異世界マゼマゼ奮闘記
閑話―カンデラ子爵家の日本観光―前編
「あぁ、毎日疲れるなぁ」
アカツキ伯爵の愚痴である。パソコン教室の授業内容の作成、各貴族に配分する電力の監視、英語学校の授業内容の見直し、やることはキリが無い。せめて思い出だけでもと思いついたのが…
(汲広、ちょっといいか?)
(何でしょう?)
(カンデラ家は日本観光していないだろう?ちょっと連れて行ってくれないか?)
(いいですけどなんで急に?)
(ちょっと息抜きがしたくてな。せめて思い出だけでも)
(了解です。こちらで全部動きます)
(ありがとう。任せたぞ)
そして、念話が終わった後、アントネラに伝えると、
「良い案ですね。家の両親も喜びます」
と喜んでくれた。
「それじゃぁ、準備に動きますか」
汲広は、最初にアントネラの兄弟のシフォン、マイク、リサに声をかけた。
ちなみに、この3人、英語学校を卒業したら、パソコン学校に通い始めた。
「家族揃って日本観光か。それはいい」
「3人の了承を得たら、今度はカンデラ子爵家夫妻だな」
汲広は掃き出し窓の魔法でカンデラ子爵領メルタープにあるカンデラ子爵邸を訪れた。
「家族揃って日本観光か。行ってみたいとは思っていたんだよ」
カンデラ子爵家夫妻の感触も良好であった。
そして、日時を詰め、観光のため、日本を訪れるのであった。
まず向かったのは、汲広の実家である岡塚家である。
事前に連絡してあったので、父の修司《しゅうじ》、母の朋子、妹の朝里が揃っている。
久しぶりに会う両家。
しばし歓談し、頃合いを見て、母の朋子が、
「料理を用意していますので、隣の汲広の家へ行きましょうテーブルも運んであるのよ」
『汲広君、何故この家で夕食じゃないんだい?』
『家の広さ、部屋の広さの問題です』
汲広がもらった汲広の家は、岡塚家の実家の2倍の広さがある。
リビングも大きく、これだけの人数が行ってもあまり狭さを感じないのであった。
「さぁ、ごはんにしましょう」
出したのは和食であった。
ごはんに豚汁、みりん干しの焼き魚にステーキ。
奮発したのはいいが、バランスというか、センスがちょっとおかしな食卓であった。
『このスープ、美味しいな。ちょっと変わった味だがこんなの食べたことがない。』
『我々は貴族だから結構な頻度で肉は食べられるが、この量、さすがに我々でも出たことがないな』
『魚をこのように加工して焼くとは。我々の調理法にはないな』
口々に感想を述べるカンデラ家一行。
料理の評価への通訳は半分くらいにした。
歓談しながらの明るい食事。
食後も歓談が続き、その後は岡塚家一行は汲広とアントネラを残して自宅へ帰り、汲広の家に残った7人は、ゆったりとお風呂に入った。
ここからは全てサーメイヤ語である。
「インジスカン王国時間の朝には来ましたが、こちらはもう夜。明日の観光のために、少しでも睡眠を摂って下さい」
「しかし、起きて余り経たないんだ。まだ眠くない」
そういえばと思い、アカツキ伯爵が持っている映画の中で、良い物がないか探す汲広。
お目当ての物が見つかり、
「これはインジスカン王国で近日公開予定の映画なんですが、見ますか?」
「おぉ、見る見る。そういえば、王都では映画館というのが流行っているらしいじゃないか」
「映画館も我々が仕掛けた娯楽です」
7人してリビングで映画を見る。
もちろん、サーメイヤ語の字幕付きである。
この家、オーディオも良い物を入れてあり、画面のサイズを除けば、映画館に匹敵する迫力であった。
映画を見るのは初めてな5人。大げさに感情が顔に出ていて顔を見ているのも面白い。
お茶とお菓子も用意してある。途中、パリポリお菓子を食べながら映画にのめり込む。
そういえば、今年の日本語学校生、2人程、声優を目指していたっけ。
日本で声優という仕事を学び、将来地球の映画をサーメイヤ語で吹き替えるのが夢だと語っていたなぁ。
そうこう楽しんでいると、映画も終わり、日本では深夜になっていた。
次に、英語学校のパソコン教室で流したプレゼン資料を見てもらった。
やはり、最後に映った悪魔の地が気になったらしく、
「何故、悪魔の地が映ったんだい?」
と、聞かれたので、
「あの、物が燃えるのには力があり、動力として使えて、物を運ぶ道具に使えたり、電気を起こしたりできるんです」
と、答えた。
他にも質問が飛んだが、それに、真摯に汲広は答えた。
そうこうしていると思う夜中。
もうこれ以上起きていると明日のスケジュールに差し障る。
ここは無理にでも寝てもらおう。
そうして皆を客室へ案内する。
いくら大きいとはいえ日本の家屋。
1人1部屋とは行かず、2人1部屋となった。
アカツキ伯爵の愚痴である。パソコン教室の授業内容の作成、各貴族に配分する電力の監視、英語学校の授業内容の見直し、やることはキリが無い。せめて思い出だけでもと思いついたのが…
(汲広、ちょっといいか?)
