異世界マゼマゼ奮闘記
閑話―岡塚家のインジスカン王国観光―中編
汲広とアントネラ、二人の案内で食堂へ招かれた。
食堂は、来客もあることから、40人が同時に食事がとれるよう、かなり大きな部屋になっている。
実際、英語学校の生徒がこの屋敷に住んでいるため、食事時にはほぼ席が埋まってしまうのである。
そんな大広間で汲広とアントネラと岡塚家3人の計5人だけで食事を摂るのである。
「わぁ、食堂も大きい」
「こっちでは、学校の事業もやっててね、下宿先にこの屋敷を使ってるから食事時はほぼ満席になるんだよ」
「俺の知らん間に色々と…。しかし、これだけの大広間に5人とは寂しいな」
そうなのである。大広間での5人だけで食事。複雑な気分なのであった。
そうして、次々と食事が運ばれて来る。日本にも似たような料理があるが、やはり異世界。地球の料理とは異なるものであった。
「いやぁ、食べ物だけでも外国に来た気分になるなぁ」
「外国というか、異世界だよなぁ」
「見た目はちょっと… の料理もあったけど、だけど、お味は最高でした」
「気に入ってもらえて良かったよ」
そして、頃合いとなったので、役所へ行き、入国の手続きをした。そして、
カンデラ子爵邸へ向かって歩いていた。
「汲広、今度はどこへ連れて行ってくれるんだい?」
「アントネラの家族の居るカンデラ子爵邸だよ」
「カンデラ子爵、子爵?子爵って確か、伯爵位より一つ下だったような…」
「父さん、それは言わないでやってくれ…」
そうしてカンデラ子爵邸へと着いた一行。客間へ通され、待つことしばし、
「ようこそいらっしゃいましたアカツキ家一行様。私がアントネラの父でここの屋敷の主、スティーブ・フォン・カンデラです。これから宜しくお願いします」
「妻のナンシーです。宜しくお願いします。」
「で、こちらが長女のシフォン、こちらが長男のマイク、そして次女のリサです」
「どうも歓迎頂きありがとうございます。私が汲広の父、修司、母の朋子、妹の朝里です。こちらこそ、これから宜しくお願いします」
言葉が違うので、当然訳している。日本語への通訳は汲広が、サーメイヤ語への通訳はアントネラが行っている。
ちなみに、シフォン、マイク、リサは日本語教室出身で、日常会話に困らないが、自分たちの両親が分からないため、サーメイヤ語で話している。ちょっとシフォン、マイク、リサは“?”となっている。
「いやぁ、こうして会えるのなら、二人の結婚式にも出て頂きたかった」
「それはこちらも… って、そちらでも結婚式をしたのですか?」
「汲広、どういうことだ!」
「アントネラ、どういうことだ!」
「いやぁ、掃き出し窓の魔法ができる前に分身の術が出来るようになったので…」
汲広もアントネラも互いの国で別々に結婚式を挙げたのに、互いの家族、かなり怒っている。
日本に暮らしているのは岡塚汲広、アントネラで、インジスカン王国に住んでいるのは暁悠生、ステファニアと、名前を変えていることも、どちらの親にも説明した。
そんなこともありながら、互いの小さいときの話しやら、今の生活など、時間も忘れて歓談していた。そして、随分と時間が過ぎ、
「おぉ、もうこんな時間ですか。時の経つのは早いですなぁ。時差があるからもうお辛いでしょう。お話しはもうこれくらいにしましょうか」
「そうですね。お話しは楽しいのですが、もう眠くなってきました。そういうことでしたらもうここいらでお開きにしましょうか」
こうして、岡塚家、カンデラ家の初めての歓談は幕を下ろしたのであった。
カンデラ家を出た後で、汲広は掃き出し窓の魔法を使ってカンデラ領の屋敷へと繋いだ。またもや現われる立派なお屋敷。すると、修司は、
「汲広、あちこち連れて行ってくれるのは嬉しいのだが、そろそろ眠い。休みたいのだが」
「3人にはこの屋敷で休んでもらおうと思って。こっちなら客室が随分余ってるし」
「しかし、何故、自分の屋敷があるのにこの屋敷に?」
「ここは僕の領地の屋敷。ここも僕の持ち家だよ」
「領地に、おまけにもう一軒屋敷を持ってる!お前、本当に貴族になったんだな」
「そだよー」
そこで、一人一部屋でいいかと尋ねたところ、それでいいという返事。そして、客室に案内して、それぞれの荷物を部屋に出して、
「それではお休みなさい」
「お休み」
部屋を出るのであった。
アントネラと合流した汲広。従者も集まって、
「それでは今日の領地訪問、近場をちゃっちゃと片づけましょうか」
家族を呼んでも領地視察は休めない汲広なのであった。
