夢逃人(ドリーマー)
第34章 男子 と 女子
新年を迎えた1月にマコトのスマホにスミレから連絡があった。
もちろん業務用のスマホである。
スミレ「マコトさん。新年明けましておめでとうございます。全然お会い出来ていないですね。一個報告があります。遂にロサンゼルス支部への転勤が決まりました。急ですが来月になりました。そこで、、今使っている『死上保安局員』用のスマホの返却をお願いしたく思います。今度お時間ある時に受け取りに行きますので、どこかでお茶でもいかがでしょうか?」
マコトはコンビニのアルバイトの休憩中にスマホを確認した。
マコト「相変わらず堅いな〜スミレさんは、、てか久々なのにこんな内容かいっ!」
その翌週の週末の午後にマコトとスミレは渋谷で待ち合わせした。
スミレ「マコトさん、、お久しぶりです!」
マコトはスミレの普段着姿をはじめて見た。
赤いコートを着て華やかだった。
マコト「、、、よっ!半年ぶりかな!」
スミレ「あれから体調とか、、どうですか?」
マコト「あぁ〜もうバッチリ治りましたよ!」
マコトは右太ももをパンパンと叩いて見せた。
高層ビルに入っている少しオシャレなカフェに入る。
街が一望出来る席に腰掛ける。
二人はホットコーヒーを注文した。
スミレ「全然連絡出来なくてすみませんでした、、。」
マコト「いやいや、、いいよ!大丈夫!忙しかったんでしょ?」
スミレ「はい、、、タクト君の事情聴取から事件の調書作成に手間取りまして、、でもやっと一段落つきました。そしたらアメリカ転勤の話が来て、、もう大変です。」
マコト「でも良かったな!念願のアメリカ!」
スミレ「、、はい!、、、これで両親の記憶体を探せます、、。」
マコト「会えるといいね、、。」
スミレ「はい、、、、。」
マコトはリュックから業務用のスマホをスミレに渡した。
マコト「忘れないウチに返しておく!これ!」
スミレ「あ、はい、、。」
マコト「これで俺らのコンビも解消だな、、、色々今までありがとうな!相棒っ!!」
スミレ「、、、いえ、、、お礼を言うのはこちらです、、。危険な目に沢山あわせてすみませんでした、、、。でも、、、この世界を救えたのはマコトさんのお陰です!」
マコト「いや、、、俺じゃないよ、、、『俺達』だろ?!スミレさんが『夢枕』で俺の事を助けに来てくれなかったら今頃俺はここに居ないよ、、。」
二人は眼下に広がる街を眺める。
マコト「こんなに人が大勢居るのに、、世界って簡単に終わっちゃう事だってあるんだよな。」
スミレ「、、、そうですね、、、。」
マコト「夢世界だと皆が繋がってるのに、、現実だと皆バラバラなんだよな、、。それぞれの現実があって、、それぞれの死がある、、。」
スミレ「、、はい。そしてそれを調整する『災厄』が定期的にこの世界にやってくる、、。」
マコト「何かさ、、、すげぇな、、俺達、、。」
スミレ「え?」
マコト「いや、、だってさ、、、夢世界とかあの世より現実の方が複雑じゃん?そんな世界で生きてるなんて、、、凄くないか?」
スミレ「はあ、、、。」
マコト「そんな世界で生き抜いてる俺達は、、カッコいいな!!うん!カッコいい!!」
スミレ「、、、相変わらずで安心しましたよ。」
マコト「え?そう?」
スミレ「はい。いつもマコトさんは私の思いもつかない事を言ったり、、したりしますね!!」
マコトとスミレは高層ビルの屋上のテラスへやって来た。
1月の空気が肌をさす。
でも都会の真ん中とは思えないほど空気は澄んでいた。
マコト「、、、どのくらい行くの?アメリカ。」
スミレ「、、、三年間くらいですかね、、、。まだレムウィルスの影響があるからわからないですけど、、大体そのくらいかと。」
マコト「三年か、、、、、三年後どうなってるのかな〜、、、。」
スミレ「、、、、わかんないですけど、、、きっと楽しいですよ、、。」
マコト「楽しいか、、、そうだね、、。」
スミレ「、、、不謹慎ながら、、、一連の事件が起きて、、マコトさんと出会って、、、あの日から、、楽しかったです、、、。」
マコト「お、、それは芸人として、、ありがたいお言葉だね!」
スミレ「いえ、、、芸人としてではなくて、、、。」
マコト「違うのかいっ!」
スミレ「、、、、、、、、あぁぁぁ〜〜あぁ〜もう、、、っ!!以後ですね!以後!連絡は私用のスマホにお願いします!」
マコト「え?こわっ何よ急に!?」
スミレ「はいっ!これっ!」
スミレはくしゃくしゃに丸めてあるメモをマコトに手渡す。
スミレ「私用のメアドです!」
マコト「あ、、そういえば教えてもらえてなかったよね、、。はじめて会った日、、めちゃくちゃ印象悪かったよスミレさん!」
マコトは笑った。
