異世界マゼマゼ奮闘記
スキカからもらった新たな能力
お願いをして、昨日の晩にスキカから新たな能力をもらったが、今日も交渉事、明日も交渉事と試せない。
しかし、明後日以降は交渉事の予定がないので、明後日から新たな能力を試そうと思う汲広であった。
*
と、いうわけで二日後。さて、もらった能力を試そう…と思っても、試すには試すのだがすぐには結果は出ない。
と、言うのも、これらのもらった能力は、便利に使うためには下準備が必要だからだ。
まずは急ぎの用事を今まで通り済ませてしまう。
まず、時間の概念。インジスカン王国の時間の呼び方で言うと、大さっぱで精度に欠けるので、この仕事をするときは、日本から持って来た時計を使う。
流通部門の人間は、皆、日本の腕時計をしてもらっている。
時間の呼び方も、日本語で数字を言うか、サーメイヤ語で数字を言うかの違いはあるが、時間の呼び方は日本式を使ってもらっている。
で、一番忙しいのは始業の時間に当たる朝8時だ。次に忙しいのが終業の時間に当たる夕方5時と、夕方6時だ。
これは、現場によって就業時間が違い、分散している分、朝ほど忙しくない。あまりにも特に朝だが、時間が集中するので、どの時間でも、掃き出し窓の能力は1時間前に開いて良いという確約をもらっているくらいだ。
それ以外の時間は暇か?と問われれば、そうではない。
Aの鉄工所に掃き出し窓の能力を開いて、3時間後に閉じて、2時間の後に今度はBの建材屋に3時間掃き出し窓の能力を開く等、どこの現場でも、掃き出し窓の能力で開く先が2カ所以上あるからだ。
とはいっても始業と終業の時間以外は割と手が空くので、同じ時間に掃き出し窓の能力を開いたり閉じたりするのを一人に負担してもらうと、時間に空白ができるので、そこで休憩を取ってもらっている。
しかしながら、働き過ぎはいかんとスキカに言われ、シフトを決めた。
汲広とアントネラは1人ずつ休むが、他の人間は通常、2人一組、ペアで休む。5ペアと汲広とアントネラで7パターン。
休む人間がいるとそれを他の者が肩代わりする。
そのため、役割分担表が7パターン存在する。
それは紙に書き出され、朝の6時半に行われる流通部門の朝の会で今日のシフトということで申し合わせが行われる。
おまけに、現場が用事があるのがずっと同じ所とは限らない。日によっては違う現場に繋ぐ必要が出てくる。
こういった理由で、ただでさえ200カ所場所を覚えないといけないうえに、役割分担表が7パターン。それに、飛び込みで場所変更あり。この複雑さで毎日ミスが1~2カ所というのは、流通部門の人間のケアレスミスどころの話しではなく、よくもミスを1~2カ所に押さえ込んでくれているなぁと、逆に流通部門の人間を褒めてあげたいと思うのは間違いだろうか?
これが現状である。汲広はまず、朝のラッシュを終えると、時間を縫うようにして、変更の必要の無い場所に赴き、”場所の記憶を文字化”することにした。1日に行ける場所は30カ所前後。名前を付けるだけで7日を要した。アントネラも同じように名前を付けるのに飛び回っている。
アントネラは名前付けを5日で終わらせたので、汲広はさすが優等生!とその力量を褒めた。場所に名前を付けたら次は”名前の視覚化”をしてみる。
目を閉じ、頭の中の画像に集中すると、覚えた場所の一覧がズラリと並ぶ。
それは、スマートフォンの電話帳みたいに。他の例で言うと、パソコンやスマートフォンのファイルマネージャのように。おまけにこの視覚化、フォルダ機能まで付いている。至れり尽くせりである。
しかし、これは、管理している場所の確認に留まる。
この、付けた名前、役割分担表の場所の名前と同じにしている。
もらった能力によってこの名前はこの場所と、別の場所と思い違いせずに厳密に紐付けされているため、まず、文字を見て、現地へ飛び、また表を見て目的地を思い浮かべ、掃き出し窓の能力を使う。
これで、繋ぎ間違いのミスは無くなるであろう。
表を精査すると、割り当てが来ない場所がある。
これは”意識から追いやって”もいいだろう。
忘れるのではなく表の考えに割り込まない能力。
これで、新たに場所を覚えろと言われても覚えられるだろう。
そして、今までは、掃き出し窓の能力を開いた者しか閉じることができなかった。
そのため、1現場に担当は1人だった。
しかし、”他人が開いた掃き出し窓の能力を閉じる”能力を授かったので、シフトを組むのに幅が広がる。
よくもまぁスキカさんはこちらの意図を汲み取って、便利な能力を授けてくれたなぁと感心する。
一通り試してみてその目的通りに能力を授かったことに驚き、それから1週間、能力を試してみた。
これはイケると汲広は思った。
念のため、アントネラにも意見を聞いたが同じだったため、能力を変更することなく流通部門の人間全員にこの能力を授けてもらおうと思う汲広であった。
