あの瞬間キミに恋した

桜川椿

62

そして櫂斗の唇と私の唇が重なった。


「んっ・・・ふっ・・・」


優しくキスしてくれる櫂斗。


そして、だんだん深いキスになっていく・・・。


ふぅ・・・苦しい・・・。息が続かないよ・・・。


そして我慢出来なくなった私は、口を開けた。


その隙に櫂斗の舌が私の口の中に入ってきた。


「んんっ・・・ちょ・・・かい・・と・・」


ひゃあ~~~!!なにこれ?どうなってんの?


こんなキス知らないよ・・・私・・・。


恥ずかしすぎて、おかしくなりそうだよ・・・。


そして私は我慢できなくなって櫂斗の背中をドンドンと叩いた。




「ん?どうしたんだよ、紗羅?」


「どうしたって・・・その・・・優しくしてって言ったじゃない!!!」


「だから優しくしてるだろ?」


「どこが優しいのよ~~・・・舌まで入れたくせにぃ~~!!!」


「ん?でも気持ちよかったんじゃねぇの?紗羅」とニヤリと微笑む櫂斗。




うっ・・・。そりゃあ・・・気持ち良くなくもなかったけど・・・って、そんな恥ずかしいこと口に出来るかぁぁ~~!!!




「ははっ。顔真っ赤で可愛いなぁ紗羅は」


「ムゥ!!!そんな言葉でごまかされないんだから!!私はこんなキス慣れてないから、どうしたらいいかわかんないんだってば・・・」


「ははっ。大丈夫大丈夫。紗羅もそのうちキスすんの気持ちよくなってくるからさ」


はぁぁ~。どこから、そんな自信が出てくるんだか。


「気持ちよくなんてならないから!!ベーッ」と舌を出した。


「ムカついた!!!絶対に気持ちよくさせてやるから覚悟しろよ紗羅!!!!!」






ヤバイかも。櫂斗・・・なんか1人で燃えてるし・・・。


まっいっか・・・。そのうち忘れるだろうから。あはは。




そして時は経ち、私の家に着いた。


ちぇっ・・・もう家に着いちゃったよ・・・。もうちょっと櫂斗と一緒にいたかったのにな・・・。




「なぁ紗羅・・・」


「ん?なにどうしたの?」


「俺らもうカレカノだから、浮気とか禁止な」


はぁぁ~~~?浮気って・・・アンタ・・・・。するわけないじゃん!!!しかも・・・もうカレカノって・・・早っ!!でも、本当は嬉しい私。




「櫂斗なに言ってんの?私が浮気なんてするわけないじゃん!!!大体櫂斗の方がするんじゃないの?」


「なに言ってるんだよ、俺は紗羅にぞっこんなんだから、そんなバカなことしない」と爽やかな笑顔で言う櫂斗。


ぞっこんって・・・・。古っ!!今の時代にそんなこと言うヤツがいるなんて・・・ってここに1人いたけど・・・。あはは。




「あっそっ!でも私の方が櫂斗のこと好きなんだからね!!!」


「いいや・・・俺の方が100万倍紗羅のこと好きだから。お前には好き度は負けない!!!」と自信たっぷりの顔で言う櫂斗。




100万倍って・・・櫂斗どこまで私のこと好きなの?でも、絶対に私の方が櫂斗より好き度は上だよ。こっちも自信あるんだから!!!




心の中でそんなバカなことを考えていた私。

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