食堂は、来客もあることから、40人が同時に食事がとれるよう、かなり大きな部屋になっている。
実際、英語学校の生徒がこの屋敷に住んでいるため、食事時にはほぼ席が埋まってしまうのである。
そんな大広間で汲広とアントネラと岡塚家3人の計5人だけで食事を摂るのである。
「わぁ、食堂も大きい」
「こっちでは、学校の事業もやっててね、下宿先にこの屋敷を使ってるから食事時はほぼ満席になるんだよ」
「俺の知らん間に色々と…。しかし、これだけの大広間に5人とは寂しいな」
そうなのである。大広間での5人だけで食事。複雑な気分なのであった。
そうして、次々と食事が運ばれて来る。日本にも似たような料理があるが、やはり異世界。地球の料理とは異なるものであった。
「いやぁ、食べ物だけでも外国に来た気分になるなぁ」
「外国というか、異世界だよなぁ」
「見た目はちょっと… の料理もあったけど、だけど、お味は最高でした」
「気に入ってもらえて良かったよ」
そして、頃合いとなったので、役所へ行き、入国の手続きをした。そして、
カンデラ子爵邸へ向かって歩いていた。
「汲広、今度はどこへ連れて行ってくれるんだい?」
「アントネラの家族の居るカンデラ子爵邸だよ」
「カンデラ子爵、子爵?子爵って確か、伯爵位より一つ下だったような…」
「父さん、それは言わないでやってくれ…」
そうしてカンデラ子爵邸へと着いた一行。客間へ通され、待つことしばし、
「ようこそいらっしゃいましたアカツキ家一行様。私がアントネラの父でここの屋敷の主、スティーブ・フォン・カンデラです。これから宜しくお願いします」
「妻のナンシーです。宜しくお願いします。」
「で、こちらが長女のシフォン、こちらが長男のマイク、そして次女のリサです」
「どうも歓迎頂きありがとうございます。私が汲広の父、修司、母の朋子、妹の朝里です。こちらこそ、これから宜しくお願いします」
言葉が違うので、当然訳している。日本語への通訳は汲広が、サーメイヤ語への通訳はアントネラが行っている。
ちなみに、シフォン、マイク、リサは日本語教室出身で、日常会話に困らないが、自分たちの両親が分からないため、サーメイヤ語で話している。ちょっとシフォン、マイク、リサは“?”となっている。
「いやぁ、こうして会えるのなら、二人の結婚式にも出て頂きたかった」
「それはこちらも… って、そちらでも結婚式をしたのですか?」
「汲広、どういうことだ!」
「アントネラ、どういうことだ!」
「いやぁ、掃き出し窓の魔法ができる前に分身の術が出来るようになったので…」
汲広もアントネラも互いの国で別々に結婚式を挙げたのに、互いの家族、かなり怒っている。
日本に暮らしているのは岡塚汲広、アントネラで、インジスカン王国に住んでいるのは暁悠生、ステファニアと、名前を変えていることも、どちらの親にも説明した。
そんなこともありながら、互いの小さいときの話しやら、今の生活など、時間も忘れて歓談していた。そして、随分と時間が過ぎ、
「おぉ、もうこんな時間ですか。時の経つのは早いですなぁ。時差があるからもうお辛いでしょう。お話しはもうこれくらいにしましょうか」
「そうですね。お話しは楽しいのですが、もう眠くなってきました。そういうことでしたらもうここいらでお開きにしましょうか」
こうして、岡塚家、カンデラ家の初めての歓談は幕を下ろしたのであった。
カンデラ家を出た後で、汲広は掃き出し窓の魔法を使ってカンデラ領の屋敷へと繋いだ。またもや現われる立派なお屋敷。すると、修司は、
「汲広、あちこち連れて行ってくれるのは嬉しいのだが、そろそろ眠い。休みたいのだが」
「3人にはこの屋敷で休んでもらおうと思って。こっちなら客室が随分余ってるし」
「しかし、何故、自分の屋敷があるのにこの屋敷に?」
「ここは僕の領地の屋敷。ここも僕の持ち家だよ」
「領地に、おまけにもう一軒屋敷を持ってる!お前、本当に貴族になったんだな」
「そだよー」
そこで、一人一部屋でいいかと尋ねたところ、それでいいという返事。そして、客室に案内して、それぞれの荷物を部屋に出して、
「それではお休みなさい」
「お休み」
部屋を出るのであった。
アントネラと合流した汲広。従者も集まって、
「それでは今日の領地訪問、近場をちゃっちゃと片づけましょうか」
家族を呼んでも領地視察は休めない汲広なのであった。
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