夢逃人(ドリーマー)
第23章 唐竹マコト と 長谷部タクト
二子玉川へと246号線を車で走るマコト。
あちこちから消防車や救急車、パトカーのサイレンが響いている。
他の車はほとんど見当たらなかった。
マコト「、、、何かあったのか?」
張り詰める空気を感じていた。
多摩川に差し掛かる橋に着くとマコトは車の速度を落とした。
マコト「着いた、、、扉ってここなのか?」
マコトは車を停車させて降りた。
マコト「ウサギ大臣!お前は車に居てくれ!」
ウサギ大臣「、、、、うん。」
マコトは橋から川を覗いた。川は一見普通の水量だったがその流れは異常だった。いたるところで渦を巻いていて、中からはウサギ大臣が現れ続けていた。
マコト「、、、なんてこった、、、これが扉なのか、、、。」
マコトは背筋がゾクっとするのを感じた。
辺りを見回すと橋の手すりに手をかけてまたがろうとしている少年を見つけた。
マコト「、、、まさか、、あいつ、、、。」
マコトはその少年に駆け寄る。
マコト「タクト!!!!」
タクト「、、、、マコトさん?」
タクトはマコトに気が付くと手すりから手を離した。
マコト「お前、、、何しようとしてたんだよ、、、?」
タクト「マコトさん、、、え?ていうかどうして僕の名前を知ってるんですか?」
マコト「うるせぇ!そんな事よりモエちゃん、、、キョウジの奥さんを何処に連れてった?」
タクト「、、、、本当に、、、ごめんなさい!!」
タクトはその場で土下座をした。
タクト「、、、僕が全部悪いんです、、、キョウジさんの奥さんは、、連れ去られました、、。」
マコト「何だって?」
するとマコトのスマホが鳴った。
キョウジからだった。
マコト「もしもし?キョウジか?」
キョウジ「あぁ!!マコト!!モエを見つけた!新宿の都庁だ!」
マコト「都庁?!それって、、、血界の場所じゃ、、。」
キョウジ「ケッカイ?なんだそれ?」
マコト「あ、、、。」
キョウジ「とにかく俺も今から都庁に向かう!」
勢いよく通話を切られた。
マコト「どうなってるんだ?」
タクト「、、、あいつは、、妊婦さんと同化するって言ってました。」
マコト「あいつ?」
タクト「はい、、、僕はあいつの言いなりになってました、、、ここの血界も僕が壊してしまいました、、、本当に申し訳ないことをしました、、、。ごめんなさい!!」
タクトは土下座を続けた。
マコト「、、、都庁にはスミレさん達が行ってるはずだし、、あっちは任せるか、、、。おいタクト!とりあえず頭上げろ!」
タクトは立ち上がった。
マコト「一体何があったんだよ?、、、お前の動画も見たぜ、、、それに、、、手紙の件は悪かった、、、ずっと読んでなくて、、さっき読んだ、、、お前はずっと俺達に助けを求めていたんだよな?」
タクト「、、、、はい、、、、。」
マコト「気付いてやれなくて悪かった、、。」
マコトは頭を下げた。
タクト「、、、いえ、、、僕が悪いんです、、、。誰も助けてくれなかったから、、、『さいれんず』の二人にあんな手紙出してしまって、、、。」
タクトは手に般若の面を持っていた。
マコト「そのお面、、、。」
タクト「、、はい、、、これをつけると、、何か強くなった気になれたんです、、、。マコトさん、、、僕は、、生きていたらダメなんです、、。」
マコト「何を言ってるんだよ、、、。」
タクト「だって、、、この世界はあまりにも酷い、、、このまま生きていたって何も無いし、、、人に迷惑もかけてしまった、、、僕は、、、もう居なくなった方が良いんですよ、、、。だからさっきはここから飛び込もうとしていました、、、。」
眼下には記憶体が渦巻いていた。
