あの瞬間キミに恋した

桜川椿

そんな事を思ってると先生が入ってきた。


「みんな初めまして 今日から君達の担任になる、遠藤康志えんどうやすしだ。よろしくな」




歳は30歳前後で爽やかな感じ。


うん、優しそうな先生でよかったかも~~。


「それじゃあ、みんな初めてだから自己紹介始めようか」と先生が言った。


うう~~~っ!自己紹介か、苦手だよ。
次は私の番だ。ダメだ、すごく緊張してきちゃったよ。
何て言おうかな?と考えていると。


先生がお~い!次は渋谷の番だぞ!って言って私は自己紹介を始める。


「はじめまして、渋谷紗羅です。みんな仲良くしてくれると嬉しいです」


と私が言うとクラスのみんなが、プッと笑い出した。


「今時そんな自己紹介するのって渋谷くらいしか、いないんじゃないの?」とクラスの男子が言って、みんなが、うんうんと頷いて納得をした。


え?私なんか変な事言ったのかな?と
マリの方を見たら、マリも私を見て爆笑してる。
マリも何一緒に笑ってるのよ!!!
ふと、隣のアイツが気になりチラッとみてみたら
アイツも笑っていやがる!!しかも・・・不適な笑みで。
めっちゃムカつく~~~!
そして、すごく恥ずかしくなった私は耐え切れなくなって、うつむいた。


じゃあ渋谷の自己紹介は終了~~。
次は瀬川の番だぞ~っと先生は言った。


はぁぁ・・助かった。
でも恥ずかしいから、今すぐにでも教室を飛び出したい気分の私だった。


「瀬川愛子です、みんなよろしくね」と可愛く自己紹介をした。


そっか!私もあんな風にすればよかったんだ。
それにしても、瀬川さんって可愛い。
いいな、あんなに可愛くて!お友達になれるといいなぁ。
そして次は、マリの番・・・。


マリは「七瀬マリです。みんなよろしくね~っ」と可愛い声で言って最後にウインクをした。


マ・マリあんたって子は、なんていう自己紹介をしてんのよ!と私は心の中で叫んだ。
私には絶対に出来ない芸だ!マリってすごい。


その途端男子からは「うっひょ~~っ!すっごく可愛いじゃん七瀬っ」て言う声がたくさん聞こえてきて。


女子からは「なにあれ~~?ちょっと可愛いからってさぁ~っ」て声がちらほらと、聞こえてくる。


マリ・・あんた・・女子を敵に回しちゃったんじゃないの?と思う私・・何かあっても知らないぞ。

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