青春クロスロード
一日千秋⑤ ~すれ違いは続くよ、どこまでも~
二郎が咲と運命的な再会を果たしていた一方で、モヤモヤを燻らせる女子達が表情を曇らせながら元気なく昼食を摂っていた。
「はぁ~今日って何曜日だっけ?」
「木曜日デ~ス、もう今週も明日で終わりデ~ス」
「そっか、全然来ないね、二郎君。私が言い過ぎたせい、かな。やっぱり私達から声を掛けてあげた方が良いのかな、レッベカ」
「う~ん、いや、四葉チャンが悪いはずないです。確かにちょっと言い過ぎたかも知れませんガ、それでもケンカしたときは男子から謝るのが当然デス!ジローが来ないのがダメデス!」
口調はキツくともやはり元気のないレベッカと二郎にガツンと言い過ぎたことを後悔している四葉は二郎との仲直りの方法をあれこれ話していた。
「そんなこと言ってレベッカ、部室に二郎君の好きなお茶とお煎餅を新しく買って用意していたでしょ。本当はレベッカも早く二郎君と仲直りしたんじゃないの。もう許してあげて良いと思うけど。別にまだ怒っているわけじゃないし、変に強がってもしょうがないよ」
「それはもうお茶っ葉が古くなって飲むのが無理でしたし、お煎餅も湿気ていたので新しくしただけデス!誰かが部室に来たときに悪いモノを出したらダメですカラ、別にジローのために買ったわけじゃないデス!」
「部員意外で写真部に行く人なんて私か二郎君くらいしかいないでしょ。もう素直じゃないんだから」
「もう~うるさいデス!ジローが悪いデスからちゃんと謝って欲しいデス。そうすれば私もゴメンナサイするデス!あぁ~ジローは一体この一週間、何をやっているデスカ。ジローは薄情者デス!」
四葉の言葉に頬を膨らませてプリプリと怒るレベッカを四葉は苦笑いしながら、未だ姿を現さずどこで何を考えているのか謎の二郎を思い浮かべていた。
そんな二人の心情など知りもせず、今日こそはちゃんと二人に謝ろうと2年4組の教室の手前にまで来ていた二郎の元に聞き覚えのある話し声が聞こえてきた。
「・・・・・ジロー・・・・ダメです」
「・・・・許・・・怒って・・・」
「・・・無理・・・・悪い・・・ジロー・・・」
「・・・・・素直じゃない」
「うるさい・・・、悪い・・ジロー・・・薄情者デス・・・」
(げっ・・・・まだキレてるな。特にレベッカはダメだこれ。もう少し時間を置かないと許してもらえそうにないな。はぁ~今日も無理か~)
偶然にもレベッカと四葉の会話を廊下から聞いていた二郎は、途切れ途切れで聞こえてくる単語をつなぎ合わせてレベッカ達の怒りは未だ収まっていないと理解し、この日も謝罪できずに終わりすれ違いはまだまだ続くのであった。
一方、授業が終わるとともにこの日も早々に姿を消した二郎を尻目に、すみれが忍に声を掛けていた。
「忍、ちょっと良い?」
「あ、うん。どうしたの」
「どうしたじゃないわよ。あれから二郎君から忍に連絡とかあった?どうやら今週に入ってから全然部活にも行っていないみたいで一君も心配していてさ。私も放課後校内をふらついていたら捕まえて一度ガツンと説教かました後には、皆と仲直り出来るように間に入ってあげようかと思っていたのに、全然校内徘徊もしていないみたいだしさ」
すみれは二郎に不満を持ちながらも、なんやかんや二郎への心配をほのめかしながら忍に現況確認をした。
「あたしには連絡なんてないわよ。二郎にとってあたしはただのクラスメイトでそんな大した仲じゃないしね。ごめん、もう部活行くから。それじゃまた明日ね」
「ちょっと、忍!」
忍は投げやりな言葉を残しすみれの前から返事を待たずに去って行くのであった。
「あれは相当応えているわ。まったく二郎君も罪深いことをしたモノね。はぁ~でも、私も忍に謝らないといけないかな」
そういって渋い表情を見せたのは二人の会話を近くで聞いていたエリカだった。
「エリカ、見た?忍の顔。私、あんな辛そうな忍を見て居られないよ。どうしたら良いのかな。私が余計なお節介をしたのも悪かったかな」
「すみれは何も悪くないと思うわ。元凶は多分私だわ。忍が二郎君の事で悩んでいたことを知って、無理に焚きつけてその気にさせちゃったから、期待させた分二郎君の中途半端な態度が許せないんだと思うのよ」
「でもそれは忍のためを思ってしたことだし、エリカが悪いわけじゃないわよ。エリカは忍の背中を押してあげただけだし。やっぱり二郎君がイケないのよ。あれだけ忍と仲よさそうにしておいて、実際は全然眼中になさそうな態度を取ってさ。いくら何でも恋のライバル候補の相手とダブルブッキングなんてあり得ないでしょ」
「まぁそうだよね。私も八歩美人な態度はやめた方が良いって一度キツく言ってあげたのに、全く人の聞かずによりにも寄って忍とのデートの時にやらかすなんて、本当に一発ぶん殴っておけばよかったわ、あの時」
「ちょっとエリカ、人格変わって怖いわよ!」
「え、あぁ、ごめんなさい。二郎君とか三佳みたいに予想外の行動を取る相手にはつい人格が変わってしまうのよ。もう~本当にモヤモヤするわ!」
「本当、どうしたら良いのかね」
どこかやりきれないと言った表情を作るすみれとエリカは忍と二郎の行く末にじりじりしながら頭を悩ませるのであった。
