話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

現実世界にダンジョン現る! ~アラサーフリーターは元聖女のスケルトンと一緒に成り上がります!~

私は航空券A

ダンジョンに向けて

「ご、ご主人様っあああああっ!」




 クリスティーナの叫び声で目が覚めた。


 瞼を開けてみれば、目の前に迫る髑髏。


 それがカタカタと動くものだから、思わず悲鳴をあげてしまいそうになる。


 落ち着け、これはクリスティーナだ。うん、クリスティーナ。


 ……よし、もう大丈夫。


 しかし、骸骨が動き回るお家ってどうなんだろうな。


 確実に、事故物件だろう。


 家賃の値下がり、待ったなしだわ。




「クリスティーナか……」




 昨日までの聖女様の姿ではなく、目の前にいるのは見慣れつつあるスケルトンの姿。
一体どうして、などと考えたところで、わからないものはわからない。


 ここは一つ、落ち込んでいるであろう、クリスティーナを励ます意味でも。
前向きにいこう、ポジティブシンキングってやつだ。




「ご、ご主人様、またスケルトンに戻ってしまいました……」




 と、落ち込んだ様子を見せるクリスティーナ。


 ぬか喜びしてしまった分、落胆してしまうのも仕方ないことだろう。




「今まで解けなかった呪いが、二度も解けたんだ。そのうち解決方法も見つかるさ、一緒にその方法を探そう」




 今しがた言ったことも、あながち間違いではないと思う。
この短時間の間に一時的とはいえ、二回もその呪いが解けたのだ。


 もしかしたら、完全解除もそう遠くはないのかもしれない。




「そ、そうですねっ! ありがとうございますっ」




 そう答えるクリスティーナの姿は、少し希望を持ったように思えた。


 俺も呪いの解除については、協力したい気持ちである。
クリスティーナには、色々と世話になっているしな。


 そう考えると、ダンジョン攻略にも、熱がこもるというものだ。


 バイトも、ここ一週間は休みにしてある都合、まるっと、そのままダンジョンに費やすことができる。
それに昨日は、早めに寝てしまったせいか気力も満タンだ。


 これは早々に、ダンジョンの準備を始めてしまおう。










 自分用にコーヒーを炒れて、食事をとれないクリスティーナには、仏間から拝借した線香を焚く。


 これで、何かが満足するわけではないだろうが、
さすがに、一人だけコーヒーを頂くのも気が引けてしまう。


 まぁ、気持ちの問題ってやつだ。




 さてと、コーヒーに口を付けつつ、ステータスを開く。




名前:ヤマダ タケシ
種族:人間 
性別:男
ジョブ:冒険者
レベル:39
HP:830
MP:620
STR:275
VIT:340
INT:265
DEX:240
AGI:380
ストックHP:10
スキルポイント:20




 思っていた通り、レベルがあがっている。
トレインで得た、経験値が効いたようだ。


 レベルがあがったことで、スキルポイントも無事に納品されている。
今のうちに、スキルを取得しておくのもわるくない。


 ダンジョンの中だと、ゆっくりと選んでいられないからな。




取得可能スキル一覧: 消費スキルポイント


 ・土属性魔法Lv1: 5
 ・風属性魔法Lv1: 5
 ・回復魔法Lv1: 10
 ・戦士の雄叫び: 10
 ・ステータスアップLv1: 10
 ・戦神の鼓舞Lv1: 10




 取得したスキルは消え、新たなスキルが一覧に並べられている。


 新スキルに意識を合わせて、その説明を見てみることに。




【風属性魔法Lv1】


 初級を風属性魔法を取得。
スキルポイントを使用することでLvアップが可能。




【回復魔法Lv1】


 初級を回復魔法を取得。
スキルポイントを使用することでLvアップが可能。




【戦神の鼓舞Lv1】


 周囲の味方及び、パーティーメンバーに効果時間30分のバフを付与。
その効果は、全ステータス10%アップ。




 などと、スキルの説明文に目を通していると、




「ご、ご主人様……」




 今にも、死にそうな声でお呼びがかかる。


 振り向けば、いつぞやの神聖魔法を行なった状態に。
つまり、薄っすらと消えかかっているではないか。




「か、川が見えます……」




 やばい。このままでは、クリスティーナさん三途の川を渡ってしまう。


 思い当たる事といえば、焚いた線香くらい。
もしかして、スケルトンに効いてしまったのだろうか。


 主に、成仏的な意味で。


 素早く、線香を消して、クリスティーナを揺さぶる。




「しっかりしろっ! クリスティーナ!」




 すると、程なくして薄れかかった姿も元に戻り始めた。


 危うく、クリスティーナを退治してしまうところだったわ。






 意識をとり戻したクリスティーナに、謝りを入れ、快く許しを頂戴した所で準備の再開である。
その間、クリスティーナには、テレビを見て時間を潰してもらっている。


 終止、驚きっぱなしだったが。
簡単にテレビの仕組みを説明すると、「な、なるほどっ」などと、答えてはいたが。


 本当に理解をしたのかは、怪しいところだ。


 ちなみに今は、子ども向け人形劇に夢中のようである。


 そして、中断していたスキル習得は、【回復魔法Lv1】を取得することにして、
さらに、残ったスキルポイント10を使って、Lv2までにあげることに成功した。


スキルポイント:0


アクティブ:スキル 
HPストック:LvMax
フルスイング:Lv1
火属性魔法:Lv20
回復魔法:Lv2


パッシブ:スキル
アイテムパック:LvMax
マップ:LvMax
言語:LvMax


 即死攻撃に備えてのHPストックと、どこまで回復するかはわからないが、自前の回復手段を手に入れたことで生存確率は、格段に向上したのではないだろうか。


 後は、家にある物をアイテムパックに放り込めば、準備は完了だ。


 うろうろと、部屋を物色しつつ、香辛料の類から、日用品まで、
目につくものは片っ端から放り込んでゆく。


 どこで、何が役に立つのかわからないからな。


















 ダンジョンを前にストレッチで体をほぐす。


 魔物を前にして、足がつったなんて最悪だ。
些細なことが命取り、なんてことも有り得る。


 何ていったって、相手はダンジョンだ。
用心してし過ぎ、なんてことはないだろう。


 十二分に体もほぐれたところで、


 パンッ。


 両頬を叩いて、気合を入れる。




「クリスティーナ、次はこのダンジョンを攻略するぞ」




「はい、ご主人様っ」




 リュックの中から、元気の良い返事が返ってきた。




「よし、潜ろう!」




 ピッ。




『【境界の回廊】の攻略が再開されました。』




 ピッ。




『攻略終了までの残り時間: 90:13:05』







「現実世界にダンジョン現る! ~アラサーフリーターは元聖女のスケルトンと一緒に成り上がります!~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く