夢逃人(ドリーマー)
第19章 後藤キョウジ と 長谷部タクト
キョウジ「お疲れ様でした〜。お先に失礼します〜!」
下北沢の工事現場のアルバイトを終えたキョウジは自転車の鍵を外した。
時刻は午後17時だった。セミとヒグラシの鳴き声が響く。
これから渋谷で『さいれんず』のマネージャーの高橋と会う約束をしていた。
スマホに着信が入った。妻のモエからである。
モエ「もしもし?キョウちゃん!お仕事お疲れ様!帰りに牛乳買ってきて欲しいんだけど〜。」
キョウジ「うん!わかった!今から渋谷に行って高橋さんと軽く打ち合わせしてから帰るよ!」
モエ「わかった〜!気をつけてね〜!」
7月の頭に無事籍を入れた二人は新婚生活を幸せに送っていた。
キョウジはアルバイトを3つ掛け持っていた。
キョウジ「これから産まれてくる子供の為に頑張らないとな、、!」
キョウジは自転車にまたがると力強くペダルを踏んだ。
渋谷のスクランブル交差点の近くのカフェでキョウジと高橋は待ち合わせをしていた。
高橋「キョウジさん!こっちです。」
キョウジが店内に入ると席についている高橋が呼び止めた。
キョウジ「高橋さん。お待たせ。」
高橋「すみません、、今日はお呼びしてしまって、、。事務所の方も先月の感染者騒ぎで今も立ち入り禁止になってまして、、。」
キョウジ「あぁ、、、そうか、、だから今日はカフェで待ち合わせだったんですね、、。」
高橋「はい、、、あ、、あと、、この度はご結婚おめでとうございます!」
キョウジ「ありがとうございます!」
高橋「それで、、、やっぱり事務所との契約はもう切りますか?」
キョウジ「、、、そうですね、、、。」
高橋「残念です、、、。マコトさんとは?」
キョウジ「いえ、、あれから何も連絡していないです、、。」
高橋「そうだったんですね、、、実は僕もなんです。」
キョウジ「え?」
高橋「マコトさんとここ一ヶ月連絡がつかないんですよ。キョウジさんなら何か知ってるかと思って、、。」
キョウジ「マジですか?あいつ、、、どうしたんだ?」
高橋「まあマコトさんの事だからひょっこり帰ってくるとは思ってるんですけどね。ただ気になる事が、、、、。」
キョウジ「気になる事?」
高橋「はい、、先月事務所で僕たち3人が話した日、ほら!感染した鹿野さんが暴れた日です。あの日がマコトさんとお会いした最後の日だったんですが、、、。」
キョウジ「、、はい。」
高橋「あの時、警察とか救急隊とか到着した時にマコトさんを見かけたんです、、誰かの車に乗り込んでたんですよ。しかもそのマコトさんの背後には、、、般若の面をした人が居た様に見えたんですよね。」
キョウジ「般若の面?何ですかそれ?」
高橋「、、、知らないですか?今ネットですごい人気の『Mytube』のチャンネル、、般若のお面した中学生の、、、。」
キョウジ「知らないっすね、、、俺あんまり『Mytube』見ないんで、、、。」
高橋「、、、なら大丈夫です。いや、、その般若のお面に似ていたなあ、、と思いまして。」
キョウジ「般若のお面なんて皆同じに見えません?」
高橋「まあ、、、言われてみればそうですね、、、。とにかくマコトさんから連絡あったら僕に教えて下さいね!色々仕事飛ばしてるんですよ、、まったく、、。」
キョウジ「迷惑かけてすみません、、連絡あったら俺からもキツく言っておきます、、。」
都内の自宅のアパートに帰ってきたキョウジ。
駐輪場に自転車を停めた。
キョウジ「ただいま〜。」
モエ「あ、お帰りキョウちゃん!」
キョウジ「はい、これ牛乳〜。」
モエ「ありがとう!すぐご飯にするね。」
キョウジ「おう、頼む〜。」
キョウジは手洗いうがいを済ませると冷蔵庫から缶ビールを出した。
