異世界マゼマゼ奮闘記
日本政府、官僚への直談判
汲広はとある官僚と電話をしてみた。インジスカン王国との国交の打診をしたかったからである。
「もしもし、網弾野です」
「あ、網弾野さん、いつもお世話になっております岡塚汲広です。今、電話、大丈夫ですか」
「あ、岡塚さんですか。はい。大丈夫ですよ」
「実は、折り入ってお願いがあるのですが、インジスカン王国という国との国交を考えてもらいたいのです」
「また、国交とは、個人がお願いする内容としてはまた規模が大きい。しかし、そんな国、聞いたことがありませんねぇ。さすがトンデモ世界の第一人者。我々が知らない国まで知っておられる。で、どの辺りの国なのですか?」
「アントネラの祖国で他の星にあります」
「他の星ですか。はぁ、そうですか。私、これでも忙しくて、冗談に構っている暇まではないんですよ」
「冗談ではありませんよ。まぁ、人と物の行き来は魔法でするんですけどね」
アントネラは地球外から来た世界で初めての生きた宇宙人である。今はマスコミやらが騒いでいて、政府も積極的に波風は立てないようにしているが、報道が沈静化した頃を見計らって、アントネラを研究したいらしい。
アントネラが到着して、汲広とあった頃、デモンストレーション変わりに一度魔法を見せたことがある。こちらにも興味津々で、魔法も研究対象に入っているらしい。
「あぁ、魔法ですか。以前にちらっと見せて貰ったアレですか。でも、国交を結ぶ程人や物資の行き来はあるのですか?」
「向こうは魔法が発達して色々な事が魔法で出来ちゃうんですよ。
それで科学が結構疎かになってまして、留学生を送り合って交流が期待できるわけです。
それと、物資の輸出などは、こちらで機器を使えば出来ることはあちらには文化としてない。
日本の便利グッズや電気製品を輸出することが期待できるわけです。
それで、国交が無い国同士で人や物の交流をするより、国交を結んでもらって、国交が盛んになれば、できれば大使を送り合うところまでお願いしたいのです」
「これはまた、規模の大きなお話しですね。で、その、インジスカン王国ですか。そちらはこの話は進んでいるのですか?相手の状況が分からないうちは、こちらも動きようがありませんから」
「今現在、通訳となる人材を募集することは決まっています。人材の往来や、物資の輸出はあちらの国のトップクラスで議題に上っているところです」
「分かりました。あちらではもう国交に向けて会議が始まっているということですね。
では、こちらも対応をどうするか検討しなければなりません。が、話の規模が大きすぎて私個人でどうこうできるものではありません。
一度上司に話をあげて、恐らく、省庁の、それもトップクラスの会議をしたり、国会議員の方々にも話を通さなければなりません。
事が事ですし、慎重に、時間をかけての対応になると思いますよ」
「そうですね。大事ですよね。出来れば前向きに検討してもらえれば助かります」
「分かりました。それで、私も上司に報告するため、詳細を知らなければなりません。一度会ってお話ししてもらうことできますか?」
「分かりました。一度会いましょう。」
そうして、一度話し合いの場がもたれる事が決まり、電話が終わった。
「一応、こちら側も話は動き出すかな?」
汲広には実感がなかった。まだ話を出したばかりである。何も確約は無い。物がいくら輸出できるのか、人材交流はあるのか、魔法を教わることに、日本側にどれだけのメリットがあるのか、全て未知である。
その後、総務省に出向いていき、個室で会談がもたれた。こちら側は汲広、アントネラ。あちらは網弾野さんである。
内容は、先だって行われた電話の内容を掘り下げたものになった。網弾野がメモを取りながら質問してきた。
そして、肝心の移動手段である掃き出し窓の魔法も披露した。移動役を、ステファニアの友人のピボットちゃんが買って出てくれたのだ。彼女が楕円形のゆらゆらした空間から出てきて、また、その穴から出て行った。マジックでは無かった。
網弾野は目を丸くして驚いていた。ちなみに、出てきて帰るだけだったので、魔力消費量は1回分であった。
「いやはや、驚きました。これほど簡単に人の移動ができるとは。しかも宇宙人がこんなに簡単に出たり入ったりできるとは」
「あまり簡単ではないですよ。これは習得が困難な部類の魔法ですし、距離がバカ程離れている分、魔力の消費も相当なものになっています」
「いや、それは考える土台そのものが違いますよ。宇宙船で何世代も旅をして、やっとたどり着けるかといった距離を一瞬で移動できるなんて、それこそ輸送の革命が起こるじゃないですか!」
「まぁ、それに関しては否定できません」
話し相手がメリットを言ってくれた。この話は進むかも知れないと思う汲広であった。
ついでに、通訳を育てたいから人材を何とかしたいと汲広が言うと、
「それについてもこちらで協議してみましょう」
会談は終わった。良好な感触だったと汲広は思った。日本側も協議が始まる。インジスカン王国側は、すでに議題に上っている。このまま協議してもらって、事が運び、明るい未来が待っている。何の確証もないのに、そんなことを思う汲広であった。
