青春クロスロード
ある梅雨の日 その4 ~エリカの機転~
バタバタと過ぎていく高校生活も気が付けば梅雨が明けあっという間に一学期終盤となり、残すところ学期末テストのみとなっていた。
例のごとく、三佳、エリカ、すみれ、忍の4人はテスト一週間前に放課後の教室でテスト勉強を行っていた。
三佳とエリカはこの勉強会を利用して、すみれと忍に夏休みの話を持ち掛けた。
「すみれ、忍、夏休みなんだけど、良かったら一緒にペンギンランドに遊びに行かない。三佳にはさっき話してもう行くって話しなんだけどさ」
エリカは詳しい話はせずにシンプルに二人を誘った。
「ずいぶん急な話じゃない。女子4人で行くってことなの」
忍が不思議そうに返事をした。
「それがね、私の男友達の拓実に、友達呼んでみんなで遊園地にでも遊びに行かないかって誘われたのよ。どうかな」
「男子も来るんだ、拓実君って、誰なのそれ?」
「拓実君ってことは、もしかして、工藤君も来るってこと」
忍がよくわからないという様子の一方で、すみれは何かを悟ったようにエリカに確認した。
「すみれの言う通り、男子は拓実と剛が参加予定なんだ。二人は私の幼馴染でサッカー部に入ってる2年1組の男子のことだよ、忍」
エリカは参加予定の二人の男子のことを話し、今回の事の経緯を説明した。
メンバーは当初はエリカ、剛、拓実であったが、せっかくなのでいつもの3人ではなく、友達を誘って行こうという話しになり、皆を誘うことになったと。そして、今のところ男子サイドからは他に参加者はおらず、男女比を考えて、もし誘いたい友達がいれば、声をかけてほしいとのことだった。
この時、エリカはひとつだけ嘘をついた。実際には拓実がエリカを誘ったのではなく、剛が三佳を誘ったのだが、それを伏せることで剛の三佳への明確な好意を持っていることをすみれに隠す狙いがあった。
すみれはなぜエリカは自分だけを誘って4人のダブルデートにしてくれなかったのかと一瞬疑問に思ったが、いきなり剛と二人きりになるのは緊張するので人数が多くても良いかと考えを改めた。
なぜなら、エリカが拓実の事を好きだと以前から知っていたので、もし4人で行くならダブルデートになり、剛と自分がペアとなるだろうと考えたからだ。すみれは普段、女子の中ではしっかり者でぐいぐい行けるタイプだが、意外と乙女であり、好きな男子の前だと緊張してうまく話もできなくなる、そんな可愛い一面をもっていた。そういう訳で今回初めて遊びにいくことを考えても、大人数の方が緊張せずに剛と仲良くなれると結論を下したのであった。
「私はせっかくだから参加させてもらうよ。エリカ」
「あたしはどうしようかな、正直、その男子二人の事はよく知らないし、私がいても逆に浮きそうで気が進まないな」
すみれは参加を表明し、忍は参加に消極的な返答をした。
「すみれは参加ね、忍も時間があるし、夏休みが入るまでにどうするか教えてよ」
すみれの反応に内心ハラハラしていたエリカはホッと一息ついていた。
その一方で、三佳がすみれに「ジョットコースター楽しみだね」などと、のんきな事を言っているのを見て宇宙人は強いと心でつぶやくのであった。
そんなこんなでひとまず期末テストが終わるまでは話を保留することになり、三佳達は赤点回避のために勉強に集中することになった。
例のごとく、三佳、エリカ、すみれ、忍の4人はテスト一週間前に放課後の教室でテスト勉強を行っていた。
三佳とエリカはこの勉強会を利用して、すみれと忍に夏休みの話を持ち掛けた。
「すみれ、忍、夏休みなんだけど、良かったら一緒にペンギンランドに遊びに行かない。三佳にはさっき話してもう行くって話しなんだけどさ」
エリカは詳しい話はせずにシンプルに二人を誘った。
「ずいぶん急な話じゃない。女子4人で行くってことなの」
忍が不思議そうに返事をした。
「それがね、私の男友達の拓実に、友達呼んでみんなで遊園地にでも遊びに行かないかって誘われたのよ。どうかな」
「男子も来るんだ、拓実君って、誰なのそれ?」
「拓実君ってことは、もしかして、工藤君も来るってこと」
忍がよくわからないという様子の一方で、すみれは何かを悟ったようにエリカに確認した。
「すみれの言う通り、男子は拓実と剛が参加予定なんだ。二人は私の幼馴染でサッカー部に入ってる2年1組の男子のことだよ、忍」
エリカは参加予定の二人の男子のことを話し、今回の事の経緯を説明した。
メンバーは当初はエリカ、剛、拓実であったが、せっかくなのでいつもの3人ではなく、友達を誘って行こうという話しになり、皆を誘うことになったと。そして、今のところ男子サイドからは他に参加者はおらず、男女比を考えて、もし誘いたい友達がいれば、声をかけてほしいとのことだった。
この時、エリカはひとつだけ嘘をついた。実際には拓実がエリカを誘ったのではなく、剛が三佳を誘ったのだが、それを伏せることで剛の三佳への明確な好意を持っていることをすみれに隠す狙いがあった。
すみれはなぜエリカは自分だけを誘って4人のダブルデートにしてくれなかったのかと一瞬疑問に思ったが、いきなり剛と二人きりになるのは緊張するので人数が多くても良いかと考えを改めた。
なぜなら、エリカが拓実の事を好きだと以前から知っていたので、もし4人で行くならダブルデートになり、剛と自分がペアとなるだろうと考えたからだ。すみれは普段、女子の中ではしっかり者でぐいぐい行けるタイプだが、意外と乙女であり、好きな男子の前だと緊張してうまく話もできなくなる、そんな可愛い一面をもっていた。そういう訳で今回初めて遊びにいくことを考えても、大人数の方が緊張せずに剛と仲良くなれると結論を下したのであった。
「私はせっかくだから参加させてもらうよ。エリカ」
「あたしはどうしようかな、正直、その男子二人の事はよく知らないし、私がいても逆に浮きそうで気が進まないな」
すみれは参加を表明し、忍は参加に消極的な返答をした。
「すみれは参加ね、忍も時間があるし、夏休みが入るまでにどうするか教えてよ」
すみれの反応に内心ハラハラしていたエリカはホッと一息ついていた。
その一方で、三佳がすみれに「ジョットコースター楽しみだね」などと、のんきな事を言っているのを見て宇宙人は強いと心でつぶやくのであった。
そんなこんなでひとまず期末テストが終わるまでは話を保留することになり、三佳達は赤点回避のために勉強に集中することになった。
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