キョウジ「そういえばさ、、、高橋さんがさ、、、マコトと一ヶ月くらい連絡取れてないんだって、、。」
モエ「え?どうしたの?マコトさん。」
キョウジ「うん、、、わかんない。」
モエ「キョウちゃんには何か連絡きた?」
キョウジ「いや、、、俺もしてないんだわ、、。」
モエ「何かあったのかしら、、?心配だね、、。」
キョウジ「うん、、、あいつ、、俺が『さいれんず』辞めるのショックで、、、変な事考えてなきゃ良いけど、、、無いよな?あいつに限って、、。」
キョウジはスマホのマコトの連絡先を出した。
キョウジ「、、、電話してみるかな、、。」
その時、インターホンが鳴った。
キョウジ「あれ?もしかしてマコトかな?」
キョウジは勢いよくドアを開けた。
しかしそこには少年が立っていた。
キョウジ「あれ?、、、お前は確か、、いつもライブを見にきてくれる少年!あれ?どうした?」
タクト「、、、キョウジさん、、、すみません。」
般若がキョウジの頭に手をかざす。キョウジには般若を認識出来ていない。
その瞬間、キョウジは意識が遠のいて膝から倒れた。
ドンという物音に気がつくとモエは玄関にやって来た。
モエ「キョウちゃん!どうしたの?君!キョウちゃんに何をしたの?」
タクト「、、、僕じゃない、、僕は、、、ごめんなさい、、。」
するとモエもその場に倒れた。
般若「、、、、くくく、、上出来だよ〜。」
タクト「お前、、、本当にこの人を生贄にするのか?」
般若「君もしつこいなぁ〜〜、、その通りだよ〜、、この女性のお腹には確かに子供がいるねえ〜〜人柱にはぴったりだ〜〜良いねえ〜〜。」
般若はモエに再び手をかざすとモエの身体が すぅ っと宙に浮いた。
タクト「、、もし、、ここで僕がお前の邪魔をしたらどうなる?」
般若「え?、、君が、、出来る訳ないでしょ?っていうかもう君必要ないや、、、『新しい良い人』見つけたし、、、ここからは僕一人でやるよ、、、。」
下北沢の工事現場のアルバイトを終えたキョウジは自転車の鍵を外した。
時刻は午後17時だった。セミとヒグラシの鳴き声が響く。
これから渋谷で『さいれんず』のマネージャーの高橋と会う約束をしていた。
スマホに着信が入った。妻のモエからである。
モエ「もしもし?キョウちゃん!お仕事お疲れ様!帰りに牛乳買ってきて欲しいんだけど〜。」
キョウジ「うん!わかった!今から渋谷に行って高橋さんと軽く打ち合わせしてから帰るよ!」
モエ「わかった〜!気をつけてね〜!」
7月の頭に無事籍を入れた二人は新婚生活を幸せに送っていた。
キョウジはアルバイトを3つ掛け持っていた。
キョウジ「これから産まれてくる子供の為に頑張らないとな、、!」
キョウジは自転車にまたがると力強くペダルを踏んだ。
渋谷のスクランブル交差点の近くのカフェでキョウジと高橋は待ち合わせをしていた。
高橋「キョウジさん!こっちです。」
キョウジが店内に入ると席についている高橋が呼び止めた。
キョウジ「高橋さん。お待たせ。」
高橋「すみません、、今日はお呼びしてしまって、、。事務所の方も先月の感染者騒ぎで今も立ち入り禁止になってまして、、。」
キョウジ「あぁ、、、そうか、、だから今日はカフェで待ち合わせだったんですね、、。」
高橋「はい、、、あ、、あと、、この度はご結婚おめでとうございます!」
キョウジ「ありがとうございます!」
高橋「それで、、、やっぱり事務所との契約はもう切りますか?」
キョウジ「、、、そうですね、、、。」
高橋「残念です、、、。マコトさんとは?」
キョウジ「いえ、、あれから何も連絡していないです、、。」
高橋「そうだったんですね、、、実は僕もなんです。」
キョウジ「え?」
高橋「マコトさんとここ一ヶ月連絡がつかないんですよ。キョウジさんなら何か知ってるかと思って、、。」
