あの瞬間キミに恋した

桜川椿

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おじさんと昔会ったことあるの?




全然覚えてないや・・・。




「そっか・・・それは残念だ。あの時君は小さかったから仕方ないか・・・」と言って笑うおじさん。


「すみません一条さん」と謝るお父様。


「いやいいんです。これからよろしくね紗羅ちゃん」


「よろしくお願いします」と笑顔で答えた。


「しかし驚いたな。紗羅ちゃん綺麗になってて、もちろんあの時の君も可愛かったけどね」


「そっ・・・そんなことないです!!!」と私は照れながら否定した。


「そうだ君に紹介したい者がいるんだ。空こっちに来なさい」とおじさんが誰かを呼んだ。






そして現れたのは、さっきの美形の男の子だった・・・。


「あ・・・あなたさっきの・・・。」


「ん?紗羅ちゃん空を知っているのかい?」


「いえ・・・さっきちょっと会っただけです」


「ははっそうか。そういえば空と紗羅ちゃんは昔仲よかったよね。覚えてるかな?」


「いえ・・・」








全然覚えてないんですけど・・・。






「そうか。それは残念だ。空は私の息子なんだ。これからよろしくね紗羅ちゃん」


「紗羅ちゃんさっきはどうも。改めて
一条いちじょうそらです紗羅ちゃんよろしくね❤」とウインクをしてきた。








なんなんだコイツは・・・ウインクまでして・・・軽すぎ!!!






「よ・・・よろしく・・・」と私は顔を引き攣らせながら言った。






って言うか、よろしくしたくないんだけどな・・・。




ん?ちょっと待って・・・一条ってもしかして・・・あの有名な一条なんじゃ・・・。




有名な一条とは・・・愛野財閥とも同じくらいの地位にある家柄のこと。


そっか、そうだよね・・・。
愛野家ってお金持ちなんだもんね・・・知り合いが一条でもおかしくないんだった・・・。


「紗羅ちゃんちょっと付いてきてくれる?」と一条空が言った。






はい?何で私があなたに付いて行かなきゃいけないの?






でもお父様もお母様もコイツの親の一条さんも見ているわけで・・・断れるわけもない・・・。






「あ・・・はい・・・」とムカつく人・・・もう呼び捨てでいいや!!空の元に行った。




そして空に手を引っ張られて廊下に出た。




「ちょっと・・・痛いってば!!!離してよ!!」


「ああ悪かったね」と、これまた胡散臭い笑顔で言う空。


「そうだ・・・紗羅ちゃん本当に俺のこと覚えてないの?」


「うんごめんなさい・・・」


「そっか・・・」と空は悲しそうな顔をした。






そんな顔もするんだ・・・。




そう思っていると「紗羅」と櫂斗の声が聞こえた。






あっ櫂斗だ❤




「櫂斗来てくれたんだね。ありがとう♪」


「ああ。紗羅ドレス似合ってる❤」






きゃあ~~~櫂斗に褒められちゃった!!!






すっごく嬉しい♪

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