異世界マゼマゼ奮闘記
初稼働―後編
その後もちらほらとバイク便から仕事を回してもらった。
今日、汲広が「どうだった?」と聞いたのは何度目だろう?
元々優秀なメンバーで挑んだのだから、最速で仕事は進み、何も問題は起こらなかった。
居残り組のメンバーは、ハンディーターミナルの練習、仕事で使うアプリの練習の他、いつもの模擬練習にミーティングをやった。
ミーティングの仕切りはアントネラだった。
稼働組の7組14名も交替で、バイク便の人達と混じって昼食を摂った。
午後も順調に配達の仕事をこなした。
居残り組のメンバ-も、気合いが入ったのか、行き先を間違った者が、全体で1ケタで、かなり精度が上がってきた。
瞬達便の配達終了時間、終業まで1時間前、これから全体ミーティングの時間である。
居残り組が、稼働組へ質問をしまくった。
「実際の仕事ってどんな感じ?」
「まぁ、日頃の練習ができればこなせる感じかな?」
「お客様はどんな感じだった?」
「特に怖い人もいないし、ちゃんと営業言葉と瞬達便の宣伝が混ぜられたら大丈夫だぞ」
「行き先間違えなかった?」
「間違えたことがないからどうやったら間違えるのか逆に聞いてみたい」
ひとしきり質問攻めにした後、終礼の時間となる。
疋田野課長に汲広、アントネラが壇上に立つ。汲広が、
「上位成績の優秀者を集めたお陰だろうか、実際の配達業務は文句なしの満点、居残り組も行き先を間違った者は全体で1ケタと精度が上がった。これは喜ばしいことである。これからも成績を伸ばしていって欲しい」
続いて疋田野課長からの訓示があり、アントネラが、
「今日は皆さん、よく頑張りました。今日はよく寝て、明日に備えて下さいね。それでは今日は終わりにします。また明日、会いましょう」
皆が仕事道具を片付ける。
特に配達組はいろいろな物を持たされていたので大変であった。
特にお金である。
1階に降りて、配達記録と実際に持っているお金を付き合わせてミスが無いかどうかチェックされる。
皆、ミスが無かったようで、順番に行っては「お疲れ様」と声をかけられ、ロッカーへ行って帰り支度をする。
お釣り用の袋は小銭の枚数を全て揃えられ、金庫にしまわれた。
「岡塚夫妻、お疲れ様」
「疋田野課長、仕事を分けて下さり有難う御座いました」
「なぁに、こちらの負担が減ったんだ。交通量の多い、時間が読めない仕事を中心に振ったから、こちらも助かっているんだ」
「そう言って頂けると助かります」
「明日もまた、配達するんだろう?」
「最近ミスをしていない者も含めて、12組、24名で事に当たらせます」
「じゃぁ、今日より仕事を負担してもらっても大丈夫そうだな」
「はい」
帰りに汲広とアントネラは、ビールを2本買って帰り、夕食時に祝杯と称して呑んだ。
初めて飲むビールの味はほろ苦かった。父の修司は、
「二十才を超えても酒をやらなかった二人にしては、ビール、初めてじゃないか?」
「あぁ、初めてだな。こんな苦い飲み物だったんだな」
「今日は仕事が順調に船出をした日なのです。ちょっと羽目を外しちゃいました」
「明日もあるんだし、二人とも、夜更かしせずにちゃんと寝るんだよ」
翌日、12組、24名は、配達前の準備をし、瞬達便メンバー全員で、今日も朝礼だ。
「配達に行く者はミスをしないよう、欲を言えば、『瞬達便』の宣伝をちょくちょく混ぜるように。居残り組も、今日こそはノーミスで頑張ろう!」
「「「はい」」」
今日も、汲広が、配達を済ませた者に、「どうだった?」と、聞き回り、アントネラが居残り組の面倒を見る。
今日もノーミス。
居残り組も、今のところはノーミスである。
昼食後も皆、頑張った。
配達組の中に、集金を間違えかけた者がいたが、その場で気付き、何とかセーフ。
居残り組も、ノーミスをキープしていた。
「何事も起こらずにこのまま終わってくれればいいが…」
汲広の心配も、気苦労で終わり、配達組も、居残り組も、共にノーミスで配達終了の時間となった。
「相乗効果というか何というか、配達組も、居残り組も、ノーミスで今日は終了した。これで全員配達業務に増させるな」
「皆さんよく頑張りました」
明日は土曜日である。
一応見習い扱いになっている『瞬達便』メンバーは、2連休である。
「明日、明後日は連休だが、羽目を外しすぎないように。体調を整える日と割切って過ごすように。それでは今日はこれまで。ご苦労さん」
皆、片付けを始め、片付けを終え、着替えた者から順々に帰っていった。
汲広とアントネラは、疋田野課長に今日の報告に行った。
そこで言われたのは、
「岡塚夫妻、まずいことになりましたよ」
不穏な言葉であった。
今日、汲広が「どうだった?」と聞いたのは何度目だろう?
