あの瞬間キミに恋した

桜川椿

10

「櫂斗君だったらOKよ~~紗羅♪」とお母さんが言い出した。


「何がOKなの?お母さん」


「だからぁ・・結婚相手よ~!け・っ・こ・ん・あ・い・て」


「はぁぁ?なんで結婚?」


「だって!櫂斗君カッコいいし、紗羅とは仲いいしね」


ふぅぅ、お母さん一体何考えてんの?
私と櫂斗が結婚なんて、するわけないじゃん!!




怖いこと言わないでよ。


「お母さん櫂斗とは、なんでもないから誤解しないでよね」とキツクお母さんに言った。


「そうなの~?残念だわ・・・でも諦めないからね~紗羅」


うっ!なんで諦めてくれないかなお母さん・・・。


ヤバイ!!この展開はヤバイ!!!。


もし、この話をお母さんが櫂斗の両親にしちゃったとする。
で、櫂斗の両親がOKしちゃったりなんかしたら
確実に櫂斗と結婚させられてしまうじゃんか!
しかも、櫂斗の両親と私の両親は、すっごく仲が良いから。
下手したら、本当に結婚・・・なんて事になりかねないかも!!


そんなのイヤだ~~~!!絶対にそれだけは阻止しないと。


「お母さん何考えてるのよ。変なこと言わないでよ」


「そうそう、そんなことより紗羅にお願いがあるのよ」


「ん?なに?」


「櫂斗君ちに、コレ持って行ってちょうだい」とお母さんから、紙袋を渡される。


「これなに?お母さん」


「それはね~また櫂斗君とご両親にお世話になるから、末永くよろしくっていう意味で鯛なの」


「もしかして・・・めでたいと、鯛をかけてるとか?」と私は引き気味にお母さんに聞いた。


「うふふっ、紗羅の言うとおりよ。さすが私の娘だわ~!すぐに分かるなんて」


あははははっ・・・・。
やっぱりそうだったのかぁ。
って言うか、それオヤジギャグじゃん・・・アハハ。


誰だって気づくって、お母さん。
仕方ない。持って行くか。
すんごく気がのらないけど。
でも、櫂斗のおばさんやおじさんにも久しぶりにお話したいしね。


そして櫂斗の家に向かった私・・・。

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