あの瞬間キミに恋した

桜川椿

32

そして本を直し始めた私。
すると突然誰かに話かけられた。


「ねぇねぇ、3組の渋谷さんだよね?」


誰だろう?
ってか、すごく可愛いんですけど。
男の子だよね?男子の制服着てるし。
女の子かと思っちゃったよ。
羨ましいくらい可愛いし・・あはは。


「うんそうだけど、あなたは?」


「え?俺?俺は4組の花山薫はなやまかおる


ぷっ!かおる?女の子みたいな名前だ!!でも似合ってて、つい笑っちゃった。


「おい!!今笑っただろ?ちゃんと見てたんだからな!!」


「あっごめんなさい。いや名前があまりにもピッタリだったから。あはは」


「お前・・・ムカつくヤツだな!!」


ん?怒ってる?怒っちゃってるの?
花山君でも、怒ると怖い顔になるんだ・・・。って怒ってるんだから、当たり前なんだけどさ・・あはは。


「ゴメン。改めて、渋谷紗羅です。よろしく~」


「ふん!!二度と可愛いなんて思ったり言ったりするなよ、わかったな!!」


「どうかなぁ~~また言っちゃうかも~~」


「おい!紗羅、いいかげんにしろよ!!」


「はぁ~い!ラジャー!!って言うか、勝手に呼び捨てにしないでよね!!」


「はははっ、お前なんか、呼び捨てで十分なんだよ!!」と偉そうに私に言った。


「あっそ!!じゃあ私は、薫ちゃんって呼ぶね!」と、薫ちゃんにウインクをしながら言った。


「紗羅、お前俺をからかってるのか?」


「いえいえ、めっそうもございません」


「ふざけんなよ紗羅!!薫って呼べ!いいな!!また、その呼び方したら、張り倒すから覚えとけよ!!」


うっ!!怖~~!!マジでその顔は怖いよ、薫君!!


「わかったから、怒らない怒らない」


「怒らせてんのは、何処のどなたさんですか?ったくよぉ・・・」


「んじゃあ、お言葉に甘えて薫って呼ぶね」


「最初から、そう呼べばいいんだよ。ったく手間かけさせやがって!!」


それにしても薫って口悪いなぁ。
櫂斗と良い勝負って感じだよ、あはははは。

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