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婚約破棄され国から追放された聖女は隣国で幸せを掴みます。

なつめ猫

王都前の分配作業




 キルワ王国の国境を超えてから数日が経過し――、

「王都が見えてきたぞ」

 そう御者席のセバットさんから声が聞こえてきた。

「エミはん、到着したらしいで?」
「みたいですね」

 今日中には、王都に到着するとスパークさんに説明されていた事もあり、私だけでなくアネットさんやユーリエさんも幌馬車の前の方に座っていて、外をずっと見ていた。
 そう言うこともあり、セバットさんが言わなくても王都の風景は、地平線の彼方には見えていた。

「よし、セバット。このへんで一旦、幌馬車を停めてくれ」
「分かりました。サイさん」

 サイさんの指示で、私達が乗っていた馬車は、数十メートル走ったところで停車する。

「それじゃエミ。王都に着く前に、それぞれ商人の分け前をアイテムボックスから出してくれ」
「あ、そう言うことですね」

 王都に到着する前にドラゴンを解体した分け前を、それぞれの商人に渡しておかないと、王都の衛兵や、兵士や警備兵におかしいと思われ追及されるかも知れない。
 そう言うこともあり、王都から離れた場所で、分け前を分けるのは最適なのかも知れない。
 サイさんが真っ先に幌馬車から降りて手ぶりで次々と幌馬車を停めていく。

「サイ」
「あ、スパークさん」
「分かっている。言いたい事は。ここで分配を行うという事だろう? 丁度、言い距離なのかも知れないな」
「はい。ですが――、早く分配をした方がいいかと」
「そうだな。さすがに王都近くだからな。早めに分けないと、俺達キャラバン以外の商人も来るからな。エミ、ドラゴンの切り分けた部分を全部出してくれないか?」
「分かりました」

 スパークさんが指差した場所へ、ドラゴンの切り分けた部分をアイテムボックスから出して置いていく。
 それらを、商人たちが次々と此処の幌馬車へと運んでいく。
 ドラゴンの素材や、切り分けた部分を出し終えたあと、商人の皆様が運び終えたのは1時間ほど。

「よし、エミ。ご苦労だったな」
「いえ。約束でしたので」
「まぁ、今回の遠征は、大成功だ。しかもドラゴンに至っては、本来なら全滅しかねないのをエミが救ってくれたのは大きいし、それだけでなく、俺達にドラゴンの素材をくれたからな」
「約束ですので……」
「まぁ、とりあえず王都まではもうすぐだ。しっかりと護衛を頼むぞ」
「分かりました」

 スパークさんと話を終えたあと、すぐに私は先頭の幌馬車へと乗り込む。

「エミはん、おつかれー」
「エミ、おつかれさま」
「ただいま戻りました。あとは王都に向かうそうですよ」

 ユーリエさんと、アネットさんに言葉を返しつつ、私は幌馬車の床の上に敷いてある毛布の上に倒れ込む。
 ちなみに、私達が乗っている幌馬車には、本来なら荷物をたくさん積んでいて寝る場所の確保も難しいのだけれども、全て、私のアイテムボックスに入れてあるので生活空間は快適に保たれている。

「そっかー、もうすぐ王都か」
「やっと王都やな」
「はい。結構、遠かったですよね」

 すでにセルトラ王国の王都から逃げ出して2週間近く。
 魔法で何とか快適な空間を作ってはいるけど、それでも疲労は蓄積するために疲れているので、ゆっくりと出来る個人宅などを借りてゆっくりしたい。
 
 



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