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本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫

港町ケイン防衛戦(5)




「……」

 俺は、思わず無言になる。
 理由は、町や城などをモンスターが襲う場合に、それを撃退するのは既に一人では対処不能な多人数型防衛攻略戦――、通称で言う所のレイド・バトルになるからだ。
 
 理由は簡単で、町や城下町などは、外に面している場所が広い。
 つまり、一人では守り切れないのだ。
 
「カズマさん? 大丈夫ですか?」

 ソフィアが、俺の顔を覗き込みようにしてみてくる。
 大きな茶色い瞳に吸い込まれそうな感覚があるが――、それは俺が女性に対して殆ど免疫が無いからだろう。
 
「大丈夫だ。それよりも、モンスターが襲ってくる可能性があるってのは本当なのか?」
「おそらくは――」
「だが、俺が倒したストーンゴーレムは、外を徘徊していただけだが……」
「そうなんですか?」
「ああ」

 俺の話を聞いたソフィアは怪訝そうな表情をする。
 何かあるのか?

「そうしますと……、もしかすると……」
「何か心当たりがあるのか?」
「はい。普通、ダンジョンから出てきたモンスターは、人に害を及ぼすという名目な目標があって襲ってきます。それをしないという事は――」

 なるほど、何となくだが、何を言いたいのか理解した。

「つまり攻撃目的が定まっていないということか? だが、そうなると妙じゃないのか? 攻撃目標が定まっていないのに、ダンジョンで生み出されるモンスターが……」

 そこで俺は、思い出す。
 これと同じ状況が、アルドガルド・オンラインにもあったことを。

「誰かが指揮している……、もしくはモンスターを先導している連中がいるってことか……」
「そうなります。ただ、相手は――」
「そうだな」

 主犯格の相手が分からない以上、頭を叩いて何とかするという方法は取れない。
 それに何より主犯格を倒した後にモンスターが何もしないのか? と、言えば違うだろう。
 主犯格が押さえていた攻撃目的が、今度は明確に人間に代わるだけだ。
 厄介なこと、この上ない。

「とりあえずアレだな。まずは戦力集めをしないとな」
「戦力集めですか……」

 目が泳ぐソフィア。

「言いたいことは分かる。今のケインの冒険者たちの実力はやばいんだろう?」
「はい……」
「――なら退役した冒険者や軍人に招集をかけて自警団を作るしかない」
「そんな事、国が許す訳が……」
「この際、仕方ないだろう。それとも町が滅んでしまっていいのか?」
「困ります」
「よし、ならこうしよう。表向きは冒険者ギルドからモンスター討伐依頼をかけるんだ。それも高額でな。――で、集まってきた連中に事情を話し自警団を組織する。だが――、あくまでも、それはモンスターの討伐って名目にしておけばいい。依頼は、モンスター討伐だからな。やっている業務は今までとは変わらない」
「つまり、表向きと裏を分けて軍を編成すると?」
「そうなる。とにかく時間がないなら急いだ方が良い」

 俺も、急いでエミリアの元へと向かう為に踵を返す。

「カズマさんは、どこに?」
「ちょっと野暮用だ」



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