あの瞬間キミに恋した

桜川椿

73

新学期始まって、まだ1日なのにこれから先が思いやられるなぁ・・・。




それから時間は過ぎ、下校の時間になった。


「紗羅、愛しのダーリンと帰るの?」




ダーリンって、よくそんなに恥ずかしいこと言えるよねマリは。


マリに一々突っ込むのも、面倒だから ここは、うんって言っとこう。






「うん、じゃあまた明日ね~マリ」


「紗羅、素直でよろしい。また明日ね~」






マリに別れを告げた後、櫂斗を迎えに5組へ向かった。




5組へ行った私は櫂斗を呼んだ。


「櫂斗!!」


「紗羅か、そろそろ帰ろうぜ」


「うん。で、あの子と何話してたの?」




さっきまで可愛らしい女子と櫂斗は、なにやら楽しそうに話をしてて、私は気になって仕方が無い・・・。






「ん?なんだ?ヤキモチか紗羅?」と嬉しそうに私に言う櫂斗。






はいそうですよ。思いっきりヤキモチですよ!
私だってヤキモチくらい焼くんだからね櫂斗。
本当のお餅が焼けちゃうくらいにさ!




そうだよ、わるい?」と櫂斗を睨んだ。




すると櫂斗は「何か今日の紗羅素直で可愛い」と言って抱きしめてきた。




え?櫂斗、急に抱きしめないでくれる?




みんな見てるんだから。


「櫂斗やめてってば、みんな見てるから」


「ああそうか!そうだったな、あははっ」




って笑いごとじゃないって!






そして誰かの視線に気付く




その視線の先には、愛野君がいた。






「渋谷さん今から帰るの?」


「うん愛野君も?」


「うんそうだよ」


「なぁ紗羅コイツ誰?」


「今日転校してきた愛野君、私と同じクラスなの」


「愛野晃です。君岡田君だよね、よろしく」


「え?ああ」




ん?櫂斗それだけ?もっと愛想よくしなきゃダメじゃない。




「そして渋谷さんの彼氏だよね?」


「うんそうだけど」




な~んか嫌な予感がしてきた。




「そうだ俺は紗羅と付き合ってる。それがどうしたんだ?」


「怖いなぁ・・・なんでもないよ。聞きたかっただけだから」




「じゃあ僕そろそろ帰るよ。渋谷さんまた明日」と私に笑顔で言って去っていく愛野君。




「なぁ紗羅アイツなんなんだ?」




なんなんだ?と聞かれても私にも、よくわからないんですが。




「え?さぁ?私にもよくわかんないけど」


「なんかムカつく奴なことは確かだな」


「そう?優しいけどなぁ」

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