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婚約破棄され国から追放された聖女は隣国で幸せを掴みます。

なつめ猫

王都へ入国です




「よし、そろそろ御者以外は、全員、幌馬車から降りてくれ」
「ほいよ」
「わかった」

 城壁の前に到着したところで、サイさんが私達に指示を出してくる。
 彼の指示どおり私達は幌馬車から降りる。
 幌馬車は、そのまま大きな門の方へと向かっていく。
 もちろんサイさんも一緒。
 幌馬車から降りたのは、私達冒険者だけ。

「もしかして入国審査とか?」
「エミはんは、おおげさやな」

 私の言葉に笑みを浮かべるユーリエさん。
 そんな私達の会話が気になったのか、アネットさんが話しかけてきた。

「エミ。冒険者はクエストなどで他の町へ移動する事もあるから、その入出記録を取っているだけだ」
「国境では行わなかったですよね?」
「国境は、不審者と不正物資の確認が主だからな」
「なるほど……。城門前で入出国のチェックをするのは移動を主にする冒険者と言うことですか?」
「そうだな。基本的に商人や王侯貴族、冒険者以外は町の外に出ることは滅多にないからな」
「なるほど……」

 つまり何か厄介ごとを持ち込むとしたら冒険者と認識されている訳ね。
 商人の方だと店を持っているから、信頼度は段違いに高いだろうし。
 私の考えを裏付けるように、簡単な荷物検査だけをして次々と町の中へと入っていく幌馬車もといキャラバン部隊。
 その中には、スパークさんやサイさんも含まれている。

「さて、うちらもさっさといきまっせ」

 ユーリエさんに肩を軽く叩かれる。
 すでに他の幌馬車を護衛していた別の冒険者グループも入国の手続きを行って王都スルトーンへと入っているので、本当に簡単な確認だという事が分かった。
 アネットさんやユーリエさんの後を付いていき、私も入国審査の列へと並ぶ。
 
「名前はアネット。職業はレンジャーでいいのか?」
「せや」
「うむ。では通過してよし」

 後ろで見ていた限り冒険者ギルドカードを渡して名前を確認して、羊皮紙に書いているだけ。
 これなら問題は無さそう。
 アネットさんも問題なく確認が終わり王都の中へと。

「次」
「はい」

 私は、冒険者ギルドカードを出し40歳後半の男性へと渡す。

「名前はエミ。見習い魔術師で間違いないか?」
「はい」
「よし。通ってよし」

 差し出された冒険者ギルドカードを受け取る。
 そして――、城門を潜り抜ける時に、溜息が聞こえてきた。

「困りましたね」
「そうだな」
「セルトラ王国で行方不明になった次期王妃のアマーリエ様の捜索依頼ですが、そろそろ不味くないですか?」
「ああ、行方不明になってから2週間ほどが経過しているようだからな。――だが、黒い髪に黒い瞳という特徴的すぎる女性が見つからないはずはない。キルワ陛下も、アマーリエ様とは面識があるようだからな。見つける為に莫大な懸賞金もかけているからな」

 そんな声が聞こえてくる。
 どうやら、私をセルトラ王国では探しているみたいだけど、どういうことなのかしら?





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