あの瞬間キミに恋した

桜川椿

14

「お母さん行ってきま~す」


「いってらっしゃい」


元気よく家を出たら、櫂斗がいた・・・。
なんでいるかな。まぁ一緒に学校に行くんだけどさ。
はぁぁぁ・・・。憂鬱。


「おはよう 」


「おはよう・・・」


「なんだよお前、露骨にイヤそうな顔しやがって」


「悪い?昨日いろんな事があったから」


う~ん。櫂斗はあのコト知ってるのかな?
聞いてみたいけど・・・聞き辛い内容だもんなぁ。と考えてそして、ジーっと櫂斗を見る私。


「なんなんだよ紗羅 もしかして、俺がカッコ良すぎるから、そんなに見てるのか?」とニヤニヤしながら言った。


「そんな訳ないじゃん!自惚れないでよね」


「っと、ヤバッ!!紗羅、早く行かないと遅刻するぞ」


「わかってるわよ」と櫂斗に言いながら自転車に乗って学校に向かった。


そして学校に着いた。


「紗羅~~、おはよ~~~」


「マリおはよ~」


「櫂斗君もおはよう」


「七瀬さんおはよう。今日も綺麗だね」と櫂斗は、さわやかな笑顔で言った。


コイツ、また言ってるよ。
まったく。綺麗な子には、これなんだから・・・。
私にも、少しくらいは優しくしてくれてもいいじゃん。
でも、櫂斗が急に優しくなるってのも、逆に怖いような・・・アハハハハ・・・。


「ありがとう櫂斗君」


「紗羅、俺先に教室に行くからな」


「お先にどうぞ~~~」と私は櫂斗に嫌味っぽく言った。


それからマリは小声で私に聞いてきた。


「昨日は、どうだった?まっ!今日もだけど」


「は?なにが?」


「アンタ、なにがって、櫂斗君に決まってるじゃない」


「別に・・・何もないよ」


さすがに、例の件はマリにも言い辛いしね。マリに言ったら、また色々とツッコまれそうだし。


「本当に~~?なんか怪しい・・紗羅、私に隠し事はダメだからね」


うっ!!!怖い、ダメだ。マリには嘘はつけない。仕方ない素直に言うか・・・。


「わかったわよ!!ちゃんと言うから。ねっ!マリ」


「ふふふっいい子ね!紗羅♪」


はぁぁ、マリってうちのお母さんより、ある意味怖いかも。
それから、私達は教室に向かった。

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