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婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。

なつめ猫

魔の森からの脱出(2)




「エリザさん」
「何だ?」
「エリザさん、体を鍛えるという事でしたので、それ用の装備を作りたいと思います」
「ほう……。いまの装備よりも更に強くなるのか?」
「そんな感じです。ただ、作るまで時間がかかりますので、それが出来るまでは、しばらくは普段通りの生活をしましょう」
「どのくらいで出来るんだ?」
「そうですね。装備の作成は魔力の付加ですので、私の村の秘密の技術を使っても一日は掛かると思います」
「分かった」

 予定が決まってから、エリザさんの体力強化の為の装備を作る事にする。
 エリザさんが身体強化をするにあたって、まずは体を鍛える為の装備を作るのが最優先。
 そうなると、いまの防御特化の衣服ではなく別にトレーニング用の衣類を作った方がいいわよね。

 エリザさんがお風呂に入っている間に、私はエリザさんから預かっている彼女のTシャツとパンツを、箪笥から取り出す。
 そして、まずは自動的に回復魔法が発動する魔法陣を描いていく。
 肉体を強化したあとは疲れてしまうので、それらを瞬時に回復させることで肉体を鍛えることをサポートする為。
 そして、体を動かしたときに肉体に負荷がかかるように、動いたときに重力荷重の魔法人を描く。
 
「こんなところでしょうか……」

 肉体に掛かる重力が最大10倍までかかるようにして、それで壊れた筋肉を自動的に回復魔法で強制的に治すという荒療治だけど、このくらいしないと、私が乗っているモノを投げるときに投げられないと思うから、エリザさんには頑張ってもらいましょう。

 せっせと夜なべして、エリザさんの衣類を作っていく。
 もちろん、私の趣味も入れ込んで――。

「なんだか執事っぽい服になりました……」

 気がつけば、すでに、日は昇っていて明るい。
 
「とりあえず満足のいく出来になりましたわ」

 額の汗を拭いながら、私は仮眠をとる為に、ベッドの上にダイブして目を閉じる。
 夜通しで作業をしていた事もあり、すぐに意識が落ちた。

 それから、しばらくしてからエリザさんに起こされる私。

「おはようございます」

 欠伸をしながら、心配そうに私を見てくるエリザさん。

「大丈夫か? 昨日、殆ど、寝てないんじゃないのか?」
「そんなことない……です」

 たぶん時間としては2時間から3時間くらいしか寝てないと思う。
 まぁ、エリザさんに作った衣服を渡してから、2度寝すればいいかな? と、思いつつ、ベッドから出る。
 立ち上がると、一瞬――、フラッと体が揺れ倒れかける。

「大丈夫か!?」

 寝不足と貧血で倒れかけた私の体をエリザさんが支えてくれた。

「大丈夫です」
「……アリーシャ、すまない。やっぱり、昨日寝てないだろ?」
「えっと……。体を鍛える為の装備を作っていましたら、ちょっと夢中になってしまって……」
「そうか。無理はしないでくれ」
「はい。今度から気を付けます」
「すまない。私のお願いで無理をさせてしまったんだよな」

 たしかにエリザさんに煽られてしまったのは否めませんけど……。

「エリザさん。私も同意して装備品を作っているので、気にしないでください」
「そうか」
「えっと、これがトレーニング用の装備になります」
「これは……、執事服か?」
「はい! エリザさんに向いていると思って!」
「これ完全にアリーシャの趣味が入っているよな?」
「そんなことないですよー」
「棒読みなんだが!?」

 気のせいです。
 細かいことを気にしていたら、駄目です。





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