婚活アプリで出会う恋~幼馴染との再会で赤い糸を見失いました~
優しさに触れて(7)
遥斗は目の前の洗濯物や布団を手際よく片付けていく。
ベッドの中から家事をする彼の姿を眺めていると、様になってて、頼もしくて、とてもカッコいい。
ずっとこうして見ていたい……。
想いが通じてしまったのか、ドア付近にいた遥斗の背中が急に振り返り、目が合った。
ドキッとして、慌てて視線を逸らす。
こちらに近付き、手を伸ばして私の前髪をかき上げると、額同士をくっつけた。
その瞬間、まるで体の奥で電気が走ったかのように大きく疼いた。
その時、はっきりと自分の気持ちを確信する。
――――私、遥斗のことが好きなんだ……。
「熱は完全に下がったみたいだな」
それだけ確認すると、部屋を出て行った。
どうしよう……。
遥斗には、私が到底及ばない美人の彼女がいるのに。
それにこのままだと、体だけ求められて、この関係から抜け出せなくなってしまったら。
恋愛経験も大して無いくせに、私、セフレになっちゃうってこと……?
頭の中でゴチャゴチャ考えていたら、突然ドアが開き、遥斗がお盆を片手に現れた。お盆の上には綺麗にカットされたフルーツが乗っている。
「これぐらいなら食べられるだろ?」
「う、うん」
何もかも至れり尽くせりで、お姫様になった気分。
思わず、遥斗が執事の恰好をして働いているところを想像してしまった。
「ぷぷっ……」
「何を笑ってる?」
遥斗が冷ややかな視線をこちらへと向ける。
「ごっ、ごめん。あまりにも手際が良くて、遥斗が執事の恰好したら似合いそうだなって……」
「倒れた里穂を見つけた時、もの凄く焦ったんだぞ。人を笑いものにするなんて、いい気なもんだな」
「そうだった。迷惑かけて、ごめんなさい」
お盆をサイドテーブルに下ろすと、仁王立ちしたまま腕を組み、ムスッとした表情のまま、こちらを見つめる。
優しく尽くしてくれているのに、私ったら笑いものにして……。
「本当にごめんなさい」
すると、遥斗が急にこちらへ歩み寄り、隣へ来て体を横たえた。
肘枕をして上半身をこちらに向け、私を覗き込んでくる。
「どうやら元気になったようだな。それじゃあ、俺が納得するようなキスをしてくれたら、許してやるよ」
「えっ!?」
一瞬にして上半身の熱が一気に上がっていく。
胸の音が激しく鳴り出し、遥斗の刺すような視線を外すことができない。
「嘘だよ。昨日みたいに顔が赤いぞ。からかって遊びたいが、熱が上がると面倒だから、今日はここまでにするか」
そう言って、起き上がると部屋を後にした。
残されたのはドキドキが収まらない私と、丁寧にカットされたフルーツだけ。
危うく嘘って言われなかったら、本当に遥斗へキスするところだった。
手に持ったフォークを一切れのリンゴに刺し、口の中へ入れた。甘くてほんの少し酸っぱい味が、口の中に広がっていく。
ベッドの中から家事をする彼の姿を眺めていると、様になってて、頼もしくて、とてもカッコいい。
ずっとこうして見ていたい……。
想いが通じてしまったのか、ドア付近にいた遥斗の背中が急に振り返り、目が合った。
ドキッとして、慌てて視線を逸らす。
こちらに近付き、手を伸ばして私の前髪をかき上げると、額同士をくっつけた。
その瞬間、まるで体の奥で電気が走ったかのように大きく疼いた。
その時、はっきりと自分の気持ちを確信する。
――――私、遥斗のことが好きなんだ……。
「熱は完全に下がったみたいだな」
それだけ確認すると、部屋を出て行った。
どうしよう……。
遥斗には、私が到底及ばない美人の彼女がいるのに。
それにこのままだと、体だけ求められて、この関係から抜け出せなくなってしまったら。
恋愛経験も大して無いくせに、私、セフレになっちゃうってこと……?
頭の中でゴチャゴチャ考えていたら、突然ドアが開き、遥斗がお盆を片手に現れた。お盆の上には綺麗にカットされたフルーツが乗っている。
「これぐらいなら食べられるだろ?」
「う、うん」
何もかも至れり尽くせりで、お姫様になった気分。
思わず、遥斗が執事の恰好をして働いているところを想像してしまった。
「ぷぷっ……」
「何を笑ってる?」
遥斗が冷ややかな視線をこちらへと向ける。
「ごっ、ごめん。あまりにも手際が良くて、遥斗が執事の恰好したら似合いそうだなって……」
「倒れた里穂を見つけた時、もの凄く焦ったんだぞ。人を笑いものにするなんて、いい気なもんだな」
「そうだった。迷惑かけて、ごめんなさい」
お盆をサイドテーブルに下ろすと、仁王立ちしたまま腕を組み、ムスッとした表情のまま、こちらを見つめる。
優しく尽くしてくれているのに、私ったら笑いものにして……。
「本当にごめんなさい」
すると、遥斗が急にこちらへ歩み寄り、隣へ来て体を横たえた。
肘枕をして上半身をこちらに向け、私を覗き込んでくる。
「どうやら元気になったようだな。それじゃあ、俺が納得するようなキスをしてくれたら、許してやるよ」
「えっ!?」
一瞬にして上半身の熱が一気に上がっていく。
胸の音が激しく鳴り出し、遥斗の刺すような視線を外すことができない。
「嘘だよ。昨日みたいに顔が赤いぞ。からかって遊びたいが、熱が上がると面倒だから、今日はここまでにするか」
そう言って、起き上がると部屋を後にした。
残されたのはドキドキが収まらない私と、丁寧にカットされたフルーツだけ。
危うく嘘って言われなかったら、本当に遥斗へキスするところだった。
手に持ったフォークを一切れのリンゴに刺し、口の中へ入れた。甘くてほんの少し酸っぱい味が、口の中に広がっていく。
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