異世界マゼマゼ奮闘記
新人教育初日―配達業者の新人教育―後編
トラックバースと言われるトラックをつける場所で、トラックの荷台からカートが次々に運ばれる。
運ばれたカートは対応番号順に並べられ、後で別のトラックへ積み替えられてどんどん目的地に近づくらしい。
ちなみにカートは汲広の背丈よりも高く、ちょっとした洋服ダンスくらいの大きさだ。
上の階ではこのセンターの近場に配達される荷物だ。カートを開けて、もっと細かく行き先別に仕分けて別のカートに積まれて、もっと配達先に近い各集配センターへ向けて運ばれるらしい。
これらの仕事を丸々すっ飛ばして、入荷から出荷まで一瞬で運ぶサービスが『瞬達便』である。
当然普通の宅配と経路が違うため、運送料がかなり割高になる。
すぐに届けたい荷物専用のサービスである。
センターをぐるっと回ってきた『瞬達便』担当のメンバーたち。
これから終業まで能力の練習である。
まずは、二人一組になって念話の練習である。
人を入れ替えて念話の練習をして、これで念話は終わりである。
次に『栄町集配センター』というフォルダを頭の中に作ってもらって、まず、バイク便が使っている建物の場所を覚えてもらって、『瞬達便ホーム』と名前を付けてもらって、『栄町集配センター』フォルダにしまってもらう。
そして、汲広の掃き出し窓の能力で全員門まで連れて行って『門』という名前で場所を覚えてもらってまた『栄町集配センター』フォルダにしまってもらう。
できたかどうか確認をし、全員ができたところでまた『瞬達便ホーム』まで戻る。
次に模擬の荷物を使っての土のう袋の能力の練習だ。
これも皆ができるまで待ち、掃き出し窓の能力で門まで行って、帰って来る練習をした。
そこまでできるとお昼休みの時間になった。
休憩に入る前に汲広が、
「掃き出し窓の能力で手ブラで移動でき、掃き出し窓の能力で忘れ物をしてもすぐに取りに行けるようになった。でも、油断しないように。忘れ物をしないようにすること。それから、これから休憩となるが、昼食を買いに行く人間は好みのスーパーやコンビニを記憶しておくこと。掃き出し窓の能力を使えば、遠くのスーパーで昼食を買って戻ってくることもできる。時を戻す能力は教えないので時間は厳守すること。休憩終わりはまたここにこの隊列で集合。それでは休憩」
全員昼食となった。
弁当を持ってきている者は更衣室のロッカーを目指し、昼食を買いに行く者は近くのコンビニを目指す。
思い思いの昼食を持ったメンバ-が六階の食堂を目指す。
皆、まだこのセンターに慣れていないため、同じ地域から来たメンバーごとに別れて昼食を摂るようだ。
食堂に入った時点でアントネラが『瞬達便』のメンバーに声をかけられた。
「ねぇ主任、主任、時を戻す魔法って本当にあるんですか?」
「今はまだ勉強中なんだけれど目次を見る限りではあるみたいね。まだそこまでたどりついていないの」
「そんな魔法があるなら教えて下さいよぉ~」
「ダメよ。過去に戻ったら忙しいときに自分の人数を増やして何人分の仕事ができるけれども実時間より明らかに老けるわよ。その人個人の消費した時間が戻るわけじゃないんだし」
「分かりました。どうしても必要なときにはまた頼むかも知れません」
「あまり期待しないでね」
汲広とアントネラ、二人で食事である。 …とは言っても『瞬達便』のメンバーに囲まれてはいるのだが。
昼食後はゆったりとお茶をして、ちょっと二階のナビゲーターブースを覗いてみる。
30くらいのブースがあり、各ブースにパソコンが備え付けてある。
やはり午後はこちらで練習しようと思う汲広とアントネラであった。
休憩が終わり、『瞬達便ホーム』で列を成すメンバ-たち。
汲広が、
「それでは、GPSを渡すので、各自持っておくように」
各メンバーは、ナビゲーターも含めてGPSを渡していく。
スマホより高精度の物だ。
「それでは、配達員1人、ナビゲーター1人でペアを組んでくれ。ペアを組んだら一度、念話をして念話が届くのを確認して二階のナビゲータールームのブースに入ってくれ」
皆をナビゲーターブースに入れて、パソコンを起動させる。
汲広とアントネラもブースに入り、パソコンを起動させる。
皆、パーティションでお互いが見えない。
汲広が一斉送信のボタンを押し、全員のパソコンにテレビ電話を繋ぐ。
「ここのパソコンにはランダムに場所を指して掃き出し窓の能力と、地理の能力の練習ができるソフトがインストールされている。各自、そのソフトを使って、指された場所に行き、GPSを使って場所に間違いがないか確認する練習をして欲しい。後で何回できたか聞くので、成功した回数、失敗した回数をメモしていて欲しい。それでは練習始め!」
各自ソフトを開き、地理の能力で場所を頭の中で描き、掃き出し窓の能力でその場所に移動する。
GPSを見て念話を飛ばし、待っている方がGPSの数字とソフトの数字が合っているか確認し、合っていれば1回とカウントする。
それを配達員、ナビゲーターと交互に行う。
「この練習ができれば実際に配達に向かったときに役に立ちますね」
より実践に近い練習ができることにアントネラは満足げであった。
