婚約破棄を目標に王子を罵らせて頂きます〜聡い殿下でしたら気づいてくれますよね?!〜

もあん

9.人にも準備があるとわかっておられますか

突然の呼び出しは本当にやめて頂きたい…

お城に着くなり意味もわからないまま似合わないであろう着替えさせられて…
そしてまたしてもなんでサイズが…
説明もされないまま連れていかれたのは扉の前で変に真剣な顔をされた殿下がいらっしゃいますし。
私を見て笑うとかそんなに似合わないですか?
ええそうでしょうね!
とか思っていましたらまた真剣な顔をされますし…
意味がわからないです。

突然人を呼び付けるとはなんのおつもりですか!こちらだって準備というものがございましてよ!
とでも言おうと思っていたのですがそんなこと言い出せる雰囲気はありません。

そんな真剣な顔…初めて見ました。

なんでしょうこの胸のざわめきは…
これから婚約破棄でもされるのでしょうか?

ならこんなにも可愛らしく綺麗な衣装を着せる意味が理解できません。

悩んでいたら扉が開かれました。
結局なんの説明もないまま殿下にエスコートされ進んで見たのは…
なぜこんな…
爵位の高い方ばかり…
それと同時に…我が家を邪魔に思っているであろう貴族ばかり…
なっ…なんなんですか!
さすがに怖すぎます!
なんとも言えない恐怖が背筋を走りますが態度に出すわけにもいきませんので社交用の笑顔を張り付けます。

「大丈夫だよ。僕に任せて。」

?!
なんなのです?!
なんでそんな優しげに見てくるんです?!
そもそも何をお任せするんですか?!

殿下が少し前に出ればより注目を集めます。
おもむろに口を開けばそこから出てくる言葉に皆耳を澄ませます。

「本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。今日皆様に大切なお話がございましてお呼びいたしました。」

なんて言うか…こう…
王子様~キラキラ~って感じのが出てるくらい完璧ですね。
大切なお話?
婚約破棄ですか?
それならこの私を殿下の婚約者にしたくない派の方々の前でそれを言って外堀を埋めて破棄するんですか?
いい考えですけど…
そんな大袈裟な…
それになんでこんなドレスをわざわざ…

「皆様それぞれ心当たりがあるかと思います…」

ん?何がですか?皆様?

「拘束せよ!」

ん?え?は?んんんんん?!
え?こうそく?高速?拘束?!
何をですか?!まさか私を?!いやいやいや~。
さすがに状況的に私ではないのは分かりますよ~。
え?違いますよね?私じゃないですよね?

とか考えていたら今日集められていた貴族が兵士に捕らえられていきます。

「私の婚約者であるシャルロット・ティファニー公爵令嬢の誘拐や暗殺計画や失敗したようだが実行した証拠。大小様々な不正行為。問い詰めさせてもらおう。」

なんか殿下が王子様~キラキラ~って感じから誰にも反論を許さない威圧力のある雰囲気にシフトチェンジされました。
って?!え?!私の誘拐に暗殺?!そんな計画が?!
いやそもそも失敗とはいえ実行済みですか?!
あるのではと思っていたのに全然ないなぁ~とか呑気に思ってましたよ!
意味もよく分からずにいると殿下が経由やらなんやら話してます。

へー。はー。え?!
つまり殿下が私に秘密で護衛を付けていたんですね!
しかも婚約当初から!
ん?

そこであることに気がつきました。

……もしかして…もしかしなくても……
この婚約は……
それを考えて私は…酷く動揺してしまいました。
動揺が顔に出たのでしょうか。
殿下が心配そうにしています。
なんでです?
もう…そんな必要ありませんのに……

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