異世界マゼマゼ奮闘記
医術談義
知識を外部から大量に送り込まれるという不思議な体験をする西洋医、多々身省語の後輩の大倉多田之助。
こんな事、人間でできるのは汲広とアントネラ、悠生にステファニアくらいだろう。多田之助は、初めての体験であるのと、情報量の多さに疲れてしまった。
すると、汲広は、
「今は知識を授けただけです。実践して物にして下さいね。幸い、この街の治療院でも、最近は多々身医院でも治癒魔法は取り入れられている。どちらでもいいから使ってみて、使えそうならそのまま使って下さいね」
続けて省語は、
「画像診断、魔力波の反射による診断。エコーによる診断。MRI的な診断。X線はちょっと工夫が要るが、機材を使わずに立体画像を見ることができる。もっとも、画像は脳内にできるので、記録に残して他の人と共有とまではいかないんだけどね」
すると、汲広は、
「いや、今まで脳内だけで、記録できなかったのだが、もう少し魔法を勉強していけば、脳内データをパソコンに取り込んで、他の人と共有できそうなんだ」
「本当かね!」
「あぁ。できるようになったらまたその能力を授けるよ」
「機材なしで画像診断、しかも、パソコンがあればその画像診断を他の人に見せられる。魔法って何でもありだな。今までは魔法なんてうさんくさいまがい物とばかり思っていたが、これは考えを改めないといけないな」
多田之助は、は、改心したようにそう述べた。
多田之助は、時差ボケのため、話し終えると早々に休んだ。
そして、次の日、授けられた能力を試してみたいと精力的に、治療院に、多々身医院にと、患者の居る方に足を運んでは治癒魔法が適している患者を見つけて治癒魔法をかけていった。
すると、多々身医院にやかんの熱湯を直に浴びてしまったという女性が急患で運び込まれた。
省語は多田之助に治療を任せた。
まず、服を切って脱がし、そこに治癒魔法をかける。
すると、ただれた表皮の内側からどんどんと皮下組織が作られ、ものの20分程で、皮膚は元通りになった。
多田之助は、入念に他に外傷がないか調べたが、もう外傷はどこにもない。
多田之助自分の授かった能力にただただ驚いた。
仕事終わり、省語と多田之助は、ビールを酌み交わしながら、雑談に興じていた。
ビールとはいってもノンアルコールなのではあるが。
多田之助は、
「いやぁ、今日の熱傷の患者には驚かされましたよ。どう見ても全治数ヶ月かかる患者が、治癒魔法をかけただけで30分もかからないうちに跡も残らず何事も起こらなかったようにスタスタと自分の足で帰れるくらいに回復するのですから」
「私も驚いたよ。私は治癒魔法の出会ったのが火力発電所の蒸気漏れ事故でね。でも、着いてみると先に治癒魔法師が処置をした後で、傷はほとんどなかった。誤報で緊急に呼び出されたのかと怒ったものだがそのとき、ここの領主の奥さんのアントネラさんにただれて剥がれ落ちた皮膚を証拠として見せつけられてねぇ。一発で新しいものだと分かったよ。それから、治癒魔法って何だ?どうしてこんなに綺麗に治るんだって数日間頭の中はしっちゃかめっちゃかで、体感してみないと分からんということで、暁伯爵のところへ弟子入りするつもりで行ったものだよそしたらあの知識を脳内に詰め込まれて…」
「弟子入りのつもりが、魔法で知識を詰め込まれて速実戦可能となれば、驚きとか呆れなんかを感じたんじゃないですか?」
「呆れたねぇ。医学生だった頃は寝る間も惜しんで勉強を何年もかけてして、晴れて卒業すればインターンでタダ同然で病院で働かされ、やっとの思いで医師免許を取ったものだが、治癒魔法という同じ勉強法をしたならもっとかかるものをものの数秒で頭に直接送り込まれるのだからもう呆れや何やらで…」
「でも、いくら呆れる方法で取得した技術でも、これは本物だ。ちょっとしか実例に触れていないがそれは分かった。省語さん、こちらに呼んでくれてありがとう。心から感謝するよ」
「嬉しいことを言ってくれるねぇ」
「しかしこれ、末期がんでもやりようによっては治るんじゃ?」
「そうかも知れん。何せ、再生医療の究極と思われる節がある技術だから」
「しかし、これ、保険適用外の治療ですよね」
「保険が適用外でも要るのは根気と集中力。高い薬を使うわけでなく、高級な機材を使うわけでもない。保険から外れたって受けたい人はわんさか出るだろうと私は思っているよ」
そうこう2人が話していると、看護師が血相を変えて駆け込んできた。
「先生方、急患です」
「すぐ行く」
「私も行きます」
彼らは休息というものからは縁遠いのであった。
