格闘チャンプの異世界無双 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無双する〜

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

58話 報酬を受け取る

 冒険者ギルドでゴブリンキングやゴブリンエンペラーの討伐を報告しているところだ。
 俺の冒険者ランクをCランクに上げてくれるそうだ。

「さて。では早速ですが、本日の成果を査定したいと思います。よろしいでしょうか?」

「ああ。問題ない。しっかり頼むぞ」

 俺は金にあまり興味がない。
 しかし、行商人の娘エミリーや孤児院の少女レオナ、それに村に残してきたフィーナたちに適切に援助してやるためにも、ある程度の金は必要だ。
 金はあるに越したことはない。

「お任せください!」

 受付嬢は笑顔になり、テキパキと仕事を片付けていく。
 やがて、報酬のお金が入った布袋がカウンターに置かれた。

「こちらが、今回の討伐に対するリキヤさんの正当な評価額となります!」

「ふむ」

 俺は袋の中身を確認する。
 金貨が100……いや、200枚以上入っていた。
 三馬鹿たちにもそれぞれ袋が渡されているが、俺の袋よりも明らかに小さい。

「ずいぶんと額が多いな。それに、俺の取り分が多くないか?」

 俺はそう訊ねる。

「はい。それは当然のことです。ゴブリンキングやゴブリンエンペラーの死体をまるごと持って帰ってこられたので、通常よりも額は多くなっています」

「なるほど」

 普通は、死体まるごと持ち帰ったりはしないようだ。
 しないというよりは、できないのか。
 この世界の冒険者たちは、あまり力が強くないようだしな。

「その上、リキヤさんが特に大きな活躍をされたとのことですので、それも査定に反映しています」

 受付嬢が説明してくれる。

「おう。そういうことか」

 俺は納得する。

「だが、お前たちはそれでいいのか?」

 俺は三馬鹿にそう問いかける。
 こいつらはザコだが、道中はがんばってゴブリンを討伐していた。
 成果はともかくとして、努力は評価してやらんでもない。

「おいおい……。今回の取り分に文句を言うほど、俺たちは恥知らずじゃねえぜ」

「そうだそうだ! ギャハハ!」

「むしろ、これでも貰いすぎな気もするぜ。ま、貰えるもんは貰っておくがな」

 三馬鹿たちがそう言った。
 意外に殊勝な態度だ。
 その精神だけは評価してやるか。

「わかった。ありがたく頂戴しよう」

 俺はそう言って、布袋を受け取った。
 これでエミリーやレオナに十分な援助ができる。
 機を見て、フィーナの村に一度顔を出すのもいいだろう。
 それでも使い切れなさそうだが、余りそうであれば他にもいろいろと使い道はある。

「はい! 今後も、どうぞよろしくお願いしますね!」

 受付嬢が元気よく言う。

「ああ」

 そして、俺はその場で三馬鹿と別れる。
 外に出ると、もうすっかり夜になっていた。

「今日はよく働いたな」

 俺はそう呟いて、宿屋へと戻るのだった。

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