しかし、明後日以降は交渉事の予定がないので、明後日から新たな能力を試そうと思う汲広であった。
*
と、いうわけで二日後。さて、もらった能力を試そう…と思っても、試すには試すのだがすぐには結果は出ない。
と、言うのも、これらのもらった能力は、便利に使うためには下準備が必要だからだ。
まずは急ぎの用事を今まで通り済ませてしまう。
まず、時間の概念。インジスカン王国の時間の呼び方で言うと、大さっぱで精度に欠けるので、この仕事をするときは、日本から持って来た時計を使う。
流通部門の人間は、皆、日本の腕時計をしてもらっている。
時間の呼び方も、日本語で数字を言うか、サーメイヤ語で数字を言うかの違いはあるが、時間の呼び方は日本式を使ってもらっている。
で、一番忙しいのは始業の時間に当たる朝8時だ。次に忙しいのが終業の時間に当たる夕方5時と、夕方6時だ。
これは、現場によって就業時間が違い、分散している分、朝ほど忙しくない。あまりにも特に朝だが、時間が集中するので、どの時間でも、掃き出し窓の能力は1時間前に開いて良いという確約をもらっているくらいだ。
それ以外の時間は暇か?と問われれば、そうではない。
Aの鉄工所に掃き出し窓の能力を開いて、3時間後に閉じて、2時間の後に今度はBの建材屋に3時間掃き出し窓の能力を開く等、どこの現場でも、掃き出し窓の能力で開く先が2カ所以上あるからだ。
とはいっても始業と終業の時間以外は割と手が空くので、同じ時間に掃き出し窓の能力を開いたり閉じたりするのを一人に負担してもらうと、時間に空白ができるので、そこで休憩を取ってもらっている。
しかしながら、働き過ぎはいかんとスキカに言われ、シフトを決めた。
汲広とアントネラは1人ずつ休むが、他の人間は通常、2人一組、ペアで休む。5ペアと汲広とアントネラで7パターン。
休む人間がいるとそれを他の者が肩代わりする。
そのため、役割分担表が7パターン存在する。
それは紙に書き出され、朝の6時半に行われる流通部門の朝の会で今日のシフトということで申し合わせが行われる。
おまけに、現場が用事があるのがずっと同じ所とは限らない。日によっては違う現場に繋ぐ必要が出てくる。
こういった理由で、ただでさえ200カ所場所を覚えないといけないうえに、役割分担表が7パターン。それに、飛び込みで場所変更あり。この複雑さで毎日ミスが1~2カ所というのは、流通部門の人間のケアレスミスどころの話しではなく、よくもミスを1~2カ所に押さえ込んでくれているなぁと、逆に流通部門の人間を褒めてあげたいと思うのは間違いだろうか?
これが現状である。汲広はまず、朝のラッシュを終えると、時間を縫うようにして、変更の必要の無い場所に赴き、”場所の記憶を文字化”することにした。1日に行ける場所は30カ所前後。名前を付けるだけで7日を要した。アントネラも同じように名前を付けるのに飛び回っている。
アントネラは名前付けを5日で終わらせたので、汲広はさすが優等生!とその力量を褒めた。場所に名前を付けたら次は”名前の視覚化”をしてみる。
目を閉じ、頭の中の画像に集中すると、覚えた場所の一覧がズラリと並ぶ。
それは、スマートフォンの電話帳みたいに。他の例で言うと、パソコンやスマートフォンのファイルマネージャのように。おまけにこの視覚化、フォルダ機能まで付いている。至れり尽くせりである。
しかし、これは、管理している場所の確認に留まる。
この、付けた名前、役割分担表の場所の名前と同じにしている。
もらった能力によってこの名前はこの場所と、別の場所と思い違いせずに厳密に紐付けされているため、まず、文字を見て、現地へ飛び、また表を見て目的地を思い浮かべ、掃き出し窓の能力を使う。
これで、繋ぎ間違いのミスは無くなるであろう。
表を精査すると、割り当てが来ない場所がある。
これは”意識から追いやって”もいいだろう。
忘れるのではなく表の考えに割り込まない能力。
これで、新たに場所を覚えろと言われても覚えられるだろう。
そして、今までは、掃き出し窓の能力を開いた者しか閉じることができなかった。
そのため、1現場に担当は1人だった。
しかし、”他人が開いた掃き出し窓の能力を閉じる”能力を授かったので、シフトを組むのに幅が広がる。
よくもまぁスキカさんはこちらの意図を汲み取って、便利な能力を授けてくれたなぁと感心する。
一通り試してみてその目的通りに能力を授かったことに驚き、それから1週間、能力を試してみた。
これはイケると汲広は思った。
念のため、アントネラにも意見を聞いたが同じだったため、能力を変更することなく流通部門の人間全員にこの能力を授けてもらおうと思う汲広であった。
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