異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

油田埋蔵量の調査の空き時間

 橋本はしもとたちが油田調査している頃、午前中はミラトと事務仕事をした。

 そして、午後、橋本はしもとたちが昼食を摂ったあと、悪魔の地へ掃き出し窓の魔法で送り届けたあと、また領主邸に戻ると、丁度ちょうど、アントネラと、綿抜わたぬき一久かずひさ五右武路ごえぶろ永遠とわが、昼食にやって来た。

 3人が昼食を摂っている間、汲広くみひろひまだったので、ジュースを作ってもらい、飲みながら、


「どうだ?良さそうな土地は見つかりそうか?」

「まだながめているだけなので何とも」

「街との行き来の利便性、家畜の食糧の問題、考えたらきりがありませんよ」

「放牧するなら土地とガバッと持って行ってもらってもかまわんからな」


 どうせ遊んでいる土地である。

 土地を多めにとってもらっても汲広くみひろかまわないのであった。


「そういえば、一久かずひさ永遠とわは車の免許は持っているのかな?」

「持ってますよ?」

「持ってます。実家が田舎なので、交通の利便性やら、あと、親がうるさいので」

「そうか」


 二人とも免許は持っているらしい。


「ちなみにAT?MT?」

「MTです」

「僕もMTです」


 何と、今時珍しく、マニュアル車も乗れる免許を持っているらしい。


「あと、牧草をベーラーで巻くとき、トラクターを使うんですが、車ほどシビアじゃないとはいいえ、クラッチが付いていますからね」

「何に必要になるか分からないから、クラッチ操作の感覚というものは覚えておいてそんはないな」


 そうか。こっちでは何を使うか分からないからAT限定ではなく、MTで取って、クラッチ感覚にれておくのがいいのか。


「僕も免許取ろうかなー」

「17才になったばかりでしょ?あと1年待ちましょうねー」


 こうして、汲広くみひろの欲望で昼は車両の話になった。

 午後は汲広くみひろも牧場地選定に付き合うことにした。


「ブーエルやブーキルは何を食うんだ?」

「ブーキルは牧草ですね」

「ブーエルは穀物を主に食わしますが基本、雑食ですね。たまに変わったものも食べさせないと」

「ブーエルやブーキルは食べるものが違うんだな。ブーエルは、えさ用に畑もするのか?」

「そうなると思います。あと、食用にまで育ちきらなかった穀物を分けてもらうとかですね」


 ブーキルもエサの確保も大変だが、ブーエルはもっと大変そうだった。


「やっぱり動物を育てるって大変そうだな」

「仕事なんてみな、大変ですよ」

「そういや僕も、まだ学生なのに、色々なことに巻き込まれて先生のまねごとやったり、こうやって領主になって領地の世話なんてものもやってるんだもんなー」

「あなた方二人は特殊とくしゅですよ」


 確かに特殊とくしゅな感じがする汲広くみひろやアントネラだった。


 こうして候補地探しを4日程して、やっと一久かずひさ永遠とわも牧場予定地を決めた。

 それから、街や、隣街の暇な連中をかき集めてさくと小屋と家を作ることになった。

 一久かずひさ永遠とわも、牧場に住むことにしたのである。


 昼はさくや小屋を作る仕事、夜は語学勉強と、あと、魔法も教えることにした。

 掃き出し窓の魔法も土のう袋の魔法も何かと便利であるからである。

 もし、この二つが使えなくても、魔法は何かと便利なのであった。


 こうして二つの牧場ができた。

 二人とも名字から取ってワタヌキ牧場とゴエブロ牧場にした。

 一久かずひさ永遠とわには、牧場の他にも土地を与えた。えさ用である。

 結局、街の中心に人が住み、その外周を農作物を育てる田畑、その外周をワタヌキ牧場とゴエブロ牧場という形になった。


 あと、街の方ではすでに全ての家に明かり取り用に電気が引かれている。

 一久かずひさの家にも永遠とわの家にも引きたかったが、ネットも使えると便利だろうと、有線LANも引きたかったので、あと、面倒だったので常時開きっぱなしの掃き出し窓の魔法で電気と有線LANを引いてやり、Wi-Fi親機も設置した。



「日本で使うスマ-とフォンほど便利じゃないが、IP電話サービスに加入すれば、電話も使えるぞ」

「おぉー。インターネットが使えるのですね。便利そうですね」

「文明に遅れる覚悟できましたが、これがあれば、遅れが小さくなりそうです。ありがとうございます」


 一久かずひさにも永遠とわにもこのサービスは好評であった。

 あとは、仕事がうまくいくかは一久かずひさ永遠とわ頑張がんば次第しだいである。


「二人とも、ここまでしてやったんだから、結果を出せよ」

「「はい」」

「それと、毎日むかえに行くから、語学と魔法の勉強、しっかりやれよ!」

「そっちはしたくないが、まぁ、仕方しかたない」

「イヤですが、生きていくためです。がんばります」


 嫌々いやいやながら生きていく為に承諾しょうだくする一久かずひさ永遠とわの二人であった。

「異世界マゼマゼ奮闘記」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く