あの瞬間キミに恋した

桜川椿

「紗羅~~~起きなさい!!学校遅刻するわよ~~」と、お母さんの大きな声で目覚めた私。


ん??はっ!
今日は高校の入学式だった。
ふと時計を見ると7時50分!
ヤバイ・・・大切な入学式だって言うのに遅刻しちゃう~~。
私は制服に着替えてキッチンへと向かった。


「お母さん、何でもうちょっと早く起こしてくれなかったのよぉ~~」


「何回も起こしたけど、紗羅が起きなかったんじゃないの」とお母さんが呆れたようにつぶやく。


「あっ!お父さんおはよう~」


「紗羅おはよう。でも・・・今日から高校生なんだから、自分で起きれるようになるんだよ紗羅」と優しく笑顔で言ってくれた。


「うん、ありがとう。お父さん」


「もう~!!お父さんは紗羅に甘いんだから」と頬を膨らませて言うお母さん。


お父さんは、いつも優しい。
しかも、カッコいいし!!
サラリーマンしてる。ちなみに、部長。
お母さんは・・・少し天然で、おっちょこちょいなの。
でも、お父さんの事が大好きなんだなって伝わってくる。
可愛いお母さん。
だからお父さんは、お母さんの事をほっとけないんじゃないんじゃないかと思う。
今でも、お父さんとお母さんは仲良しで、娘の私からみても憧れちゃう。
私も、こんな家族を作りたいな。


はっ・・・!!
こんな事言ってる場合じゃあない!


私は急いで玄関に向かうと
お母さんとお父さんがお見送りをしてくれた。


「紗羅、行ってらっしゃい」とお父さんお母さんが言う。


私はお父さんとお母さんに元気よく
「行ってくるね~っ」と言って自転車に乗って学校に向けて走り出した。


学校は自転車で20分近くの所にある。
今からだと、ギリギリ間に合うか間に合わないかの距離だ。




そして・・・やっと学校に到着!
私はなんとか、入学式に間に合ったようでホッと肩をなでおろした。




こんな、しんどい思いをするのは
イヤだから、明日からは早めに起きようと心に決めた。

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