2と4の境界線

折葉こずえ

第38話 2と4の境界線

僕に跨って盛んに腰を振る彼女を見上げながら、結局は理性で自分自身をコントロールなんて出来ないんだって思い知った。

それは恋心?

それは愛情?

ただの性欲?

もしくは独占欲?

色んな感情が混ざりあい、数種類の色を混ぜ合わせれば、濁った灰色になるように僕自身も濁って行く。

彼女の嬌声の中から快感に繋がる物を拾って行き、その反応を見る度にほくそ笑む。

ああ、結局はそういう事なんだ。どんなに頭で考えても、理性で制御しようとしても、人間の奥底に潜む欲望の前には無力なんだ。

だったら、それで良いじゃないか。

「自分の気持ちに正直になれ」 小説などで良く聞くセリフだ。

だったらその通りにさせてもらう。

自分自身に嘘を吐く必要もない。

誰も咎めない。

制約も受けなければ禁止もされていない。

罰則を受けることも無い。

皆が当たり前に行っている事だ。

僕の中の罪悪感と言う物だけが許しを請うているだけだ。

ならば僕はそれに対してこう答えるだろう。

24傍生の境界線なんて無いんだ」と。




――了――





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