異世界マゼマゼ奮闘記
電気への需要はあるが、発電設備がどうも高い
王城に電気を通したら、
「電気とは素晴らしい。我が屋敷にも電気を通してもらいたい」
という貴族達の申し出が度々やって来る。
そこで、水力発電所をもう一基作るプランと、ガソリン式の発電機を買い取ってもらうプラン、3つめにガソリン式の発電機、太陽光発電施設、蓄電器を揃えるという3つのプランを提示して、それぞれのプランに対する導入費用を提示したらあまりの金額に閉口してそれ以上何も言わなくなった。
水力発電所の案は、貴族家何世帯かで電気を分けるプランも提示したが、あまりいい顔をせず、皆、話に乗ってこなかった。
もう一つ、権利がらみで話しがやって来たのは映画館の上映権である。
上映権自体は配給会社の上映権を伝えるだけでいいので比較的問題はないのだが、上映するには電気が要る。
やはり、貴族に話した通り、3プランを伝えると、”電気とは、そんなに手間とお金がかかるのか…”と、商人達も尻込みしていた。
とりあえず、何か改善策が見つかるかも知れないので、スマートフォンの電話番号の交換だけはしておいた。
そこで、アカツキ伯爵は考える。電気にかかる費用が高くて皆、尻込みする。
それなら、自前の発電施設で電気を得るより、日本から電気を買う方法にすれば… という考えが浮かんだ。
日本のことは汲広の管轄である。アカツキ伯爵は、汲広に念話で、
(電気は素晴らしいことは、王都のシンダーグスでは広まりつつある。しかし、自前で発電すると、コストがかかりすぎて皆、尻込みする。日本の電気を買えないだろうか?)
(それなら、日本の官僚に相談してみますけど、こと、エネルギーに関しては、王にも一声掛けて、了承を取り付けた方がいいと思いますよ)
(分かった。その件はこちらから連絡しておく。そちらは電気を買えるか調べるだけはしておいてくれ)
(了解しました)
汲広は、網弾野に連絡し、日本の電気をインジスカン王国の人間が買えるかどうかを調べてもらうように頼んだ。
アカツキ伯爵は、貴族や商人が、日本から電気を買って良いか、エネルギーを牛耳られると後々困ることもあることも付け加えて、書簡で質問状を送った。
数日後、汲広の元には網弾野から、電気を売ることは問題ないとの返事を貰い、国王からは、貴族や商人が日本から電気を買うことの了承を得た。
そこで、電気料金の仕組みを調べ、再度、声をかけてきた貴族や商人達に料金体系を教えると、自家発電よりぐんと料金が下がったため、検討してみるという返事が返ってきた。
そこで、アカツキ伯爵は、汲広に念話で、
(どちらに転ぶか分からぬが、こちらでの映画の上映について私の記憶を思い返しておいて欲しい。私では手が回らぬ故、汲広に任せることになる)
(了解しました。こちらは比較的手が空いていますから、お役に立てそうなことはなるべくしようと思います)
そして、数日後、ちらほらと貴族や商人から、検討した結果、電気を引いて欲しいやら、映画館の興業をしたいとの連絡が入ってきた。
そこで、王都のアカツキ邸に変電施設を増設して日本の電気を受け入れ、そこから電線を通じて各貴族邸へ電気を提供することとなった。
配線は王都、シンダーグスでの経験者にお願いし、貴族邸には電気メーターを取り付けた。
そして、貴族邸内部の照明やらコンセントやらは日本の業者、シンダーグスの経験者入り乱れて工事は進んだ。
汲広も呼ばれ工事の監督の様なことをした。
1軒、また1軒と、工事は終了し、希望者には全て、電気を供給できるようになった。
次は映画館である。首都、シンダーグスにはもう映画館はある。
供給より需要の方が最近勝っているとはいえ、新しく映画館が欲しいという場所は他の街であった。
商人にも、掃き出し窓の魔法が使える者をお抱えで雇っている商人も多く、汲広は馬車に揺られることなくすぐに目的の街へと連れて行かれた。
建物は既存の物を使い、電気は、アカツキ伯爵領ハーパヤにある、アカツキ領主邸に増設した変電器で、日本から電力をもらい、そこから映画館建設予定地に途中、常時開きっぱなしの掃き出し窓の魔法を使いながら電力は供給された。
もちろん電気メーターも設置された。
設備の設置は日本の業者に一任し、映画自体のデータは王都、シンダーグスにあるアカツキ領主邸から有線LANを引き、そこから映画のデータをもらう。
このネットワークはクローズドにしてある。
申請していない映画を勝手に上映されない為だ。この辺りをいい加減にしていると、配給元に上映料を送れなくなったり、最悪、上映権を手放さなければならなくなる為だ。
そうして、1軒、また1軒と、映画館は作られ、建物の準備と並行してシンダーグスにある映画館に商人が人材を送り、映画の上映の仕方を学ぶ。
商人の希望する数の映画館が全て建った。人材育成も終わり、汲広も初回上映に立ち会ったが、アカツキ伯爵の記憶のように、非常に盛り上がった。
映画館の上映での盛り上がりを見て、汲広は映画館を建てて良かったと思う。
こうして日本の文化を取り入れ、インジスカン王国が、活気溢れる国になれば良いと思う汲広であった。
