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本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫

港町ケイン(1)




 港町ケインは、四葉のクローバーのような形をしたローレンシア大陸の南西に乱立するエルミア王国の玄関港である。
 ゲームが本格的に配信されていた時代には、リーン王国という国は既に存在していなかったが、アルドガルド・オンライン設定資料には、以前にリーン王国が存在していたが消滅したと書かれていた。
 消滅した理由は書かれてはいなかったが、ゲームに忠実なら、リーン王国が消える可能性は非常に高いが……いつかは分からないのでどうしようも出来ない。

 ガレー船から降りたあとは、リーン王国の玄関港でもある港町ケインを散策しようと思っていたのだが……。

「まだ、頭がくらくらします」

 船から降りて体感的には20分後くらい経過していると思うが、船酔いに完全に体調を崩してしまったエミリアは、空の箱の上に横たわって、苦しそうにしていた。
 
「大丈夫か? ヒールが効けば良かったんだが……」

 念のために回復魔法のヒールをエミリアに使用してみたが、効果は無かった。
 なので、船酔いにはヒールは対象外らしい。
 エミリアには悪いが、ヒールが万能な訳ではないことが分かっただけで大きな収穫だ。
 それと同じように、ヒールで対処できない攻撃をされた場合、死に直結する恐れがあるので、十分に用心しておくとしよう。

 2時間ほど経過し――、日が暮れかけてきたところで何とか歩けるまで回復したエミリアを連れて港から程近い宿を借りる事が出来た。
 料金は相場の5倍――、2人分で大銅貨1枚払うことになったが。

 3階建ての白い外壁のお洒落な建物。
 その2階の一室に俺達は部屋を借りた。
 もうすぐ祭りという事もあり、他の宿は埋まっていたかも知れないと、恰幅のいい女将さんに言われた際には、驚いた。

「ほら、もうすぐベッドだからな」

 足元もおぼつかないエミリアを部屋の中のベッドに寝かせる。
 そして、俺も部屋の中に用意されていた2つのベッドの内のもう片方に腰を下ろす。

「今日は疲れたな」
「申し訳ありません。迷惑をかけてしまって」

 エミリアは額に自身の腕を当てながら俺に語り掛けてくる。
 それに対して、頭を左右に振る。

「船酔いは、かかると大変だと聞いたことがあるから問題ない。それより、落ち着いたら食事にでもいくか」
「そうですね……」

 弱々しい声色で答えてくるエミリア。
 彼女は、そのまま寝入ってしまった。

「――さて、どうするか」

 手持ち無沙汰になったから、何か情報収集でもしたい。
 だが、日本と違って街灯などないし、治安も、日本ほど良くない。
 いくらステータスとスキルで圧倒出来たとしても、面倒事には極力近寄らない方が賢明。

「寝るか」

 ――と、いうことで俺も寝ることにした。

 



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