元々優秀なメンバーで挑んだのだから、最速で仕事は進み、何も問題は起こらなかった。
居残り組のメンバーは、ハンディーターミナルの練習、仕事で使うアプリの練習の他、いつもの模擬練習にミーティングをやった。
ミーティングの仕切りはアントネラだった。
稼働組の7組14名も交替で、バイク便の人達と混じって昼食を摂った。
午後も順調に配達の仕事をこなした。
居残り組のメンバ-も、気合いが入ったのか、行き先を間違った者が、全体で1ケタで、かなり精度が上がってきた。
瞬達便の配達終了時間、終業まで1時間前、これから全体ミーティングの時間である。
居残り組が、稼働組へ質問をしまくった。
「実際の仕事ってどんな感じ?」
「まぁ、日頃の練習ができればこなせる感じかな?」
「お客様はどんな感じだった?」
「特に怖い人もいないし、ちゃんと営業言葉と瞬達便の宣伝が混ぜられたら大丈夫だぞ」
「行き先間違えなかった?」
「間違えたことがないからどうやったら間違えるのか逆に聞いてみたい」
ひとしきり質問攻めにした後、終礼の時間となる。
疋田野課長に汲広、アントネラが壇上に立つ。汲広が、
「上位成績の優秀者を集めたお陰だろうか、実際の配達業務は文句なしの満点、居残り組も行き先を間違った者は全体で1ケタと精度が上がった。これは喜ばしいことである。これからも成績を伸ばしていって欲しい」
続いて疋田野課長からの訓示があり、アントネラが、
「今日は皆さん、よく頑張りました。今日はよく寝て、明日に備えて下さいね。それでは今日は終わりにします。また明日、会いましょう」
皆が仕事道具を片付ける。
特に配達組はいろいろな物を持たされていたので大変であった。
特にお金である。
1階に降りて、配達記録と実際に持っているお金を付き合わせてミスが無いかどうかチェックされる。
皆、ミスが無かったようで、順番に行っては「お疲れ様」と声をかけられ、ロッカーへ行って帰り支度をする。
お釣り用の袋は小銭の枚数を全て揃えられ、金庫にしまわれた。
「岡塚夫妻、お疲れ様」
「疋田野課長、仕事を分けて下さり有難う御座いました」
「なぁに、こちらの負担が減ったんだ。交通量の多い、時間が読めない仕事を中心に振ったから、こちらも助かっているんだ」
「そう言って頂けると助かります」
「明日もまた、配達するんだろう?」
「最近ミスをしていない者も含めて、12組、24名で事に当たらせます」
「じゃぁ、今日より仕事を負担してもらっても大丈夫そうだな」
「はい」
帰りに汲広とアントネラは、ビールを2本買って帰り、夕食時に祝杯と称して呑んだ。
初めて飲むビールの味はほろ苦かった。父の修司は、
「二十才を超えても酒をやらなかった二人にしては、ビール、初めてじゃないか?」
「あぁ、初めてだな。こんな苦い飲み物だったんだな」
「今日は仕事が順調に船出をした日なのです。ちょっと羽目を外しちゃいました」
「明日もあるんだし、二人とも、夜更かしせずにちゃんと寝るんだよ」
翌日、12組、24名は、配達前の準備をし、瞬達便メンバー全員で、今日も朝礼だ。
「配達に行く者はミスをしないよう、欲を言えば、『瞬達便』の宣伝をちょくちょく混ぜるように。居残り組も、今日こそはノーミスで頑張ろう!」
「「「はい」」」
今日も、汲広が、配達を済ませた者に、「どうだった?」と、聞き回り、アントネラが居残り組の面倒を見る。
今日もノーミス。
居残り組も、今のところはノーミスである。
昼食後も皆、頑張った。
配達組の中に、集金を間違えかけた者がいたが、その場で気付き、何とかセーフ。
居残り組も、ノーミスをキープしていた。
「何事も起こらずにこのまま終わってくれればいいが…」
汲広の心配も、気苦労で終わり、配達組も、居残り組も、共にノーミスで配達終了の時間となった。
「相乗効果というか何というか、配達組も、居残り組も、ノーミスで今日は終了した。これで全員配達業務に増させるな」
「皆さんよく頑張りました」
明日は土曜日である。
一応見習い扱いになっている『瞬達便』メンバーは、2連休である。
「明日、明後日は連休だが、羽目を外しすぎないように。体調を整える日と割切って過ごすように。それでは今日はこれまで。ご苦労さん」
皆、片付けを始め、片付けを終え、着替えた者から順々に帰っていった。
汲広とアントネラは、疋田野課長に今日の報告に行った。
そこで言われたのは、
「岡塚夫妻、まずいことになりましたよ」
不穏な言葉であった。
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