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現実世界にダンジョン現る! ~アラサーフリーターは元聖女のスケルトンと一緒に成り上がります!~

私は航空券A

訪問者

「タケ兄ぃ、お帰りっ!」




 と、声をかけてきたのは従兄妹のユキノだ。


 ぱっと見は、中学生。
見る人によっては、小学生にさえ、見えてしまうのではないだろうか。


 しかし、これでもれっきとした大学生だ。
この幼く見える容姿は、本人もコンプレックスらしく。


 俺はこの話題には、触れないことにしている。


 なぜなら、その後がすごーく怖いから。
きっと次に、触れたときが俺の最期の時だろう。


 ……本当に、ごめんなさい。二度と言いません。




「あれ、来てたのか?」




 と、言うと。


 ニマニマとした顔で、近づいてくるユキノ。


 手で口を隠しながら、小声で、




「まさか、 タケ兄ぃが外国人の彼女を、連れて来るとはねぇ……」




 どうやら、盛大に勘違いをしているらしい。


 そもそも、外国人じゃないしな。


 異世界人だ、異世界人。


 しかも、人間ですら怪しい状態だ。
なんせ、さきほどまでスケルトンだったのだから。




「……なにか勘違いしているだろ?」




「またまたぁ~、隠さなくてもいいよ、っと」




「いてっ」




 パンッと、叩かれるお尻。


 このチビっこい体の、どこにそんな力があるのか。


 甚だ、疑問である。




「あっ、ご主人様、おかえりなさい。お客様が見えていますっ」




「ただいま、クリスティーナ。こいつが変なことしてなかったか?」




「はい、それは大丈夫なのですが……この方は?」




「ああ、こいつは従兄妹だ」




「ご主人様のご親戚だったのですねっ」




 と、ここで。


 袖を引っぱられる、振り向けばユキノだ。




「ちょい、ちょい」




「なんだよ、ユキノ」




「いつからタケ兄ぃは、外国語を話せるようになったの?」




 ああ、そうか。


 言語スキルを取得したおかげで、クリスティーナとも自然に話せているけど。


 にとっては、外国語……もとい、異世界語なんだよなぁ。




「ね、ネット講座ってやつ? アレで覚えたんだよ、はっはは……」




「なんで、疑問系なのよ。まぁ、いいや、私にも紹介してよ」




「ああ、そうだったな。彼女は、クリスティーナ」




「よろしくね、クリスティーナさん」




 クリスティーナに握手を求める。




「クリスティーナ、こいつはユキノだ。よろしくだってさ」




 ユキノの手をとる、クリスティーナ。




「ご、ご主人様。こちらの言葉で、よろしくとは何というのですか?」




「『よろしく』だよ」




 俺が教えた日本語で、たどたどしくも『よろしく』と挨拶するクリスティーナ。


 まぁ、とりあえずは、外国人ということにしておくか。


 まるっと、正直に話したところで、頭のおかしいヤツだと思われかねないからな。


 ……いや、今までの行いを考えれば。
すでに、思われているかもしれないが、またそれは別の話だ。
















「これは……また豪勢だな」




 目の前に並ぶ、色彩りの料理に圧倒される。


 海老ピラフに、ピーマンの肉詰め、パスタに青菜炒め、冷奴とシーザーサラダ。
トドメといわんばかりに、なめたけの味噌汁がついてきた。


 どれもこれも、俺の好物ばかりだ。




「わたしにかかれば、こんなもんよっ! 普段、碌なもの食べてないんでしょ? それに、よしえさんから頼まれているからね。 タケ兄ぃが餓死しないようにって」




 ユキノが言う通り、暇をみては、ちょくちょくと飯を作りに来てくれている。
以前、スルメばかり食べ続けて、死にかけたのが効いているらしい。


 本当に、有難い話だ。




「これは……」




 並べられた料理を目の前にして、クリスティーナが感嘆を漏らした。




「どうぞ、クリスティーナさん。遠慮せずに食べてね」




 ユキノの言葉をクリスティーナに伝えて、


 では、いただきますっ。




「イタ、イタダケマス……」




 クリスティーナも、俺を真似てか。


 カタコトの日本語を使って、フォークに手を伸ばす。
向こうの世界にも、似た食器があるのか、器用にフォークを使って料理を口にする。


 ところが、クリスティーナは、少しばかり口にした所で俯いてしまった。
どうしたのだろうか、味が口に合わなかったのか。




「どうした? こっちの料理は、口に合わなかったのか」




「いえ、とても美味しいです。また、食事ができるとは思ってもいなかったもので……」




 その宝石のような瞳から涙が零れる。




「これだけの量だ。俺とユキノでは食べきれないから、クリスティーナも頑張って食べてくれ」




 どうやら、感動の涙ようだ。
どれだけの期間、スケルトンでいたのかはわからないが。


 再び、食事できたことが嬉しいみたいだ。




「ねぇねぇ、タケ兄ぃ。クリスティーナさん何で泣いているの?」




「ユキノの料理が美味くて感動してるってさ」




 ユキノが用意してくれた料理も全て平らげると、


 「クリスティーナさんにワルイ・・・ことしちゃダメよっ」と言い残して、ユキノは帰っていった。


 まともな食事をとって、まったりとしたのが効いたのか。


 どっと、眠気と疲れが湧いてきた。


 寝るには少しばかり、早い時間だが。


 一日の活動量を考えれば、あれだ、寝てしまおう。


 さて、寝る場所なのだが、自分の部屋は使えないな。


 スケルトンの姿ならまだいいが、今のクリスティーナと同じ部屋で寝るのは、色々とまずい。


 普段使っている部屋をクリスティーナに渡し、俺は別室に移動。
押入れの奥から予備の布団をひいて、横になるとすぐさまその意識を手放した。






 そして、翌日、クリスティーナの叫び声で目を覚めることになった。






「ご、ご主人様っあああああっ!」







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