婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。
氷のエリザさん。
「エリザさん、少し手前で降りて町まで歩きましょう。そうしないと王城に突っ込んだのが、私達だとバレてしまう可能性もありますので」
「それは困るな。すぐに降りよう」
「さすがに、まだ町は遠いので、ここで降りると砂漠の熱風とかで大変なことになりますよ?」
「それは困るな」
「はい」
「とりあえず、歩いて1時間くらいの場所に降りるとしましょう」
私とエリザさんが乗っているワイバーンの骨は空を飛び続け、ぐんぐんと砂漠の中に存在する都市に近づいていく。
そして――、町の輪郭もハッキリと見えてきたところで――、
「それではエリザさん、いきます!」
「わかった」
まずは、エリザさんとワイバーンの骨が繋がっている鎖を破壊。
「――え?」
エリザさんは、きょとんとした顔で私を見てくるけど、私も、すぐにワイバーンの骨から飛び降りる。
それと同時にワイバーンの骨を爆裂の魔法で破壊し空中で爆散させる。
周囲には爆風が吹き荒れ、爆音が響き渡る。
私達は、それを聞きながら砂の上へと落ちていく。
「アリーシャ! このまま落ちたらやばいんじゃないか?」
「大丈夫です!」
私は重力制御の魔法を使いエリザさんと私の落下速度を落とす。
そして何事もなく二人して砂漠の上へと降りた。
それから、二人して町の方へと歩く。
空から降り注ぐ太陽の暑さは、容赦なく私達の体を焼いていく。
「暑いな、アリーシャ」
「そうですね」
私は風の魔法を使い自分の頭上で布を浮かせながら言葉を返します。
「アリーシャ。自分だけずるいぞ!」
「そんな事を言われても、自分の歩く速度に合わせながら空からの直射日光を防ぐのは結構大変なので……」
「むー」
「そんな顔をされても……」
「そうだ!」
「あっ! 待って! 抱き着いて来ないで! 暑いから!」
「それでも、アリーシャだけ涼しいのは納得いかない! それに肌が焼けるし!」
「だって仕方ないじゃないですか。私だって、焼けるのは嫌ですし!」
日陰の中に入ってきようとするエリザさん。
「分かりました。それでは涼しくしますので」
「本当か?」
「はい。まずは砂鉄を使って鎖を作ります」
「うん」
「そして、それをエリザさんに巻き付けます」
「ん?」
「そして――」
私は氷結魔法を発動させて、氷の中へと閉じ込める。
「さむっ! アリーシャ、これ寒すぎるんだけど!?」
「大丈夫です。砂漠の熱ならすぐに溶けますので。あとは町の方へエリザさんを飛ばせば、それで完成です!」
「まて! アリーシャ。それは危険ではないだろうか?」
「大丈夫です。その装備は防御結界が組み込まれていますので」
私は町の方へと風の魔法を使い氷の塊の中に入っているエリザさんを弾き飛ばす。
あっと言う間に町の方へと飛んでいくエリザさん。
それを見ながら、私はゆっくりと町の方へと歩いていく。
そして町についたのは30分後。
ちなみにエリザさんは、町の城壁一歩前へ落ちて目を回していたけど、どこも怪我は無かった。
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