこれも、網弾野さんが連絡してくれないからだ。
仕方がないので網弾野さんに電話する。
「もしもし、網弾野さんですか?」
「はい。もしかして岡塚さん?」
「はい。岡塚です」
「講習は順調ですか?」
「はい。順調にいって、今日、全員合格で講習は終了しましたよ」
「えぇ!もう講習修了しちゃったんですか?」
「はい」
「それでは今後の話しもありますので、一度こちらに出向いてもらえませんか?」
「分かりました」
指定された後日、汲広とアントネラは総務省に出向いて網弾野さんとお話しだ。
受付で話しをすると、しばらくして網弾野さんがやって来た。
「岡塚夫妻、お待ちしてました。ささ、こちらへどうぞ」
網弾野さんについて行く。
ちょっとした話のできるスペースに通された。
網弾野さんはペットボトルのお茶を指し出し、
「本当はこちらから連絡を入れないといけなかったのにどうも済みません」
「いえいえ」
「以前、岡塚さんが他の省庁から『掃き出し窓の能力、我々にも教えろ!』って言ってこないのを不思議に思ったと言ってたじゃないですか?」
「えぇ。緊急自動車より安全だと思いましたからね」
「で、あの後プレゼンテーションしてみたら、その能力、欲しいと名乗りを上げる役所が増えましてね」
「はい」
「それで、運送業界も、交通業界も、今後、人員が欲しいという話になりましてね、今、第三セクタ-で講習センターを準備中なんですよ」
「へぇー。それで第三セクタ-なんですか」
「それで、講習センターは、既存の空き物件を買い取ったので、建物自体はありまして、もう机やパソコンなんかも運び込まれていて今、最終調整中で、来月頭頃には稼働できる予定なんです」
「来月の初め頃ってもうすぐじゃないですか?」
「それで、救急と消防、警察から、是非教えを請いたいと、来月に講習が予定されています」
「あぁ、我々無視で決まっちゃったんですね」
「連絡不足で申し訳ありません」
「分かりました。それではその講習センターの担当者を教えてもらって、打ち合わせしないといけないですね」
「そうしてもらえると助かります」
そうして、後日、講習センターの担当者と面会予約をするのであった。
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