「もしもし、網弾野です」
「あ、網弾野さん、いつもお世話になっております岡塚汲広です。今、電話、大丈夫ですか」
「あ、岡塚さんですか。はい。大丈夫ですよ」
「実は、折り入ってお願いがあるのですが、インジスカン王国という国との国交を考えてもらいたいのです」
「また、国交とは、個人がお願いする内容としてはまた規模が大きい。しかし、そんな国、聞いたことがありませんねぇ。さすがトンデモ世界の第一人者。我々が知らない国まで知っておられる。で、どの辺りの国なのですか?」
「アントネラの祖国で他の星にあります」
「他の星ですか。はぁ、そうですか。私、これでも忙しくて、冗談に構っている暇まではないんですよ」
「冗談ではありませんよ。まぁ、人と物の行き来は魔法でするんですけどね」
アントネラは地球外から来た世界で初めての生きた宇宙人である。今はマスコミやらが騒いでいて、政府も積極的に波風は立てないようにしているが、報道が沈静化した頃を見計らって、アントネラを研究したいらしい。
アントネラが到着して、汲広とあった頃、デモンストレーション変わりに一度魔法を見せたことがある。こちらにも興味津々で、魔法も研究対象に入っているらしい。
「あぁ、魔法ですか。以前にちらっと見せて貰ったアレですか。でも、国交を結ぶ程人や物資の行き来はあるのですか?」
「向こうは魔法が発達して色々な事が魔法で出来ちゃうんですよ。
それで科学が結構疎かになってまして、留学生を送り合って交流が期待できるわけです。
それと、物資の輸出などは、こちらで機器を使えば出来ることはあちらには文化としてない。
日本の便利グッズや電気製品を輸出することが期待できるわけです。
それで、国交が無い国同士で人や物の交流をするより、国交を結んでもらって、国交が盛んになれば、できれば大使を送り合うところまでお願いしたいのです」
「これはまた、規模の大きなお話しですね。で、その、インジスカン王国ですか。そちらはこの話は進んでいるのですか?相手の状況が分からないうちは、こちらも動きようがありませんから」
「今現在、通訳となる人材を募集することは決まっています。人材の往来や、物資の輸出はあちらの国のトップクラスで議題に上っているところです」
「分かりました。あちらではもう国交に向けて会議が始まっているということですね。
では、こちらも対応をどうするか検討しなければなりません。が、話の規模が大きすぎて私個人でどうこうできるものではありません。
一度上司に話をあげて、恐らく、省庁の、それもトップクラスの会議をしたり、国会議員の方々にも話を通さなければなりません。
事が事ですし、慎重に、時間をかけての対応になると思いますよ」
「そうですね。大事ですよね。出来れば前向きに検討してもらえれば助かります」
「分かりました。それで、私も上司に報告するため、詳細を知らなければなりません。一度会ってお話ししてもらうことできますか?」
「分かりました。一度会いましょう。」
そうして、一度話し合いの場がもたれる事が決まり、電話が終わった。
「一応、こちら側も話は動き出すかな?」
汲広には実感がなかった。まだ話を出したばかりである。何も確約は無い。物がいくら輸出できるのか、人材交流はあるのか、魔法を教わることに、日本側にどれだけのメリットがあるのか、全て未知である。
その後、総務省に出向いていき、個室で会談がもたれた。こちら側は汲広、アントネラ。あちらは網弾野さんである。
内容は、先だって行われた電話の内容を掘り下げたものになった。網弾野がメモを取りながら質問してきた。
そして、肝心の移動手段である掃き出し窓の魔法も披露した。移動役を、ステファニアの友人のピボットちゃんが買って出てくれたのだ。彼女が楕円形のゆらゆらした空間から出てきて、また、その穴から出て行った。マジックでは無かった。
網弾野は目を丸くして驚いていた。ちなみに、出てきて帰るだけだったので、魔力消費量は1回分であった。
「いやはや、驚きました。これほど簡単に人の移動ができるとは。しかも宇宙人がこんなに簡単に出たり入ったりできるとは」
「あまり簡単ではないですよ。これは習得が困難な部類の魔法ですし、距離がバカ程離れている分、魔力の消費も相当なものになっています」
「いや、それは考える土台そのものが違いますよ。宇宙船で何世代も旅をして、やっとたどり着けるかといった距離を一瞬で移動できるなんて、それこそ輸送の革命が起こるじゃないですか!」
「まぁ、それに関しては否定できません」
話し相手がメリットを言ってくれた。この話は進むかも知れないと思う汲広であった。
ついでに、通訳を育てたいから人材を何とかしたいと汲広が言うと、
「それについてもこちらで協議してみましょう」
会談は終わった。良好な感触だったと汲広は思った。日本側も協議が始まる。インジスカン王国側は、すでに議題に上っている。このまま協議してもらって、事が運び、明るい未来が待っている。何の確証もないのに、そんなことを思う汲広であった。
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