あの瞬間キミに恋した

桜川椿

36

「よろしく・・・」と言ってタクヤ君の手をつよ~~く握った櫂斗。


ん?櫂斗・・・強く握りすぎじゃないの?
今日の櫂斗は、変だ!!
なんか、機嫌悪いし・・・。


「櫂斗、仲良くしてよね・・・」


「こんなヤツと仲良くなんてしたくない」


「もうっ櫂斗!!! タクヤ君ごめんね」


「ううん、いいよ。気にしないで」と苦笑いをしたタクヤ君。


「じゃあ、僕そろそろ戻るね」


「うん、また明日ね~~」と言い、笑顔で微笑んだ。


「仲いいんだな・・・」とボソッと小さな声で櫂斗がつぶやいた。


「うん、仲いいよ。毎日遊んでるし。タクヤ君すっごく優しいんだ」


「あっそ!!!」


なにそれ?なんでそんなに不機嫌になってるのよ!!
櫂斗がお見舞いに来てくれて、すごく嬉しかったのに。


「櫂斗・・・タクヤ君が気に入らないの?」


「あったりまえだろ!!」


「なんで?優しくていい子なんだよ?」


「そんな事は関係ない。ただアイツが嫌いなだけ!!」


は?どういうことだろ?
ただ嫌いなだけって・・・理由になってないんですけど。


わっかんないなぁ。まぁ櫂斗の言う事は、いつも、わかんない事だらけなんだけど。あはははっ。


「この話は終わり!!ほら、ノート」


ええええぇ~~~、勝手に話終わらせないでよ!!まぁ、櫂斗らしいんだけどね。


「ありがとう。ノート取っといてくれたんだ」


「ああ。だってお前、頭悪いから、仕方なく俺様がノート取っといてやったんだよ」


くっそぉ~~~、ムカつく!!


「それはそれは、ありがとう。感謝してま~す」と舌を出してベェーっとしながら櫂斗に言った。


「言ったな~~紗羅!!」と櫂斗は私の頬をつねりながら言った。


「あははははっ」と私達は笑い合った。


こういうくだらないケンカを櫂斗としてる時間が、私はすごく好きだった。

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