「電気とは素晴らしい。我が屋敷にも電気を通してもらいたい」
という貴族達の申し出が度々やって来る。
そこで、水力発電所をもう一基作るプランと、ガソリン式の発電機を買い取ってもらうプラン、3つめにガソリン式の発電機、太陽光発電施設、蓄電器を揃えるという3つのプランを提示して、それぞれのプランに対する導入費用を提示したらあまりの金額に閉口してそれ以上何も言わなくなった。
水力発電所の案は、貴族家何世帯かで電気を分けるプランも提示したが、あまりいい顔をせず、皆、話に乗ってこなかった。
もう一つ、権利がらみで話しがやって来たのは映画館の上映権である。
上映権自体は配給会社の上映権を伝えるだけでいいので比較的問題はないのだが、上映するには電気が要る。
やはり、貴族に話した通り、3プランを伝えると、”電気とは、そんなに手間とお金がかかるのか…”と、商人達も尻込みしていた。
とりあえず、何か改善策が見つかるかも知れないので、スマートフォンの電話番号の交換だけはしておいた。
そこで、アカツキ伯爵は考える。電気にかかる費用が高くて皆、尻込みする。
それなら、自前の発電施設で電気を得るより、日本から電気を買う方法にすれば… という考えが浮かんだ。
日本のことは汲広の管轄である。アカツキ伯爵は、汲広に念話で、
(電気は素晴らしいことは、王都のシンダーグスでは広まりつつある。しかし、自前で発電すると、コストがかかりすぎて皆、尻込みする。日本の電気を買えないだろうか?)
(それなら、日本の官僚に相談してみますけど、こと、エネルギーに関しては、王にも一声掛けて、了承を取り付けた方がいいと思いますよ)
(分かった。その件はこちらから連絡しておく。そちらは電気を買えるか調べるだけはしておいてくれ)
(了解しました)
汲広は、網弾野に連絡し、日本の電気をインジスカン王国の人間が買えるかどうかを調べてもらうように頼んだ。
アカツキ伯爵は、貴族や商人が、日本から電気を買って良いか、エネルギーを牛耳られると後々困ることもあることも付け加えて、書簡で質問状を送った。
数日後、汲広の元には網弾野から、電気を売ることは問題ないとの返事を貰い、国王からは、貴族や商人が日本から電気を買うことの了承を得た。
そこで、電気料金の仕組みを調べ、再度、声をかけてきた貴族や商人達に料金体系を教えると、自家発電よりぐんと料金が下がったため、検討してみるという返事が返ってきた。
そこで、アカツキ伯爵は、汲広に念話で、
(どちらに転ぶか分からぬが、こちらでの映画の上映について私の記憶を思い返しておいて欲しい。私では手が回らぬ故、汲広に任せることになる)
(了解しました。こちらは比較的手が空いていますから、お役に立てそうなことはなるべくしようと思います)
そして、数日後、ちらほらと貴族や商人から、検討した結果、電気を引いて欲しいやら、映画館の興業をしたいとの連絡が入ってきた。
そこで、王都のアカツキ邸に変電施設を増設して日本の電気を受け入れ、そこから電線を通じて各貴族邸へ電気を提供することとなった。
配線は王都、シンダーグスでの経験者にお願いし、貴族邸には電気メーターを取り付けた。
そして、貴族邸内部の照明やらコンセントやらは日本の業者、シンダーグスの経験者入り乱れて工事は進んだ。
汲広も呼ばれ工事の監督の様なことをした。
1軒、また1軒と、工事は終了し、希望者には全て、電気を供給できるようになった。
次は映画館である。首都、シンダーグスにはもう映画館はある。
供給より需要の方が最近勝っているとはいえ、新しく映画館が欲しいという場所は他の街であった。
商人にも、掃き出し窓の魔法が使える者をお抱えで雇っている商人も多く、汲広は馬車に揺られることなくすぐに目的の街へと連れて行かれた。
建物は既存の物を使い、電気は、アカツキ伯爵領ハーパヤにある、アカツキ領主邸に増設した変電器で、日本から電力をもらい、そこから映画館建設予定地に途中、常時開きっぱなしの掃き出し窓の魔法を使いながら電力は供給された。
もちろん電気メーターも設置された。
設備の設置は日本の業者に一任し、映画自体のデータは王都、シンダーグスにあるアカツキ領主邸から有線LANを引き、そこから映画のデータをもらう。
このネットワークはクローズドにしてある。
申請していない映画を勝手に上映されない為だ。この辺りをいい加減にしていると、配給元に上映料を送れなくなったり、最悪、上映権を手放さなければならなくなる為だ。
そうして、1軒、また1軒と、映画館は作られ、建物の準備と並行してシンダーグスにある映画館に商人が人材を送り、映画の上映の仕方を学ぶ。
商人の希望する数の映画館が全て建った。人材育成も終わり、汲広も初回上映に立ち会ったが、アカツキ伯爵の記憶のように、非常に盛り上がった。
映画館の上映での盛り上がりを見て、汲広は映画館を建てて良かったと思う。
こうして日本の文化を取り入れ、インジスカン王国が、活気溢れる国になれば良いと思う汲広であった。
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