あの瞬間キミに恋した

桜川椿

28

すると・・・すごく視線を感じる私。
そう、通りすがりの女の子達にガン見?されてるんだ。
そうだよね。なんで私が拓哉君と一緒に帰ってるんだろ?って思ってるに違いない。


櫂斗と一緒に帰るだけでも、女の子から睨まれるくらいだし。
拓哉君はすっごくかっこいいし。私とは、つり合わないよね?
そう思ってると拓哉君が心配そうに聞いてきた。


「紗羅ちゃん?どうしたの?暗い顔して」


え?私そんなに暗い顔してたんだ・・・。そのことに自分でビックリしてしまう私。


「アハハ。大丈夫だよ!拓哉君。心配してくれてありがとう」と笑顔で言った。


だけど拓哉君が人気あるのって、すっごくよくわかる。
顔がイイだけじゃなくて、性格もすっごくいいもん。
優しいし、しっかりしてて頼りになるし、何より拓哉君を見てると、すっごく穏やかな気持ちになる。
拓哉君はそんな雰囲気ふんいきを持ってる人なんだ!!


櫂斗は、俺様~~~!!な性格だし。優しいかと言えばそうでもないし、しかもイジワルだし。
うん、拓哉君は櫂斗とは、正反対だよ。アハハ!!


ふぅぅ~~~。でも拓哉君と並んで歩いてると、すっごく実感することが1つある。


そう・・・私はすっごく背が低いんだ。
150cmしかないから。だから180cmもある拓哉君とは30cmの身長差があるの。(櫂斗とでもそうなんだけど)
だから、拓哉君といると、私が更に小さく見えるってわけ。
って、なに拓哉君のせいにしてるのよ!!!
拓哉君が悪いわけじゃないのに。ただ、私が小さすぎるだけ!!
でも、気になる私は拓哉君に聞いてみた。


「拓哉君あのね・・・」


「ん?なに?どうかした?」と優しく言ってくれる拓哉君。


「ほら、私すっごく小さいでしょ?だから私と並んでると拓哉君がイヤなんじゃないかと思って」


「紗羅ちゃん、そんなこと僕は思ってないよ。身長差がいくらあったって、紗羅ちゃんとなら気にならないから心配しなくていいよ」と優しい笑顔で言ってくれる拓哉君。


「ホントに?ありがとう拓哉君。そう言ってもらえて、すっごく嬉しい。私・・・」


「そういえば、明日からだよね。図書委員活動」


「うん。ふつつか者だけど拓哉君よろしくね」


「あははっ、こちらこそ」と私達は笑い合った。


そうこう言っているうちに家に着いた。


「拓哉君ありがとう。ここが私ん家なの」


「いいえ、どういたしまして」


そういえば拓哉君の家ってこっち方面なのかな?と気になり聞いてみた。


「拓哉君の家ってこの近くなの?」


「うん、ここからもう少し行った所だよ」


「そうなんだ、知らなかった。近かったんだね!!」


「うん、僕もこんなに近いとは思ってなかったよ」


「それじゃあ私帰るね。拓哉君また明日」


「うん紗羅ちゃんまた明日ね」


そして私は家に入り、拓哉君は自転車で自分の家に帰って行った。

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