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現実世界にダンジョン現る! ~アラサーフリーターは元聖女のスケルトンと一緒に成り上がります!~

私は航空券A

ダンジョンからの帰還

 クリスティーナが落ち着きをとり戻してから、アナウンスにあった言葉を思い出す。


 たしか、『規定レベルに達しました。彼の地への滞在制限を解除します。』っと言っていたはずだ。


 もしかすると、これは文字通り、異世界にいつまでも居ていいよって、


 ついに、お許しがでたと考えていいのだろうか。


 その肝心の承認元が、甚だ不明であるが。


 しかし、せっかく降りた許認可だ。


 ここは、有難くちょうだいしておこう。


 これは本格的に、やまだの異世界ライフが始まっちゃった気がするわ。
異世界料理、ケモミミ、冒険と、夢がどこまでも広がる。


 絶対に見つけてやるんだぜ、パラダイスワールドを。




 さてと、この部屋を出てしまう前に、報酬でもらった【アブダラの霊泉】を使っておかなくては。


 しかし、これはどう使えばいいんだ? 


 特殊な呪文とか、スキルが必要だったらどうしよう。


 おっと、


 よくよく見てみれば、表示に使用方法が書かれていた。
契約書の隅っこに書かれている、あの小さな文字みたいな感じ。


 こんなのやまだでなければ、見落としてしまうところだったわ。


 書かれていた使用方法は、いたって単純なものだった。


 『飲用又は、ふりかけるとのこと』


 スケルトンの姿であれば、ふりかけるところだが。
今は、元の姿である聖女様だ、ここは素直に飲用してもらおう。


 そのほうが、効く気がするじゃんね。




「クリスティーナ、これを」




 コルクのような蓋を開けて、【アブダラの霊泉】を渡す。


 その際に、飲用することを伝える。




「あ、ありがとうございます。ご主人様、このご恩は決して忘れません」




 霊泉を受け取るクリスティーナの手が、少し震えていた。


 どのくらいの期間、スケルトンでいたかはわからないが。
ついに、人間に戻れる時がきて、思うところがあるのだろう。


 やはり、この報酬を選んでよかった。


 クリスティーナは、おそるおそるガラスの瓶に口をつけると、中に入っている液体を飲み干した。




「どうだ。何か変化は?」




「いえ、今のところは何も……」




 クリスティーナが言う通り、見た感じこれといった変化はないように見える。


 と、思っていた時だった。


 クリスティーナの胸元が閃光のように輝きだす。




「あうっ、あああああっあぁぁああああっ」




 おう、なんかこう、すごく光ってるわ。


 どのくらいかと言うと、家電量販店の照明コーナーくらいの眩しさだ。


 逆に、心配になってしまうくらいだけど、クリスティーナさんは大丈夫だろうか。


 心配していたのも束の間、その光は徐々に弱まっていく。


 そして、数十秒も経たないうちに光は消えてなくなった。




「クリスティーナ、大丈夫か?」




「はぁっ、はぁっ、もう大丈夫です。こ、これで元に戻ったのでしょうか?」




 あれだけのエフェクトを放って、何もないわけ、ないだろうとは思うが。


 一応、ステータスを確認。


 右よし、左よし、ステータスよし、ってやつだ。




名前:クリスティーナ・M・ブルーオーシャン
性別:女
種族:人間
ジョブ: 聖女
レベル:17
HP:214
MP:320
STR:55
VIT:97
INT:205
DEX:127
AGI:65




  ジョブに表示されている文字が、元聖女から『元』が消えている。


 これは、霊泉の効果があったとみていいだろう。




「ああ、もう大丈夫だよ」




 と言うと、 クリスティーナは胸に手を当てて、安堵を漏らす。




「よ、よかったぁっ……」




 こんなに嬉しそうな姿を見ると、こっちまで嬉しくなるよな。












 ご褒美タイムも無事に終わり、ダンジョンの最深部を後にする。


 前回と同様、ログに帰還を問う項目が表示されたが。


『スタート地点に戻りますか? はい/いいえ』


 これに、『いいえ』を選ぶ。


 『はい』を選んでしまえば、元の世界へ戻ってしまうからだ。




「さてと、地上へ戻るか」




「はいっ、ご主人様」




 元気をとり戻した、クリスティーナが答える。


 クリスティーナが裸足だったことに気がついた俺は、アイテムパックから予備のスニーカーを渡す。


 履いてみると、かなりブカブカだったが、地上に出るまでは、これで我慢してもらおう。


 『マップ』を視野の隅に表示させて、ダンジョンを進む。


 一度、通った道ならダンジョンの中でも表示されるので、迷わずに済む。


 おまけに、魔物も表示される高機能のおかげで。
事前に魔物の位置を把握して、サクサクと狩りながらダンジョンの出口まで、苦労することもなく来ることができた。


 ダンジョンから出ると、太陽の光に目を細める。


 チラリ、横を伺えばクリスティーナも同じようにしていた。




「ご主人様、まぶしいですねっ」




「ああ、ダンジョンは明かりがあるとはいえ、地上よりも暗いからな」




「はいっ、スケルトンだったときよりも、全てが新鮮に見えます。この太陽の光も、肌をふれる風も、それに人の喧騒さえも……」




「これから色んな体験をして、スケルトンだった時間をとり戻せばいい」




「はいっ、ご主人様」




 俺にしてみれば、その満面に浮かんだ笑顔のほうが、よっぽど眩しいけどな。


 スケルトンだったクリスティーナよりも、今の聖女様の姿に慣れる方が、時間掛かりそうだ。


 そして、きゅるきゅる、お腹が鳴る音が聞こえた。


 その音源は、横にいるクリスティーナだ。




「はうっ、あわわ、ごめんなさいっ」




 と、顔を真っ赤にして慌てるクリスティーナ。


 それを見て、思わず笑いがこぼれた。




「はっはは、まずは腹ごしらえからだな」




「……はい」




 屋台で賑わう人々の中へ、俺とクリスティーナは進む。









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