６話　４歳

アスランは４歳の誕生日を迎え、いつもよりすこし豪勢な食事を楽しんでいると、両親から魔法の勉強のために明日から家庭教師がつくことを聞いたアスランは、子供のようにはしゃいだ。

まあ、実際に子供だからいいよね。



そんな温かい家族団らんが終わり、自分の部屋へ戻るとふと思った。





あれ、俺は転生の記憶を得てからの一年間は、勉強して妹の面倒を見ながら遊んだ記憶しかないぞ。

普通は子爵の子供としてチヤホヤされながら、友達と遊びながら充実した生活を送るのでは？今になって友達がいないことに気づいた。



あ～、俺ってボッチだったのね。

まぁいいさ。子供の頃に頑張って、将来いい暮らしをすると考えると大切な時間だったと割り切ろう。



ちなみにこの一年間でスキル吸収を使う機会はなかったのだが、アイテムBOXと鑑定のスキルを寝る前に魔力が無くなるまで使い続けた結果、今のステータスはこれだ。



【名前】アスラン・アーバイン

【種族】人間族　【性別】男性　【年齢】４歳

【称号】アーバイン子爵三男

【レベル】１

【体力】５０／５０

【魔力】８０／８０

【能力適正】Ｅ

【身体適正】Ｅ-

【魔法適正】Ｄ-

【スキル】

【固有スキル】　アイテムＢＯＸ（強）Lev：８　・　鑑定（強）Lev：８



何とスキルのレベルがあがり、さらには鑑定（強）Lev：８になった時には、固有スキルまで見れるようになっていたのだ。

通常の鑑定ではレベル１０でないと固有スキルは見れないのだが、流石はスキル強であることを認識するのであった。

また、魔力をなくなるまで使うことによって、１週間に魔力が１上がるのが確認できた。鑑定がある自分にしか解らないだろうから、他の子供より魔力は多いはずだ。またスキルを毎日使ったことで魔力適正がＤ－に上がっていたのである。ただし、レベルやスキル以外で魔力が増えるのは、アイテムを除くと子供の内にしか上がらないと言われているらしい。詳しく判明していないが、レベルが上がる以外で魔力が増えた事例は子供だけだったらしい。しかも、年齢はまちまちであることから、子供の時となっているそうだ。アスランはそれを聞いた時には、今の内に頑張って魔力を上げようと決意したのだった。





さらに教えてもらった知識では、適正の数値はＦ～Ａ、そしてＳ・ＳＳまであるそうだが、ちなみに一般的な３歳児の子供の数値は【体力】３０／３０【魔力】１０／１０だそうだ。また、適正の値はＦ～Ｆ+が多いらしい。そう考えるとアスランはスキルだけではなく、３歳の時のステータスを見ると、適正なども恵まれていることがわかったのだが、もちろんアスラン以上の適正をもった３歳の子供も少なからずいるそうだ。



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一ヶ月前の兄弟の話



ベルト兄様はアスランを見ながら真剣な顔で話かけてきた。

「アスラン、僕はもうすぐ王都の学校へ行くが、俺の才能では魔法を頑張るしかない。真面目な兄様が領主を継ぎ、僕は次男らしく卒業後は領地の手伝いを頑張るつもりだ。僕や兄様より優秀なアスランには好きに生きてもらいたいが、僕や兄様が困っていれば助けてほしい」



ベルト兄様はそう言うとアスランに頭を下げてきた。



アスランは驚き、驚愕のあまりに数秒固まったのである。

貴族の子供とは言え、たかが３男のアスランに頭まで下げてお願いするなんて。さらには将来を考え先を見通し、それを行動する行動力を考えると本当に子供かと思うほどである。

ただし、それを聞いたアスランは嬉しく思い言葉を紡いだ。



「ベルト兄様、頭を上げてください。もちろん家族が困っていれば犯罪以外なら、いくらでも助けますよ。それにお兄様方がいれば領地は安心なので、僕は冒険者になろうと考えています」



初めてアスランは他の人に冒険者になりたいことを伝えたのであった。



ベルト兄様は、ビックリしながらも真剣に話を聞いてくれた。そして、また話だした。

「正直、兄様とアスランが継承争いをしたらどうしようかと悩んでいたんだ。でも、アスランの話を聞いて、僕は安心して王都の学校にいけるよ。有り難う。」



アスランはそんな話をベルト兄様と話ながら、アーバイン家に転生できたことを転生神に感謝をしたのであった。



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そんな話を思い出しながら、アスランは明日の魔法の授業に期待を膨らませながら目を閉じたのであった。