【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第196話 そして、最後の地へ
「私、頑張るから、絶対に帰ってこよう」
そう深く誓い、身体を離す。
彼と出会って初めて会った感情。
そして、その人を失うかもしれないという恐怖。
それでも、彼は全力で抱きしめてくれた。
そんなイレーナがやることは一つしかない。
(わたし、絶対に勝つ。何があっても!)
今までにないくらい、こぶしを強く握り、誓う。
そして2人はベッドにつく。ブリッジのように手をつなぎながら、眠りにつこうとする。
すると、幸一は気づく。イレーナと反対側のベッドの片隅。
肩の部分がはだけたネグリジェ、純白の城のミニスカート。セクシーさを前面に出した服装。
「なんだユダ、何か用か?」
ユダだ。いたずら笑顔のような笑みを浮かべながら幸一に話しかけてくる。
「夜のお楽しみ、しなくてよいのか?」
「明日、何をするのか忘れたのか?」
皮肉交じりの言葉。ユダはにやりと笑い、言葉を返した。
「冗談じゃ。明日は、いよいよだのう……」
「そうだな」
「最後の戦いじゃ。しかしお前さんも強くなったのう」
その言葉に、幸一は一人の少女の名前を思い出す。
「ああ、強くなかったら、守れないって、よくわかったからな」
「やはり、あのおなごのこと。心残りだったのか」
名前には出さなくても、二人が思い浮かべている人物は同じだった。
宗谷青葉。幸一の幼馴染にして、彼を思いながら消滅していった存在。
彼女を失って強く誓った。彼女のような存在を絶対に作らないと。
「俺は、絶対にこの世界を救うと誓った。青葉との約束。彼女みたいな存在を絶対に生まないって、絶対に守って見せる」
幸一がこぶしを握りながら決意を叫ぶ。ユダは、彼の心の強さを察し、幸一の隣に倒れこみ、肩に左手を置きながら質問する。
「そうか。しかし、もしこの戦いで世界を平和にしたら、お前さんは世界の英雄じゃ」
幸一は、ため息をついた後、彼女を向いて答える。
「別に、物語のような英雄みたいに、特別なことをしたつもりはないよ。ただ──」
「ただ、なんじゃ?」
「ただ──、目の前の人を救いたい、目の前の敵を倒さなきゃという思いを連続させたら、ここに来たって感じかな」
「そうか、お前さんらしいのう」
ユダはあきれたように笑い、ニッと微笑を浮かべた。その笑顔は、間違いない天使そのものだと感じる。
「そうか、その思い。大切に持っておるのじゃ。そちの事、信じておるぞい!」
そしてユダの姿が消滅していく。今日はいつもより話が短い。早く眠りにつき、明日への英気を養え──。
幸一にはユダがそう言っているように見えた。
そして幸一も眠りにつく。
最後の決戦へ、絶対に見負けられない戦い。
(イレーナ、ユダ、みんな、絶対に勝って、帰ってこよう!!)
そして朝。
雲一つない快晴の天気。
朝食を終え、荷造り、
準備を終えた幸一たち。
「これで準備は完了です。皆さん、出発します」
「大丈夫だ、ルナシー。みんな、問題はないか?」
ロンミルの掛け声に、ここにいる全員が大丈夫と首を縦に振った。
そして彼らの馬が、最終決戦の地へと歩を進ませる。
砂漠の中、時折見えるのは、力尽きた兵士の亡骸と鎧、そして朽ち果てた建造物。
それらは、ルーデルたちが、必死の思いでこの地を守るために戦っていた
誰かが幸一の隣に馬をつけてくる。
「よう幸一──」
「ヘイムか、自慢話か?」
俺の引き立て役にふさわしい強さだ。
俺と同じ時代に生まれたのを後悔するんだな
(傲慢が服着て歩いているようなやつ)
今は魔王軍
私的な感情に流されている場合じゃない
(そういえば、こいつの過去って聞いたことがないな)
こんな性格になったのに関係しているのだろうか
「知りたい。教えてくれ」
「よかろう。俺は大海のように寛大で慈悲深い。貴様の強さと に免じて特別に教えてやろう」
道を進んでいくごとに、幸一たちは感じ始める。
「何か、気配を感じないか──」
幾度も魔王軍たちと激戦を繰り広げたからわかる。彼らの気配とにおいが──。
「ああ、もうそろそろだな」
ルーデルの言葉に周囲が心の中でうなづく。そいつらが、すぐそばまで近づいているということに。
そして前方に、その存在はあった。
「いました。あれです!」
サラの指さした先にいる兵士。首から下がない魔獣「デュラハン」だ。
「俺たちは戦わない。わかっているな」
「ああ、ここは下がって迂回する」
ルーデルの言葉通り、遺跡の中にいる強敵と戦うため、魔力を温存しなければならない。
ゆえに、村の冒険者たちが相手をする取り決めになっているのだ。
「俺が先頭になって突っ込む。お前たちはそのあとに続け」
先頭を走っているロンミルが叫ぶと。そのあとの冒険者たちが一斉に掛け声を上げる。
そして、彼らと魔獣たちとの交戦が始まる。
(頼む、絶対勝ってくれよ)
幸一は、心配をよそに、戦闘地域を迂回。先へ進む。
そして辿り着く。最後の、決戦の地へ。
そう深く誓い、身体を離す。
彼と出会って初めて会った感情。
そして、その人を失うかもしれないという恐怖。
それでも、彼は全力で抱きしめてくれた。
そんなイレーナがやることは一つしかない。
(わたし、絶対に勝つ。何があっても!)
