格闘チャンプの異世界無双 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無双する〜

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

57話 Cランク昇格

 受付嬢の前に、ゴブリンエンペラーとゴブリンキングの死体を運んできた。

「こ、これがゴブリンエンペラー……? それに、ゴブリンキングまで……? ど、どうやったら、これだけの大物を相手に、たったの4人で討伐できるんですか!?」

 受付嬢が驚愕する。

「ん? 普通に戦っただけだが」

 特に何か特別なことをしたわけではない。
 俺は罠や奇襲作成にも精通しているが、今回はそれをするまでもない相手だった。

「い、いえ、普通の戦い方で、たった4人でゴブリンエンペラーやゴブリンキングを倒せるわけがないでしょう!?」

 受付嬢が叫ぶように言った。

「だが、事実だ。信じてくれとは言わないが、そういうこともあると思ってくれ」

 俺はそう言う。

「おいおい、1つだけ訂正があるぜ」

「そうだな。そこを間違ってもらっては困る」

「重大な訂正だな! ギャハハハハ!」

 三馬鹿たちがそう口を挟んでくる。

「”赤い三連星”の皆さん……。そうですよね。経験豊富なあなたたちが、何かしらの策を弄されたのですよね」

 受付嬢が納得顔でそう言う。

「ゴブリンエンペラーとゴブリンキングは、このオッサンが1人で倒した」

「俺たちは、ゴブリンの群れの相手で手一杯だったぜ! ギャハハハハ!」

「ああ。それに、ゴブリンエンペラーの投石であっさり倒されちまったしな……」

 三馬鹿がそう言う。

「…………」

 受付嬢が無言になってしまう。

「あー。その、なんだ。あまり気にしない方がいいと思うぞ」

 俺はそう声をかける。

「き、気にしますよっ だって、ありえないじゃないですかぁ!!」

 受付嬢が半泣き状態で叫んだ。
 ……うむ。
 この世界の冒険者とやらの平均レベルは低そうだ。
 それを基準に考えるなら、確かに単独でゴブリンキングやゴブリンエンペラーを討伐するのはありえないのだろう。
 俺にもそれぐらいはわかる。

 だが、事実は事実として処理を進めてもらうしかない。
 俺はしばらく待つ。
 ようやく、受付嬢が落ち着きを取り戻してきた。

「わ、わかりました。ゴブリンキングとゴブリンエンペラーの死体、そしてCランクパーティ”赤い三連星”の皆さんの証言があるのであれば、リキヤさんの功績にもはや疑いの余地はありません」

「うむ」

「リキヤさんの冒険者ランクを上げさせていただきます! DランクからCランクへ!」

 受付嬢がそう宣言した。

「おお。これで、また一歩、高みへと近付いたな」

 俺はそう呟く。
 冒険者ランクが上がることで、より難易度の高い依頼を受注することが可能になる。
 強力な魔物と戦う機会も増えるだろう。
 それに、高ランク冒険者と出会うチャンスもあるはずだ。
 最強を目指す上で役立つこともあるだろう。

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