あの瞬間キミに恋した

桜川椿

25 ☆櫂斗視点☆

俺は今、すごく後悔をしていた・・・。
そう、さっき紗羅に、なんでアメリカに引っ越す時に私に何も言ってくれなかったの?と・・・。


紗羅には1番聞かれたくないことを聞かれ、戸惑った俺は紗羅に言いたくなかっただけ・・・と紗羅にキツク言ってしまった。
あんな言い方するつもりなんて、なかったのに。


そして、俺の言葉に怒った紗羅は家を飛び出して行った。


本当の理由を言ったら、紗羅はどういう反応をするのかが、怖くて言えなかったんだ。


俺は日本に戻ってきて、紗羅に会えて紗羅と家も近くて学校も同じでクラスも同じで、紗羅と登下校もできてそれが嬉しくて、浮かれすぎてたのかもしれない。


1番大事なことを言うのを忘れてた。


そう、俺は紗羅の事が好きなんだ。


昔から・・・。
紗羅に初めて会ったあの瞬間から。


一目惚れだった。


アメリカに行ってからも、ずっと紗羅のことが忘れられなかった。
何年も経てば、紗羅への思いもなくなると思っていた。
だけど無理だった。
時が経てば経つほど、紗羅への思いは膨らんでいった。
なんて女々しいんだ!!俺は。
女なんて、いっぱいいるじゃないか。


でも俺は紗羅じゃないとダメなんだ。


そう、あの約束をした日から。


幼い頃に紗羅に約束した。
ずっと側にいて、紗羅を守ると。
今でも、心にこびりついて消えない約束。


守ってやると言ったのに、俺が・・・俺自身が紗羅を傷つけるなんて。


こんなことになるなら引っ越す時に、ちゃんと紗羅に言っとけばよかった。
あの時ちゃんと紗羅に伝えてたら・・・ケンカなんて、しなくてすんだのにな。
俺ってホントにバカだな・・・。

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