タクト「、、、死んで詫びるしかないです、、、。」
するとマコトはタクトに近付く。
マコトはタクトの頬に拳を握りしめて殴った。
腰を着くタクト。般若の面が吹っ飛ぶ。
タクト「マコトさん?」
マコトは怒っていた。
マコト「俺はな、、こんな事言えた立場じゃないし、お前が色んな辛い目に遭ってきたんだろうとは思う、、だがな、、、、悪夢ばっかり見てんじゃねぇよ!!目を覚ませよ!!」
タクトの頬は真っ赤に腫れていた。
マコト「人生なんて良い事ばっかりじゃないし、なんなら辛い事の方が多いよ、、、だけどな、、だけどな、、人生にいじけるなよ!!!!」
タクトの目から涙が溢れ出た。
タクト「だって、、、だって、、、もう、、戻れないんですよ、、、。」
マコト「戻れなくたってやり直せるだろ!!やっちまった事は戻らねえ!!それならやり直せ!!俺が手伝ってやる!!」
タクト「、、、、く、、、くぅ、、、、。」
タクトは涙が止まらない。
マコトが手を差し伸べるとタクトはその手を掴んで立ち上がった。
タクト「、、、、めちゃくちゃ痛かったです、、、今まで殴られた中で、、、一番痛かったです、、。」
マコト「そうだろ?意味の無い暴力より意味の有る暴力は効くんだぜ!」
マコトは笑った。
タクト「、、、そうみたいですね、、。」
タクトも笑う。
マコト「、、、とにかく、、ここの血界を戻さないと、、、。」
タクト「、、、はい!」
するとマコトは服を脱ぎ始めた。
トランクスを残して裸になった。
タクト「な、何してるんですか?」
マコト「、、、飛び込む!」
タクト「いや、、、無茶でしょ!この高さから飛び込むなんて!それに飛び込んでどうこうなる問題ですか?」
マコト「うるせぇな!だって何か手があるのかよ?」
「あれ?マコトさんじゃないですか?!」
その時、二人に声をかける人物が現れた。
あちこちから消防車や救急車、パトカーのサイレンが響いている。
他の車はほとんど見当たらなかった。
マコト「、、、何かあったのか?」
張り詰める空気を感じていた。
多摩川に差し掛かる橋に着くとマコトは車の速度を落とした。
マコト「着いた、、、扉ってここなのか?」
マコトは車を停車させて降りた。
マコト「ウサギ大臣!お前は車に居てくれ!」
ウサギ大臣「、、、、うん。」
マコトは橋から川を覗いた。川は一見普通の水量だったがその流れは異常だった。いたるところで渦を巻いていて、中からはウサギ大臣が現れ続けていた。
マコト「、、、なんてこった、、、これが扉なのか、、、。」
マコトは背筋がゾクっとするのを感じた。
辺りを見回すと橋の手すりに手をかけてまたがろうとしている少年を見つけた。
マコト「、、、まさか、、あいつ、、、。」
マコトはその少年に駆け寄る。
マコト「タクト!!!!」
タクト「、、、、マコトさん?」
タクトはマコトに気が付くと手すりから手を離した。
マコト「お前、、、何しようとしてたんだよ、、、?」
タクト「マコトさん、、、え?ていうかどうして僕の名前を知ってるんですか?」
マコト「うるせぇ!そんな事よりモエちゃん、、、キョウジの奥さんを何処に連れてった?」
タクト「、、、、本当に、、、ごめんなさい!!」
タクトはその場で土下座をした。
タクト「、、、僕が全部悪いんです、、、キョウジさんの奥さんは、、連れ去られました、、。」
マコト「何だって?」
するとマコトのスマホが鳴った。
キョウジからだった。
マコト「もしもし?キョウジか?」
キョウジ「あぁ!!マコト!!モエを見つけた!新宿の都庁だ!」
マコト「都庁?!それって、、、血界の場所じゃ、、。」
キョウジ「ケッカイ?なんだそれ?」
マコト「あ、、、。」