運ばれたカートは対応番号順に並べられ、後で別のトラックへ積み替えられてどんどん目的地に近づくらしい。
ちなみにカートは汲広の背丈よりも高く、ちょっとした洋服ダンスくらいの大きさだ。
上の階ではこのセンターの近場に配達される荷物だ。カートを開けて、もっと細かく行き先別に仕分けて別のカートに積まれて、もっと配達先に近い各集配センターへ向けて運ばれるらしい。
これらの仕事を丸々すっ飛ばして、入荷から出荷まで一瞬で運ぶサービスが『瞬達便』である。
当然普通の宅配と経路が違うため、運送料がかなり割高になる。
すぐに届けたい荷物専用のサービスである。
センターをぐるっと回ってきた『瞬達便』担当のメンバーたち。
これから終業まで能力の練習である。
まずは、二人一組になって念話の練習である。
人を入れ替えて念話の練習をして、これで念話は終わりである。
次に『栄町集配センター』というフォルダを頭の中に作ってもらって、まず、バイク便が使っている建物の場所を覚えてもらって、『瞬達便ホーム』と名前を付けてもらって、『栄町集配センター』フォルダにしまってもらう。
そして、汲広の掃き出し窓の能力で全員門まで連れて行って『門』という名前で場所を覚えてもらってまた『栄町集配センター』フォルダにしまってもらう。
できたかどうか確認をし、全員ができたところでまた『瞬達便ホーム』まで戻る。
次に模擬の荷物を使っての土のう袋の能力の練習だ。
これも皆ができるまで待ち、掃き出し窓の能力で門まで行って、帰って来る練習をした。
そこまでできるとお昼休みの時間になった。
休憩に入る前に汲広が、
「掃き出し窓の能力で手ブラで移動でき、掃き出し窓の能力で忘れ物をしてもすぐに取りに行けるようになった。でも、油断しないように。忘れ物をしないようにすること。それから、これから休憩となるが、昼食を買いに行く人間は好みのスーパーやコンビニを記憶しておくこと。掃き出し窓の能力を使えば、遠くのスーパーで昼食を買って戻ってくることもできる。時を戻す能力は教えないので時間は厳守すること。休憩終わりはまたここにこの隊列で集合。それでは休憩」
全員昼食となった。
弁当を持ってきている者は更衣室のロッカーを目指し、昼食を買いに行く者は近くのコンビニを目指す。
思い思いの昼食を持ったメンバ-が六階の食堂を目指す。
皆、まだこのセンターに慣れていないため、同じ地域から来たメンバーごとに別れて昼食を摂るようだ。
食堂に入った時点でアントネラが『瞬達便』のメンバーに声をかけられた。
「ねぇ主任、主任、時を戻す魔法って本当にあるんですか?」
「今はまだ勉強中なんだけれど目次を見る限りではあるみたいね。まだそこまでたどりついていないの」
「そんな魔法があるなら教えて下さいよぉ~」
「ダメよ。過去に戻ったら忙しいときに自分の人数を増やして何人分の仕事ができるけれども実時間より明らかに老けるわよ。その人個人の消費した時間が戻るわけじゃないんだし」
「分かりました。どうしても必要なときにはまた頼むかも知れません」
「あまり期待しないでね」
汲広とアントネラ、二人で食事である。 …とは言っても『瞬達便』のメンバーに囲まれてはいるのだが。
昼食後はゆったりとお茶をして、ちょっと二階のナビゲーターブースを覗いてみる。
30くらいのブースがあり、各ブースにパソコンが備え付けてある。
やはり午後はこちらで練習しようと思う汲広とアントネラであった。
休憩が終わり、『瞬達便ホーム』で列を成すメンバ-たち。
汲広が、
「それでは、GPSを渡すので、各自持っておくように」
各メンバーは、ナビゲーターも含めてGPSを渡していく。
スマホより高精度の物だ。
「それでは、配達員1人、ナビゲーター1人でペアを組んでくれ。ペアを組んだら一度、念話をして念話が届くのを確認して二階のナビゲータールームのブースに入ってくれ」
皆をナビゲーターブースに入れて、パソコンを起動させる。
汲広とアントネラもブースに入り、パソコンを起動させる。
皆、パーティションでお互いが見えない。
汲広が一斉送信のボタンを押し、全員のパソコンにテレビ電話を繋ぐ。
「ここのパソコンにはランダムに場所を指して掃き出し窓の能力と、地理の能力の練習ができるソフトがインストールされている。各自、そのソフトを使って、指された場所に行き、GPSを使って場所に間違いがないか確認する練習をして欲しい。後で何回できたか聞くので、成功した回数、失敗した回数をメモしていて欲しい。それでは練習始め!」
各自ソフトを開き、地理の能力で場所を頭の中で描き、掃き出し窓の能力でその場所に移動する。
GPSを見て念話を飛ばし、待っている方がGPSの数字とソフトの数字が合っているか確認し、合っていれば1回とカウントする。
それを配達員、ナビゲーターと交互に行う。
「この練習ができれば実際に配達に向かったときに役に立ちますね」
より実践に近い練習ができることにアントネラは満足げであった。
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