(何でしょう?)
(カンデラ家は日本観光していないだろう?ちょっと連れて行ってくれないか?)
(いいですけどなんで急に?)
(ちょっと息抜きがしたくてな。せめて思い出だけでも)
(了解です。こちらで全部動きます)
(ありがとう。任せたぞ)
そして、念話が終わった後、アントネラに伝えると、
「良い案ですね。家の両親も喜びます」
と喜んでくれた。
「それじゃぁ、準備に動きますか」
汲広は、最初にアントネラの兄弟のシフォン、マイク、リサに声をかけた。
ちなみに、この3人、英語学校を卒業したら、パソコン学校に通い始めた。
「家族揃って日本観光か。それはいい」
「3人の了承を得たら、今度はカンデラ子爵家夫妻だな」
汲広は掃き出し窓の魔法でカンデラ子爵領メルタープにあるカンデラ子爵邸を訪れた。
「家族揃って日本観光か。行ってみたいとは思っていたんだよ」
カンデラ子爵家夫妻の感触も良好であった。
そして、日時を詰め、観光のため、日本を訪れるのであった。
まず向かったのは、汲広の実家である岡塚家である。
事前に連絡してあったので、父の修司《しゅうじ》、母の朋子、妹の朝里が揃っている。
久しぶりに会う両家。
しばし歓談し、頃合いを見て、母の朋子が、
「料理を用意していますので、隣の汲広の家へ行きましょうテーブルも運んであるのよ」
『汲広君、何故この家で夕食じゃないんだい?』
『家の広さ、部屋の広さの問題です』
汲広がもらった汲広の家は、岡塚家の実家の2倍の広さがある。
リビングも大きく、これだけの人数が行ってもあまり狭さを感じないのであった。
「さぁ、ごはんにしましょう」
出したのは和食であった。
ごはんに豚汁、みりん干しの焼き魚にステーキ。
奮発したのはいいが、バランスというか、センスがちょっとおかしな食卓であった。
『このスープ、美味しいな。ちょっと変わった味だがこんなの食べたことがない。』
『我々は貴族だから結構な頻度で肉は食べられるが、この量、さすがに我々でも出たことがないな』
『魚をこのように加工して焼くとは。我々の調理法にはないな』
口々に感想を述べるカンデラ家一行。
料理の評価への通訳は半分くらいにした。
歓談しながらの明るい食事。
食後も歓談が続き、その後は岡塚家一行は汲広とアントネラを残して自宅へ帰り、汲広の家に残った7人は、ゆったりとお風呂に入った。
ここからは全てサーメイヤ語である。
「インジスカン王国時間の朝には来ましたが、こちらはもう夜。明日の観光のために、少しでも睡眠を摂って下さい」
「しかし、起きて余り経たないんだ。まだ眠くない」
そういえばと思い、アカツキ伯爵が持っている映画の中で、良い物がないか探す汲広。
お目当ての物が見つかり、
「これはインジスカン王国で近日公開予定の映画なんですが、見ますか?」
「おぉ、見る見る。そういえば、王都では映画館というのが流行っているらしいじゃないか」
「映画館も我々が仕掛けた娯楽です」
7人してリビングで映画を見る。
もちろん、サーメイヤ語の字幕付きである。
この家、オーディオも良い物を入れてあり、画面のサイズを除けば、映画館に匹敵する迫力であった。
映画を見るのは初めてな5人。大げさに感情が顔に出ていて顔を見ているのも面白い。
お茶とお菓子も用意してある。途中、パリポリお菓子を食べながら映画にのめり込む。
そういえば、今年の日本語学校生、2人程、声優を目指していたっけ。
日本で声優という仕事を学び、将来地球の映画をサーメイヤ語で吹き替えるのが夢だと語っていたなぁ。
そうこう楽しんでいると、映画も終わり、日本では深夜になっていた。
次に、英語学校のパソコン教室で流したプレゼン資料を見てもらった。
やはり、最後に映った悪魔の地が気になったらしく、
「何故、悪魔の地が映ったんだい?」
と、聞かれたので、
「あの、物が燃えるのには力があり、動力として使えて、物を運ぶ道具に使えたり、電気を起こしたりできるんです」
と、答えた。
他にも質問が飛んだが、それに、真摯に汲広は答えた。
そうこうしていると思う夜中。
もうこれ以上起きていると明日のスケジュールに差し障る。
ここは無理にでも寝てもらおう。
そうして皆を客室へ案内する。
いくら大きいとはいえ日本の家屋。
1人1部屋とは行かず、2人1部屋となった。
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