「はぁ~今日って何曜日だっけ?」
「木曜日デ~ス、もう今週も明日で終わりデ~ス」
「そっか、全然来ないね、二郎君。私が言い過ぎたせい、かな。やっぱり私達から声を掛けてあげた方が良いのかな、レッベカ」
「う~ん、いや、四葉チャンが悪いはずないです。確かにちょっと言い過ぎたかも知れませんガ、それでもケンカしたときは男子から謝るのが当然デス!ジローが来ないのがダメデス!」
口調はキツくともやはり元気のないレベッカと二郎にガツンと言い過ぎたことを後悔している四葉は二郎との仲直りの方法をあれこれ話していた。
「そんなこと言ってレベッカ、部室に二郎君の好きなお茶とお煎餅を新しく買って用意していたでしょ。本当はレベッカも早く二郎君と仲直りしたんじゃないの。もう許してあげて良いと思うけど。別にまだ怒っているわけじゃないし、変に強がってもしょうがないよ」
「それはもうお茶っ葉が古くなって飲むのが無理でしたし、お煎餅も湿気ていたので新しくしただけデス!誰かが部室に来たときに悪いモノを出したらダメですカラ、別にジローのために買ったわけじゃないデス!」
「部員意外で写真部に行く人なんて私か二郎君くらいしかいないでしょ。もう素直じゃないんだから」
「もう~うるさいデス!ジローが悪いデスからちゃんと謝って欲しいデス。そうすれば私もゴメンナサイするデス!あぁ~ジローは一体この一週間、何をやっているデスカ。ジローは薄情者デス!」
四葉の言葉に頬を膨らませてプリプリと怒るレベッカを四葉は苦笑いしながら、未だ姿を現さずどこで何を考えているのか謎の二郎を思い浮かべていた。
そんな二人の心情など知りもせず、今日こそはちゃんと二人に謝ろうと2年4組の教室の手前にまで来ていた二郎の元に聞き覚えのある話し声が聞こえてきた。
「・・・・・ジロー・・・・ダメです」
「・・・・許・・・怒って・・・」
「・・・無理・・・・悪い・・・ジロー・・・」
「・・・・・素直じゃない」
「うるさい・・・、悪い・・ジロー・・・薄情者デス・・・」
(げっ・・・・まだキレてるな。特にレベッカはダメだこれ。もう少し時間を置かないと許してもらえそうにないな。はぁ~今日も無理か~)
偶然にもレベッカと四葉の会話を廊下から聞いていた二郎は、途切れ途切れで聞こえてくる単語をつなぎ合わせてレベッカ達の怒りは未だ収まっていないと理解し、この日も謝罪できずに終わりすれ違いはまだまだ続くのであった。
一方、授業が終わるとともにこの日も早々に姿を消した二郎を尻目に、すみれが忍に声を掛けていた。
「忍、ちょっと良い?」
「あ、うん。どうしたの」
「どうしたじゃないわよ。あれから二郎君から忍に連絡とかあった?どうやら今週に入ってから全然部活にも行っていないみたいで一君も心配していてさ。私も放課後校内をふらついていたら捕まえて一度ガツンと説教かました後には、皆と仲直り出来るように間に入ってあげようかと思っていたのに、全然校内徘徊もしていないみたいだしさ」
すみれは二郎に不満を持ちながらも、なんやかんや二郎への心配をほのめかしながら忍に現況確認をした。
「あたしには連絡なんてないわよ。二郎にとってあたしはただのクラスメイトでそんな大した仲じゃないしね。ごめん、もう部活行くから。それじゃまた明日ね」
「ちょっと、忍!」
忍は投げやりな言葉を残しすみれの前から返事を待たずに去って行くのであった。
「あれは相当応えているわ。まったく二郎君も罪深いことをしたモノね。はぁ~でも、私も忍に謝らないといけないかな」
そういって渋い表情を見せたのは二人の会話を近くで聞いていたエリカだった。
「エリカ、見た?忍の顔。私、あんな辛そうな忍を見て居られないよ。どうしたら良いのかな。私が余計なお節介をしたのも悪かったかな」
「すみれは何も悪くないと思うわ。元凶は多分私だわ。忍が二郎君の事で悩んでいたことを知って、無理に焚きつけてその気にさせちゃったから、期待させた分二郎君の中途半端な態度が許せないんだと思うのよ」
「でもそれは忍のためを思ってしたことだし、エリカが悪いわけじゃないわよ。エリカは忍の背中を押してあげただけだし。やっぱり二郎君がイケないのよ。あれだけ忍と仲よさそうにしておいて、実際は全然眼中になさそうな態度を取ってさ。いくら何でも恋のライバル候補の相手とダブルブッキングなんてあり得ないでしょ」
「まぁそうだよね。私も八歩美人な態度はやめた方が良いって一度キツく言ってあげたのに、全く人の聞かずによりにも寄って忍とのデートの時にやらかすなんて、本当に一発ぶん殴っておけばよかったわ、あの時」
「ちょっとエリカ、人格変わって怖いわよ!」
「え、あぁ、ごめんなさい。二郎君とか三佳みたいに予想外の行動を取る相手にはつい人格が変わってしまうのよ。もう~本当にモヤモヤするわ!」
「本当、どうしたら良いのかね」
どこかやりきれないと言った表情を作るすみれとエリカは忍と二郎の行く末にじりじりしながら頭を悩ませるのであった。
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