キョウジ「とにかく俺も今から都庁に向かう!」
勢いよく通話を切られた。
マコト「どうなってるんだ?」
タクト「、、、あいつは、、妊婦さんと同化するって言ってました。」
マコト「あいつ?」
タクト「はい、、、僕はあいつの言いなりになってました、、、ここの血界も僕が壊してしまいました、、、本当に申し訳ないことをしました、、、。ごめんなさい!!」
タクトは土下座を続けた。
マコト「、、、都庁にはスミレさん達が行ってるはずだし、、あっちは任せるか、、、。おいタクト!とりあえず頭上げろ!」
タクトは立ち上がった。
マコト「一体何があったんだよ?、、、お前の動画も見たぜ、、、それに、、、手紙の件は悪かった、、、ずっと読んでなくて、、さっき読んだ、、、お前はずっと俺達に助けを求めていたんだよな?」
タクト「、、、、はい、、、、。」
マコト「気付いてやれなくて悪かった、、。」
マコトは頭を下げた。
タクト「、、、いえ、、、僕が悪いんです、、、。誰も助けてくれなかったから、、、『さいれんず』の二人にあんな手紙出してしまって、、、。」
タクトは手に般若の面を持っていた。
マコト「そのお面、、、。」
タクト「、、はい、、、これをつけると、、何か強くなった気になれたんです、、、。マコトさん、、、僕は、、生きていたらダメなんです、、。」
マコト「何を言ってるんだよ、、、。」
タクト「だって、、、この世界はあまりにも酷い、、、このまま生きていたって何も無いし、、、人に迷惑もかけてしまった、、、僕は、、、もう居なくなった方が良いんですよ、、、。だからさっきはここから飛び込もうとしていました、、、。」
眼下には記憶体が渦巻いていた。
タクト「、、、死んで詫びるしかないです、、、。」
するとマコトはタクトに近付く。
マコトはタクトの頬に拳を握りしめて殴った。
腰を着くタクト。般若の面が吹っ飛ぶ。
タクト「マコトさん?」
マコトは怒っていた。
マコト「俺はな、、こんな事言えた立場じゃないし、お前が色んな辛い目に遭ってきたんだろうとは思う、、だがな、、、、悪夢ばっかり見てんじゃねぇよ!!目を覚ませよ!!」
タクトの頬は真っ赤に腫れていた。
マコト「人生なんて良い事ばっかりじゃないし、なんなら辛い事の方が多いよ、、、だけどな、、だけどな、、人生にいじけるなよ!!!!」
タクトの目から涙が溢れ出た。
タクト「だって、、、だって、、、もう、、戻れないんですよ、、、。」
マコト「戻れなくたってやり直せるだろ!!やっちまった事は戻らねえ!!それならやり直せ!!俺が手伝ってやる!!」
タクト「、、、、く、、、くぅ、、、、。」
タクトは涙が止まらない。
マコトが手を差し伸べるとタクトはその手を掴んで立ち上がった。
タクト「、、、、めちゃくちゃ痛かったです、、、今まで殴られた中で、、、一番痛かったです、、。」
マコト「そうだろ?意味の無い暴力より意味の有る暴力は効くんだぜ!」
マコトは笑った。
タクト「、、、そうみたいですね、、。」
タクトも笑う。
マコト「、、、とにかく、、ここの血界を戻さないと、、、。」
タクト「、、、はい!」
するとマコトは服を脱ぎ始めた。
トランクスを残して裸になった。
タクト「な、何してるんですか?」
マコト「、、、飛び込む!」
タクト「いや、、、無茶でしょ!この高さから飛び込むなんて!それに飛び込んでどうこうなる問題ですか?」
マコト「うるせぇな!だって何か手があるのかよ?」
「あれ?マコトさんじゃないですか?!」
その時、二人に声をかける人物が現れた。
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