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婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。

なつめ猫

魔の森からの脱出(1)




「私は、迷惑とは思っていないですよ?」
 
 とりあえずエリザさんが、私に迷惑をかけていると気に病んでいる様子なので、一応、フォローしておく。

「それでも……」
「ですけど、エリザさん。私達は二人して迷子になる才能があるようですし……」
「たしかに、それが問題だな」

 地図が読めないという訳ではないのだけれど、何故か私とエリザさんは魔の森で迷子になっている状態。
 何か呪いが掛かっているとしか思えないような気がします。

「そうだな……もぐもぐ」

 エリザさんも、打開策が無いようで、私の作った食事を食べながら小さく溜息をついていた。
 
 ――翌日、エリザさんが狩りに出たあと家の周辺の森を見ながら、どうやって迷宮都市にいくかを考えるけど、良い案がまったく浮かんでこない。

「アリーシャ?」
「あれ? エリザさん、狩りにいったのでは?」
「――いや、ちょっといい事を思いついたんだ」
「いいことですか? それって、もしかして……」

 魔の森から抜け出す方法を発見したとか?
 それはそれで私としては困るのだけれど……。
 もう森の中でずっと暮らしてもいいと思っているのだけれど……。

「ああ! この魔の森から抜け出る方法を発見したんだ!」
「本当ですか!?」

 ああ、とうとうこの日が……。
 まぁエリザさんが、どういう風に魔の森から抜け出す方法を見つけたのか興味はあるけど……、だって――、実現が不可能なら魔の森に引きこもっていられるし……。

「――それで、どのような方法で魔の森から抜け出るのですか?」
「それがな……ゴリラの魔物とさっき戦っていた時に気がついたんだ」

 何だか、魔物からアドバイスをもらったような言い方に嫌な予感しかしないです。

「それで、どのような事です?」
「うむ。ゴリラの魔物は岩を投げつけてきたんだ」

 あっ――、やっぱり嫌な予感が……ひしひしと……。

「それで?」
「私が迷宮都市の方へ投げたモノを、アリーシャが風の魔法で加速させて、それに乗って行けば!」
「それは、無理なのでは……」
「どうしてだ?」
「だって、エリザさんが飛ばした物を風の魔法で加速させたとしますよね? そしたら、その物体には、どうやって乗るんですか?」
「……鎖を体に結べばいいんじゃないのか?」
「なるほど……、つまり! エリザさんの体に鎖を巻き付けておけばいいわけですね」
「そうだな」
「そうなると、私は最初から投げる物の上に乗っていれば、自動的にエリザさんは鎖に引っ張られて、自動的についてくるという方法ですね」
「うむ。どうだろうか?」

 どうだろうか? と、言われましても……。
 何を投げるかにもよりますし、何よりも、私が乗った物を投げるのは、かなりの力が必要ですから……。
 でも……。

 ――瞳をキラキラと輝かせているエリザさん。

 これは、反対するよりもやってみた方がいいよね……。
 でも、するならキチンとやりたいし……。

「分かりました。それでは、何を投げるか考えましょう」
「そのへんはアリーシャに任せる! 私は、体を鍛えておくから」
「分かりました」

 とりあえず、投げるなら軽い物がいいですよね。



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