スミレ「もうっ!本当に失礼ですね!そっちこそチャラチャラしてて、、印象最悪でしたよっ!!」
マコト「あははは!お互い絶対仲良くなれないと思ってたわ〜!あはは」
スミレ「、、まったく同感です、、、。」
上空を旅客機が飛んでいた。冬の空を高く飛んでいる。
スミレ「、、、、では、、、私はそろそろ、、、。」
マコト「、、、うん、、、元気、、でな、、!」
スミレ「、、、、はい、、。」
スミレはマコトに背を向けると歩いて行った。
マコトはポケットに手を入れてスミレの後ろ姿を見て居た。
するとスミレは振り返った。
スミレ「、、、、ません、、、、。」
マコト「、、、はあ?」
スミレ「だ、、から、、、、、ません。」
マコト「何よ?」
スミレ「だから!!彼氏、、、いませんよ!!!」
マコト「はあ?」
スミレ「いや、、、はじめて会った日に、、私に聞いたじゃないですか?!スミレさんは彼氏いるのかって?」
マコト「あぁ、、、質問した、、で?それを今?」
スミレ「、、、今だから言ったんでしょうが!!馬鹿ですか!?」
マコト「、、、いや、、、なんとなくわかってたし、、、彼氏いないんだろうなぁって、、。」
スミレ「え〜〜、、、そうなんですか、、、じゃあ、、なんで、、もっと、、こう、、、。」
マコト「え?何だよ、、。」
スミレ「、、、もう!!!良いですよ!!!」
マコト「、、、、ほんとおっかしいな、、、あはは、、。」
スミレ「、、、いや笑うとこですか、、、。」
マコト「いや、、、あははは、、そんな、、怒る?、、あはは。」
スミレ「、、、、もう、、、ふふふ、、あはは、、、、。」
マコト「あ〜、、ウケるわ、、。あれ?」
スミレ「どうしたんですか?」
マコト「俺、、、スミレさんの笑う顔、、、今、はじめて見たわ、、、。」
スミレ「え?そうでしたっけ?」
マコト「うん、、、笑顔、、はじめて見た、、、。」
スミレ「ふふふ、、、それは芸人としてどうなんでしょうね?相棒も笑わせられないなんてね、、、。」
マコト「なんだと!!」
スミレ「ふふふ、、、じゃあ、、、もう私、、行きますね、、、。」
マコト「おい!!ちくしょう!今度会う時は覚悟しておけよ!!」
スミレ「はいっ!、、、、、、今後のアプローチを期待してますねっ!」
そう言うとスミレは笑顔でマコトの前を去って行った。
マコト「、、、なんだよ、、、ツンデレかよ、、。」
マコトも笑っていた。
もちろん業務用のスマホである。
スミレ「マコトさん。新年明けましておめでとうございます。全然お会い出来ていないですね。一個報告があります。遂にロサンゼルス支部への転勤が決まりました。急ですが来月になりました。そこで、、今使っている『死上保安局員』用のスマホの返却をお願いしたく思います。今度お時間ある時に受け取りに行きますので、どこかでお茶でもいかがでしょうか?」
マコトはコンビニのアルバイトの休憩中にスマホを確認した。
マコト「相変わらず堅いな〜スミレさんは、、てか久々なのにこんな内容かいっ!」
その翌週の週末の午後にマコトとスミレは渋谷で待ち合わせした。
スミレ「マコトさん、、お久しぶりです!」
マコトはスミレの普段着姿をはじめて見た。
赤いコートを着て華やかだった。
マコト「、、、よっ!半年ぶりかな!」
スミレ「あれから体調とか、、どうですか?」
マコト「あぁ〜もうバッチリ治りましたよ!」
マコトは右太ももをパンパンと叩いて見せた。
高層ビルに入っている少しオシャレなカフェに入る。
街が一望出来る席に腰掛ける。
二人はホットコーヒーを注文した。
スミレ「全然連絡出来なくてすみませんでした、、。」
マコト「いやいや、、いいよ!大丈夫!忙しかったんでしょ?」
スミレ「はい、、、タクト君の事情聴取から事件の調書作成に手間取りまして、、でもやっと一段落つきました。そしたらアメリカ転勤の話が来て、、もう大変です。」
マコト「でも良かったな!念願のアメリカ!」
スミレ「、、はい!、、、これで両親の記憶体を探せます、、。」
マコト「会えるといいね、、。」
スミレ「はい、、、、。」
マコトはリュックから業務用のスマホをスミレに渡した。
マコト「忘れないウチに返しておく!これ!」
スミレ「あ、はい、、。」
マコト「これで俺らのコンビも解消だな、、、色々今までありがとうな!相棒っ!!」
スミレ「、、、いえ、、、お礼を言うのはこちらです、、。危険な目に沢山あわせてすみませんでした、、、。でも、、、この世界を救えたのはマコトさんのお陰です!」
マコト「いや、、、俺じゃないよ、、、『俺達』だろ?!スミレさんが『夢枕』で俺の事を助けに来てくれなかったら今頃俺はここに居ないよ、、。」
二人は眼下に広がる街を眺める。
マコト「こんなに人が大勢居るのに、、世界って簡単に終わっちゃう事だってあるんだよな。」