こんな事、人間でできるのは汲広とアントネラ、悠生にステファニアくらいだろう。多田之助は、初めての体験であるのと、情報量の多さに疲れてしまった。
すると、汲広は、
「今は知識を授けただけです。実践して物にして下さいね。幸い、この街の治療院でも、最近は多々身医院でも治癒魔法は取り入れられている。どちらでもいいから使ってみて、使えそうならそのまま使って下さいね」
続けて省語は、
「画像診断、魔力波の反射による診断。エコーによる診断。MRI的な診断。X線はちょっと工夫が要るが、機材を使わずに立体画像を見ることができる。もっとも、画像は脳内にできるので、記録に残して他の人と共有とまではいかないんだけどね」
すると、汲広は、
「いや、今まで脳内だけで、記録できなかったのだが、もう少し魔法を勉強していけば、脳内データをパソコンに取り込んで、他の人と共有できそうなんだ」
「本当かね!」
「あぁ。できるようになったらまたその能力を授けるよ」
「機材なしで画像診断、しかも、パソコンがあればその画像診断を他の人に見せられる。魔法って何でもありだな。今までは魔法なんてうさんくさいまがい物とばかり思っていたが、これは考えを改めないといけないな」
多田之助は、は、改心したようにそう述べた。
多田之助は、時差ボケのため、話し終えると早々に休んだ。
そして、次の日、授けられた能力を試してみたいと精力的に、治療院に、多々身医院にと、患者の居る方に足を運んでは治癒魔法が適している患者を見つけて治癒魔法をかけていった。
すると、多々身医院にやかんの熱湯を直に浴びてしまったという女性が急患で運び込まれた。
省語は多田之助に治療を任せた。
まず、服を切って脱がし、そこに治癒魔法をかける。
すると、ただれた表皮の内側からどんどんと皮下組織が作られ、ものの20分程で、皮膚は元通りになった。
多田之助は、入念に他に外傷がないか調べたが、もう外傷はどこにもない。
多田之助自分の授かった能力にただただ驚いた。
仕事終わり、省語と多田之助は、ビールを酌み交わしながら、雑談に興じていた。
ビールとはいってもノンアルコールなのではあるが。
多田之助は、
「いやぁ、今日の熱傷の患者には驚かされましたよ。どう見ても全治数ヶ月かかる患者が、治癒魔法をかけただけで30分もかからないうちに跡も残らず何事も起こらなかったようにスタスタと自分の足で帰れるくらいに回復するのですから」
「私も驚いたよ。私は治癒魔法の出会ったのが火力発電所の蒸気漏れ事故でね。でも、着いてみると先に治癒魔法師が処置をした後で、傷はほとんどなかった。誤報で緊急に呼び出されたのかと怒ったものだがそのとき、ここの領主の奥さんのアントネラさんにただれて剥がれ落ちた皮膚を証拠として見せつけられてねぇ。一発で新しいものだと分かったよ。それから、治癒魔法って何だ?どうしてこんなに綺麗に治るんだって数日間頭の中はしっちゃかめっちゃかで、体感してみないと分からんということで、暁伯爵のところへ弟子入りするつもりで行ったものだよそしたらあの知識を脳内に詰め込まれて…」
「弟子入りのつもりが、魔法で知識を詰め込まれて速実戦可能となれば、驚きとか呆れなんかを感じたんじゃないですか?」
「呆れたねぇ。医学生だった頃は寝る間も惜しんで勉強を何年もかけてして、晴れて卒業すればインターンでタダ同然で病院で働かされ、やっとの思いで医師免許を取ったものだが、治癒魔法という同じ勉強法をしたならもっとかかるものをものの数秒で頭に直接送り込まれるのだからもう呆れや何やらで…」
「でも、いくら呆れる方法で取得した技術でも、これは本物だ。ちょっとしか実例に触れていないがそれは分かった。省語さん、こちらに呼んでくれてありがとう。心から感謝するよ」
「嬉しいことを言ってくれるねぇ」
「しかしこれ、末期がんでもやりようによっては治るんじゃ?」
「そうかも知れん。何せ、再生医療の究極と思われる節がある技術だから」
「しかし、これ、保険適用外の治療ですよね」
「保険が適用外でも要るのは根気と集中力。高い薬を使うわけでなく、高級な機材を使うわけでもない。保険から外れたって受けたい人はわんさか出るだろうと私は思っているよ」
そうこう2人が話していると、看護師が血相を変えて駆け込んできた。
「先生方、急患です」
「すぐ行く」
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彼らは休息というものからは縁遠いのであった。
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