あの瞬間キミに恋した

桜川椿

21

そして家の近くまで来た所で、急に誰かに呼ばれた私。


「紗羅~~櫂斗君~~」


うっ!やっぱり、お母さんだ。


「お母さん、どうしてここに?」


「そろそろ紗羅と櫂斗君が帰ってくる頃だと思って、待ってたの」


は?待つ必要ないと思うよ?お母さん。
な・・・なんか、イヤ~な予感が。


「おばさんこんにちわ」


「櫂斗君、いつもありがとう。これからも紗羅をよろしくね」とお母さんはウインクをしながら言った。


おいおい!!いい歳してウインクはないでしょ。


「はい、まかせて下さい」と笑顔で言う櫂斗。


お~い!!櫂斗!!なに言っちゃってんのよ。
不覚にも・・・少し嬉しいと思っちゃったじゃんか。


「そうだ櫂斗君、うちで夕ご飯食べない?今日はりさちゃんいなくて、櫂斗君1人でしょ?」


りさちゃんって言うのは、櫂斗のお母さんの事なの。


「はい、じゃあお言葉に甘えます」


「うふふっ、嬉しいわぁ。櫂斗君がうちに来るなんて久しぶりだものね」


そうして、櫂斗と一緒に夕ご飯を食べる事になった。
そして、家に到着。


「ただいま~」


「さぁ櫂斗君入って入って」


「おじゃましま~す」


「今日の夕ご飯はね、カレーライスで~す」


「カレーライス♪ヤッター!!!」と叫ぶ私。


そう、私はカレーライスが大好きなんだ。


「今から作るから、楽しみにしててね~」


「は~い」と私は元気よく返事をした。


「紗羅、カレーがそんなに嬉しいのか?子供だな」


「うん、悪い?大好きなんだから」と頬をふくらませながら櫂斗に言った。


「それじゃあ、私自分の部屋に戻るから カレー出来たら呼んでね!お母さん」


「うふふ、わかってるわよ」


自分の部屋に到着~~~。
あ~、やっぱり自分の部屋は1番落ち着く~~~。
そして、ベッドでくつろいでいると、誰かに話しかけられた。


「おっ、結構片付いてるんだな。」


振り返ると、櫂斗だった・・・。


「ちょ、ちょっと・・・櫂斗勝手に私の部屋入って来ないでよ」


「おばさんが、紗羅の部屋でくつろいでて~~って言ってたから、来てやったんだよ」と、またもや ニヤリと笑って言った。

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