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婚約破棄され国から追放された聖女は隣国で幸せを掴みます。

なつめ猫

キャラバンの説明




 幌馬車の数は12台。
 普通は3台から4台ほどで商人は隊列を組むことになるので、その数は3倍ほどで、とても多い。

「すいません。遅くなりました」

 私は、お腹が出っ張っている温和そうな商人と思わしき男性に話しかける。

「――ん? お嬢ちゃん。何かな?」

 身長は160センチに届かない私よりも、頭一つ分大きい40歳近くの中年の男性。
 その人は、何か紙を手に持ちながら、私の方へと視線を向けてきた。

「Fランク冒険者の見習い魔術師のエミです。商隊の護衛に参加する事になりました」
「おお、魔術師殿ですか。見習いでもいるだけでかなり違いますので、助かります。今回は、魔術師の冒険者の方の参加が見込めなかった為、集団で行動する事になったのですが――」
「そうなのですか」
 
 商隊――、つまりキャラバンの数が多い理由は何となく理解できた。

「そうなのです。それでは冒険者ギルドカードを見せてもらっても?」
「はい」
「たしかに……、ご本人だと確認致しました。それでは、隊の護衛の方をお願いします」
「分かりました。それで、私は、どの幌馬車に乗れば宜しいでしょうか?」
「そうですね。とりあえず魔術師殿は、索敵の魔法などは使えますでしょうか?」
「はい。使えます」
「それでは、先頭の幌馬車に搭乗して頂き、何か問題があった場合には魔法で合図をしてもらえますか?」
「何か事前に取り決めておく合図などありますか?」
「盗賊の場合は、火の魔法。モンスターの場合は火の魔法以外で合図をしてもらえますか?」
「分かりました。それでは盗賊の場合は、火の魔法を空に打ちますね。モンスターの場合は雷の魔法で宜しいでしょうか?」
「それで、お願いします。今回、冒険者は11人参加しておりますので、気を楽にしてください。冒険者ギルドカードを見る限り、まだ冒険者になったばかりでしょう?」

 私は、その言葉に頷く。

「それと、私はスパークと言います。一応、ここの隊商を率いているという事になっていますので、何かあれば、私の名前を出してください」
「はい」
「それでは、そろそろ出立しますので先頭の幌馬車へ移動しておいてください」
「分かりました」

 スパークさんは丁寧に説明してくれる。
 彼の指差す方向には、幌馬車が一台停まっていて、それがキャラバンの先頭の幌馬車なのでしょう。

「えっと、色々と詳しく教えてくださってありがとうございます」

 挨拶とお礼は大事。
 それは、どこの世界でも変わらない。

「ああ。頑張ってくれ――」

 頭を下げて、私は先頭の幌馬車へと向かう。
 
 
 

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