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婚約破棄され国から追放された聖女は隣国で幸せを掴みます。

なつめ猫

冒険者に向かいましょう。




 馬車は、王城の門を抜けて城下町へと続く道を走っていく。
 私は、馬車の窓を開けて馬車内の換気をしつつ、アイテムボックスからワンピースを取り出し着替える。
 夜会のドレスのままでは、城下町に降りた時に、目立ってしまうから。

「これで、よしと。それにしても、丘の上から見下ろす城下町は綺麗よね」

 視線の先には、町の灯りが星のように煌めく夜景が見える。
 それは、さながら幻想的ですらあり、王家との婚約の為に費やしてきた10年という無駄な歳月を癒してくれるよう。

「城下町に向かうのは3年ぶりかしら……」

 以前に、城下町に行ったのは王妃教育の時。
 冒険者ギルドを、国が運営していることもあり視察を兼ねて、王城の教育係りと行ったことがあるのです。

「アマーリエ様。もうすぐ城下町に到着ですが――」

 少し大きめの声が、聞こえてくる。
私が窓を開けている事に気がついていないのかも知れない。

「クレイ、まずは冒険者ギルドに向かって頂けるかしら?」
「かしこまりました」

 城下町に入ったところで、まずは冒険者ギルドに向かってもらう。
 理由は、身分証明書を手に入れること。
 公爵家としての身分証明を使うことは出来るけど、それだと追跡が容易になってしまうので、それだと困るので、まずは冒険者としての身分証明書を手に入れたい。
 それと、公爵家の馬車で国境を超えるのもアウト。
足がついてしまうから。
 特に貴族家の家紋が入っている馬車だし。

「アマーリエ様、到着致しました」
「ありがとう」

 エスコートしてもらい馬車から降りる。 

「アマーリエ様。その洋服は……」
「お父様からの言いつけで、急遽、冒険者ギルドに行かなくてはいけなくなりましたの。ですが、ドレス姿だと浮いてしまうでしょう?」
「さようでございますね」

 私の言葉に理解を示してくれたクレイ。
 
「それではクレイ。私は、お父様からの用事を済ませてきますので、ここで待機しておいてください。少し、時間は掛かると思いますので」
「かしこまりました」

 クレイに指示し、私は冒険者ギルドへと向かう。
 そして、すぐに裏路地へと入り、精霊魔法を使い、変装を行う。
 簡単に言えば光の屈折を利用した認識阻害というモノだけど、黒髪、黒眼という、この世界では特徴的な容姿を金髪碧眼へと変化させる。

 一応、鏡面の魔法で変身した自分の姿を確認。

「うん、大丈夫ね」

 一応、どこからどうみても一般的な町娘にしか見えない。
 これなら冒険者の身分証を取る時も問題ないはず。

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