今までにないくらい、こぶしを強く握り、誓う。
そして2人はベッドにつく。ブリッジのように手をつなぎながら、眠りにつこうとする。
すると、幸一は気づく。イレーナと反対側のベッドの片隅。
肩の部分がはだけたネグリジェ、純白の城のミニスカート。セクシーさを前面に出した服装。
「なんだユダ、何か用か?」
ユダだ。いたずら笑顔のような笑みを浮かべながら幸一に話しかけてくる。
「夜のお楽しみ、しなくてよいのか?」
「明日、何をするのか忘れたのか?」
皮肉交じりの言葉。ユダはにやりと笑い、言葉を返した。
「冗談じゃ。明日は、いよいよだのう……」
「そうだな」
「最後の戦いじゃ。しかしお前さんも強くなったのう」
その言葉に、幸一は一人の少女の名前を思い出す。
「ああ、強くなかったら、守れないって、よくわかったからな」
「やはり、あのおなごのこと。心残りだったのか」
名前には出さなくても、二人が思い浮かべている人物は同じだった。
宗谷青葉。幸一の幼馴染にして、彼を思いながら消滅していった存在。
彼女を失って強く誓った。彼女のような存在を絶対に作らないと。
「俺は、絶対にこの世界を救うと誓った。青葉との約束。彼女みたいな存在を絶対に生まないって、絶対に守って見せる」
幸一がこぶしを握りながら決意を叫ぶ。ユダは、彼の心の強さを察し、幸一の隣に倒れこみ、肩に左手を置きながら質問する。
「そうか。しかし、もしこの戦いで世界を平和にしたら、お前さんは世界の英雄じゃ」
幸一は、ため息をついた後、彼女を向いて答える。
「別に、物語のような英雄みたいに、特別なことをしたつもりはないよ。ただ──」
「ただ、なんじゃ?」
「ただ──、目の前の人を救いたい、目の前の敵を倒さなきゃという思いを連続させたら、ここに来たって感じかな」
「そうか、お前さんらしいのう」
ユダはあきれたように笑い、ニッと微笑を浮かべた。その笑顔は、間違いない天使そのものだと感じる。
「そうか、その思い。大切に持っておるのじゃ。そちの事、信じておるぞい!」
そしてユダの姿が消滅していく。今日はいつもより話が短い。早く眠りにつき、明日への英気を養え──。
幸一にはユダがそう言っているように見えた。
そして幸一も眠りにつく。
最後の決戦へ、絶対に見負けられない戦い。
(イレーナ、ユダ、みんな、絶対に勝って、帰ってこよう!!)
そして朝。
雲一つない快晴の天気。
朝食を終え、荷造り、
準備を終えた幸一たち。
「これで準備は完了です。皆さん、出発します」
「大丈夫だ、ルナシー。みんな、問題はないか?」
ロンミルの掛け声に、ここにいる全員が大丈夫と首を縦に振った。
そして彼らの馬が、最終決戦の地へと歩を進ませる。
砂漠の中、時折見えるのは、力尽きた兵士の亡骸と鎧、そして朽ち果てた建造物。
それらは、ルーデルたちが、必死の思いでこの地を守るために戦っていた
誰かが幸一の隣に馬をつけてくる。
「よう幸一──」
「ヘイムか、自慢話か?」
俺の引き立て役にふさわしい強さだ。
俺と同じ時代に生まれたのを後悔するんだな
(傲慢が服着て歩いているようなやつ)
今は魔王軍
私的な感情に流されている場合じゃない
(そういえば、こいつの過去って聞いたことがないな)
こんな性格になったのに関係しているのだろうか
「知りたい。教えてくれ」
「よかろう。俺は大海のように寛大で慈悲深い。貴様の強さと に免じて特別に教えてやろう」
道を進んでいくごとに、幸一たちは感じ始める。
「何か、気配を感じないか──」
幾度も魔王軍たちと激戦を繰り広げたからわかる。彼らの気配とにおいが──。
「ああ、もうそろそろだな」
ルーデルの言葉に周囲が心の中でうなづく。そいつらが、すぐそばまで近づいているということに。
そして前方に、その存在はあった。
「いました。あれです!」
サラの指さした先にいる兵士。首から下がない魔獣「デュラハン」だ。
「俺たちは戦わない。わかっているな」
「ああ、ここは下がって迂回する」
ルーデルの言葉通り、遺跡の中にいる強敵と戦うため、魔力を温存しなければならない。
ゆえに、村の冒険者たちが相手をする取り決めになっているのだ。
「俺が先頭になって突っ込む。お前たちはそのあとに続け」
先頭を走っているロンミルが叫ぶと。そのあとの冒険者たちが一斉に掛け声を上げる。
そして、彼らと魔獣たちとの交戦が始まる。
(頼む、絶対勝ってくれよ)
幸一は、心配をよそに、戦闘地域を迂回。先へ進む。
そして辿り着く。最後の、決戦の地へ。
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