キョウジ「マジですか?あいつ、、、どうしたんだ?」
高橋「まあマコトさんの事だからひょっこり帰ってくるとは思ってるんですけどね。ただ気になる事が、、、、。」
キョウジ「気になる事?」
高橋「はい、、先月事務所で僕たち3人が話した日、ほら!感染した鹿野さんが暴れた日です。あの日がマコトさんとお会いした最後の日だったんですが、、、。」
キョウジ「、、はい。」
高橋「あの時、警察とか救急隊とか到着した時にマコトさんを見かけたんです、、誰かの車に乗り込んでたんですよ。しかもそのマコトさんの背後には、、、般若の面をした人が居た様に見えたんですよね。」
キョウジ「般若の面?何ですかそれ?」
高橋「、、、知らないですか?今ネットですごい人気の『Mytube』のチャンネル、、般若のお面した中学生の、、、。」
キョウジ「知らないっすね、、、俺あんまり『Mytube』見ないんで、、、。」
高橋「、、、なら大丈夫です。いや、、その般若のお面に似ていたなあ、、と思いまして。」
キョウジ「般若のお面なんて皆同じに見えません?」
高橋「まあ、、、言われてみればそうですね、、、。とにかくマコトさんから連絡あったら僕に教えて下さいね!色々仕事飛ばしてるんですよ、、まったく、、。」
キョウジ「迷惑かけてすみません、、連絡あったら俺からもキツく言っておきます、、。」
都内の自宅のアパートに帰ってきたキョウジ。
駐輪場に自転車を停めた。
キョウジ「ただいま〜。」
モエ「あ、お帰りキョウちゃん!」
キョウジ「はい、これ牛乳〜。」
モエ「ありがとう!すぐご飯にするね。」
キョウジ「おう、頼む〜。」
キョウジは手洗いうがいを済ませると冷蔵庫から缶ビールを出した。
キョウジ「そういえばさ、、、高橋さんがさ、、、マコトと一ヶ月くらい連絡取れてないんだって、、。」
モエ「え?どうしたの?マコトさん。」
キョウジ「うん、、、わかんない。」
モエ「キョウちゃんには何か連絡きた?」
キョウジ「いや、、、俺もしてないんだわ、、。」
モエ「何かあったのかしら、、?心配だね、、。」
キョウジ「うん、、、あいつ、、俺が『さいれんず』辞めるのショックで、、、変な事考えてなきゃ良いけど、、、無いよな?あいつに限って、、。」
キョウジはスマホのマコトの連絡先を出した。
キョウジ「、、、電話してみるかな、、。」
その時、インターホンが鳴った。
キョウジ「あれ?もしかしてマコトかな?」
キョウジは勢いよくドアを開けた。
しかしそこには少年が立っていた。
キョウジ「あれ?、、、お前は確か、、いつもライブを見にきてくれる少年!あれ?どうした?」
タクト「、、、キョウジさん、、、すみません。」
般若がキョウジの頭に手をかざす。キョウジには般若を認識出来ていない。
その瞬間、キョウジは意識が遠のいて膝から倒れた。
ドンという物音に気がつくとモエは玄関にやって来た。
モエ「キョウちゃん!どうしたの?君!キョウちゃんに何をしたの?」
タクト「、、、僕じゃない、、僕は、、、ごめんなさい、、。」
するとモエもその場に倒れた。
般若「、、、、くくく、、上出来だよ〜。」
タクト「お前、、、本当にこの人を生贄にするのか?」
般若「君もしつこいなぁ〜〜、、その通りだよ〜、、この女性のお腹には確かに子供がいるねえ〜〜人柱にはぴったりだ〜〜良いねえ〜〜。」
般若はモエに再び手をかざすとモエの身体が すぅ っと宙に浮いた。
タクト「、、もし、、ここで僕がお前の邪魔をしたらどうなる?」
般若「え?、、君が、、出来る訳ないでしょ?っていうかもう君必要ないや、、、『新しい良い人』見つけたし、、、ここからは僕一人でやるよ、、、。」
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