スミレ「、、、そうですね、、、。」
マコト「夢世界だと皆が繋がってるのに、、現実だと皆バラバラなんだよな、、。それぞれの現実があって、、それぞれの死がある、、。」
スミレ「、、はい。そしてそれを調整する『災厄』が定期的にこの世界にやってくる、、。」
マコト「何かさ、、、すげぇな、、俺達、、。」
スミレ「え?」
マコト「いや、、だってさ、、、夢世界とかあの世より現実の方が複雑じゃん?そんな世界で生きてるなんて、、、凄くないか?」
スミレ「はあ、、、。」
マコト「そんな世界で生き抜いてる俺達は、、カッコいいな!!うん!カッコいい!!」
スミレ「、、、相変わらずで安心しましたよ。」
マコト「え?そう?」
スミレ「はい。いつもマコトさんは私の思いもつかない事を言ったり、、したりしますね!!」
マコトとスミレは高層ビルの屋上のテラスへやって来た。
1月の空気が肌をさす。
でも都会の真ん中とは思えないほど空気は澄んでいた。
マコト「、、、どのくらい行くの?アメリカ。」
スミレ「、、、三年間くらいですかね、、、。まだレムウィルスの影響があるからわからないですけど、、大体そのくらいかと。」
マコト「三年か、、、、、三年後どうなってるのかな〜、、、。」
スミレ「、、、、わかんないですけど、、、きっと楽しいですよ、、。」
マコト「楽しいか、、、そうだね、、。」
スミレ「、、、不謹慎ながら、、、一連の事件が起きて、、マコトさんと出会って、、、あの日から、、楽しかったです、、、。」
マコト「お、、それは芸人として、、ありがたいお言葉だね!」
スミレ「いえ、、、芸人としてではなくて、、、。」
マコト「違うのかいっ!」
スミレ「、、、、、、、、あぁぁぁ〜〜あぁ〜もう、、、っ!!以後ですね!以後!連絡は私用のスマホにお願いします!」
マコト「え?こわっ何よ急に!?」
スミレ「はいっ!これっ!」
スミレはくしゃくしゃに丸めてあるメモをマコトに手渡す。
スミレ「私用のメアドです!」
マコト「あ、、そういえば教えてもらえてなかったよね、、。はじめて会った日、、めちゃくちゃ印象悪かったよスミレさん!」
マコトは笑った。
スミレ「もうっ!本当に失礼ですね!そっちこそチャラチャラしてて、、印象最悪でしたよっ!!」
マコト「あははは!お互い絶対仲良くなれないと思ってたわ〜!あはは」
スミレ「、、まったく同感です、、、。」
上空を旅客機が飛んでいた。冬の空を高く飛んでいる。
スミレ「、、、、では、、、私はそろそろ、、、。」
マコト「、、、うん、、、元気、、でな、、!」
スミレ「、、、、はい、、。」
スミレはマコトに背を向けると歩いて行った。
マコトはポケットに手を入れてスミレの後ろ姿を見て居た。
するとスミレは振り返った。
スミレ「、、、、ません、、、、。」
マコト「、、、はあ?」
スミレ「だ、、から、、、、、ません。」
マコト「何よ?」
スミレ「だから!!彼氏、、、いませんよ!!!」
マコト「はあ?」
スミレ「いや、、、はじめて会った日に、、私に聞いたじゃないですか?!スミレさんは彼氏いるのかって?」
マコト「あぁ、、、質問した、、で?それを今?」
スミレ「、、、今だから言ったんでしょうが!!馬鹿ですか!?」
マコト「、、、いや、、、なんとなくわかってたし、、、彼氏いないんだろうなぁって、、。」
スミレ「え〜〜、、、そうなんですか、、、じゃあ、、なんで、、もっと、、こう、、、。」
マコト「え?何だよ、、。」
スミレ「、、、もう!!!良いですよ!!!」
マコト「、、、、ほんとおっかしいな、、、あはは、、。」
スミレ「、、、いや笑うとこですか、、、。」
マコト「いや、、、あははは、、そんな、、怒る?、、あはは。」
スミレ「、、、、もう、、、ふふふ、、あはは、、、、。」
マコト「あ〜、、ウケるわ、、。あれ?」
スミレ「どうしたんですか?」
マコト「俺、、、スミレさんの笑う顔、、、今、はじめて見たわ、、、。」
スミレ「え?そうでしたっけ?」
マコト「うん、、、笑顔、、はじめて見た、、、。」
スミレ「ふふふ、、、それは芸人としてどうなんでしょうね?相棒も笑わせられないなんてね、、、。」
マコト「なんだと!!」
スミレ「ふふふ、、、じゃあ、、、もう私、、行きますね、、、。」
マコト「おい!!ちくしょう!今度会う時は覚悟しておけよ!!」
スミレ「はいっ!、、、、、、今後のアプローチを期待してますねっ!」
そう言うとスミレは笑顔でマコトの前を去って行った。
マコト「、、、なんだよ、、、ツンデレかよ、、。」
マコトも笑っていた。
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