あの瞬間キミに恋した

桜川椿

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「それに紗羅と結婚するかも、わからないので」




ん?いまなんて言ったの櫂斗?
私と結婚するか分からないって!




ええ~~~っ!!!






櫂斗は私と結婚するんじゃないの?
って今すぐじゃなくて将来的には・・・・。
違うの?
私じゃ嫌とか?
私は櫂斗以外の人と結婚なんて考えられないのに・・・。






「では僕は用事があるので失礼します」




え?ちょっと櫂斗どこ行くのよ?
私1人残していかないでよぉ~~~!!!!!
ってか言い逃げするなんて・・・許せない!!!




「紗羅ちゃんごめんなさいね。あの子口が悪くて。でも紗羅ちゃんのことが好きってことは本当よ」


「はい・・・」






マジで凹んできちゃった・・・。
後で櫂斗とちゃんと話ししないと!
うん、ファイトよ紗羅!
その夜・・・。




「紗羅、櫂斗君とどうなってるのよ?」




どうなってるって?それは私が櫂斗に聞きたいくらいです。




「だからちゃんと付き合ってるって言ってるじゃない!!」


「ほんとうにぃ?」


「うん」


「じゃあなんで櫂斗君は紗羅と結婚したくないのかしらねぇ・・・」


「高校卒業してすぐに結婚なんて言うからだと思うよ、お母さん」


「ええ~~~私は早く結婚して欲しいのにぃ~~」と子供みたい駄々を捏ねた。




お母さんって・・・本当変わった人だよ。普通娘を10代でお嫁に出す?普通の親だったら、そんなこと思わないよ。うん。




「ねぇお母さん、どうしてそんなに早く結婚して欲しいわけ?」


「決まってるじゃない。早くしないと櫂斗君他にいい子みつけるかも知れないじゃない」




うっ!!絶対に無いとは言いきれなくて悔しい!!!
だって櫂斗ってモテるし。
それに、こんな平凡な私と付き合ってること自体が奇跡みたいなのかも・・・。




「紗羅・・・紗羅ってば!!!」


「え?なにお母さん」


「とにかく私は櫂斗君じゃなきゃ、や・あ・よ!!!分かった紗羅」




私だって櫂斗じゃなきゃ嫌だよ!!!




「うん、分かった」


「ちゃんと櫂斗君繋ぎ止めておきなさいよ紗羅」


「うん努力しまぁす」


「ならOK~~♪これから先が楽しみだわぁ!!」




お母さん、私はこの先すっごく不安です・・・。




そして次の日の朝になった。




今日の私はというと、一睡も出来なかった。
なぜかって?それは昨日の櫂斗の言った言葉のせい・・・。


「紗羅と結婚するかも分からない」
その言葉が頭から離れず眠れなかった。






早く櫂斗に会いたい、会って理由を聞かなくちゃ。


櫂斗・・・迎えに来てくれるのかな?




そして私は部屋を出て階段を降りた。


「お母さんお父さんおはよう」


「おはよう。ん?なんか元気ないぞ、なんかあったのか?」とお父さんが心配そうな顔で言った。


「櫂斗君とちょっとケンカしちゃっただけよね、紗羅!」


「うん。そうなの」


お母さんフォローありがとうね。


「そうか、でもケンカっていうのは決して悪いことばっかりではないんだよ」

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