あの瞬間キミに恋した

桜川椿

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「紗羅泣いちゃダメよ。血は繋がってなくたって私達はずっと家族よ」




「そうだ紗羅母さんの言った通りだ。お前は可愛い娘だからな」




「ありがとうお父さんお母さん」






たった今まで血の繋がったお父さんとお母さんだと思ってた。






でも、施設にいた私を愛して育ててくれたのは目の前にいるお父さんとお母さんだ。








血は繋がってなくても私の大切な家族だよ。お父さんお母さん・・・。






「紗羅・・・まだ大事な話があるんだ・・・」








え?まだあるの?








じゅうぶんすぎるくらい私には衝撃的な話だったのに、まだ何かあるの?






「実は・・・紗羅の本当の両親がわかったんだ」








!!!!!






本当の両親って、血の繋がったお父さんとお母さんってこと?






ちょっと待ってよ。話勝手に進めないでついていけないじゃない。






そしてお父さんは私に驚くことを言った。






「お前の本当の父親は目の前にいる愛野さんなんだ」








はい?






お父さん今なんて言ったの?






私の本当の父親は晃君のお父さんだって・・・。






えええ~~~っ!!!!!
って言うことは・・・おばさんが私の本当のお母さんで、晃君はお兄ちゃんって言うことになる・・・。






「本当なの?」




「ああ本当のことだ」




「紗羅ちゃん、君に会ったのは本当に偶然なんだよ。晃が同じクラスに母さんに似ている女の子がいるって聞いて会ってみたかったから晃に頼んで君に来てもらったんだ。それで君に初めて会った時、母さんにそっくりな君が気になった。そして君の髪の毛と私の髪の毛をDNA鑑定に出した・・・。勝手にしてすまない・・・」とおじさんは真剣な目をして言った。






そうだったんだ・・・。






「謝らないで下さい。私達も紗羅の本当の両親を探していましたから・・・」とお父さんが言った。




え?探してたって本当に?




「ずっと探してたの?」とお父さんに聞いた。




「ああ、いつかは紗羅が養子だってことを話そうと決めてたんだ。で、その時に紗羅が本当の両親に会いたくなると思って今まで探してたんだ」






「そうだったんだ・・・。でもどうして私は施設にいたの?」

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