あの瞬間キミに恋した

桜川椿

35

「ねぇ、キミも入院するの?」と可愛い顔をした男の子が話かけてきた。


「うん、今日から入院するの」


「そっか・・・。僕は相沢タクヤ。キミの名前は?」


「私は渋谷紗羅。よろしくねタクヤ君」と笑顔で言った。


「こちらこそ、よろしくね紗羅ちゃん」


私達は同じ病室で、それから毎日タクヤ君と一緒に遊んでた私。
トランプしたりゲームしたりお喋りしたり。
そして入院してから、しばらく経った頃。
その日も、私はタクヤ君と一緒に遊んでた。


「やったぁ!!私の勝ち~~」


「ちぇ・・・紗羅ちゃん強すぎだよ~」と、しょんぼりした顔で言うタクヤ君。


「ふふふっ、タクヤ君って神経衰弱苦手なんだね」


「・・・。次は絶対に勝つからね!!」と頬を膨らませながらタクヤ君が言った。




そんな時
「紗羅?いないの?」と聞き覚えのある声が聞こえた。




この声は・・・櫂斗だ!!
いっけない、早く行かなきゃ!!!
私は、どこにいるのかと言うと・・・タクヤ君のベッドにいた。


いつもは、タクヤ君が私のところまで来てくれてたんだけど、いつも来てもらったら悪いなと思って、今日は私がタクヤ君のところに行ったんだ。


そして、自分のベッドに急いだ私。


「櫂斗~~」


「紗羅、どこ行ってたんだよ?」


「ごめん。友達のところで、遊んでたの。それより、櫂斗来てくれたんだね。嬉しいよ私」と笑顔で言った。


「べ・別に来たくて来たわけじゃないんだけど」


「もう~~、素直じゃないんだから!!」


「紗羅ちゃん」とタクヤ君がやって来た。


「あっ、タクヤ君」


「誰だよ、コイツ」


櫂斗・・・なんか怒ってる?ってか口悪いよ。


「さっき言った、友達。タクヤ君って言うの」


「タクヤです。キミは?」


「櫂斗って言うの。私の幼なじみなんだ」


「そうなんだ。よろしくね櫂斗君」と櫂斗に手を伸ばしたタクヤ君。

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